- ●やらなきゃいけないことをすっとばしてしまいました!!!!『ダレン・シャン』の感 想 文!忘れてたー!!今日の昼間にIちゃんが言ってて「あ、そうだ!トイレネタ!!」とノートに「トイレネタ」って書いたのに忘れてた!物忘れ激しいですよー脳みそもう腐ってるのかも知れません。うう。というわけで、毎回漫画ネタをからませて書いています感想文です。今回一貫してトイレネタに走っていますが、そんなに汚い話ではないと思うので・・・はい。
●『ダレン・シャン』はトイレから始まる物語である。著者であるダレン・シャンは前書きにおいて、この話が作り話ならばそれ相応の演出をするが、この話は本当にあったことだからダサかろうとそのままに書くよ、という。トイレから始まった、というのは「著者であるダレン・シャンがトイレにいたときにこの話を思いついた」ということなのか、または「物語の主人公であるダレン・シャンがトイレにいたときから後にあった本当の話」なのかという微妙な書き出しである。著者のダレン・シャンは、「『ダレン・シャン』という物語は、吸血鬼としての運命を歩んでいる別次元の自分が体験した実際の記録」であると主張している。前書きや最終巻の結びに書かれているこの主の主張は「作り話である」という認識を前提として語られている。作り話だからこそ堂々と「本当だ」という作り話を「作ってしまおう」という訳である。
物語の出だしがトイレといういかにも人間味の溢れる場所であるのはかなり良いセレクトであると個人的には思う。物語の初め、主人公のダレン・シャンは普通の人間である。その後異形なるもの―吸血鬼になるのだから、初めは人間であったということを明確に表すためにも「トイレ」が一番最もらしいと思われる。ダレン・シャンはトイレに「排泄」の用があってそこに居たわけではないが、トイレというのは本来「排泄」のための場である。この「排泄」というのは、人間が生まれてからまもなくして興味を持つ事柄の中にも含まれている。食べることと同時に排泄すること。つまり人間の生活の営みの基盤になるものに関連している。子供は「きたなーい」といいつつ「ウンチ」や「おしっこ」という言葉が好きである。
汚い話を継続して申し訳ないが、『マンガを解剖する 』(布施 英利、ちくま新書、2004)の中の「Ⅲ身体論」のセクションの中にある鳥山明の『Dr.スランプ 』を挙げて書かれているものはまさしく「ウンチ」の話である。
ウンチとは、むき出しになった内蔵、むき出しになった肉体なのだ。(p181 17ウンチ―鳥山明『Dr.スランプ』)
ウンチが人間の肉体性をむき出しにしている(p.180)という解釈の通り、排泄は人間らしい行為であり、排泄物が人間らしさの象徴であるといえるだろう。
更にトイレネタでもう一つ取り上げたいのは、気鋭のアニメ・クリエイター森本晃司の作品である。森本晃司は作品のモチーフに「路地裏」と「トイレ」を多用している。森本晃司率いるSTUDIO4℃ が運営する架空都市BEYONDCITY の構造にもトイレは使われており、4本ほどぶら下がっているトイレの紐を引っ張って異次元に飛ぶというシステムになっている。現在実際に開口しているのは2本あり、掲示板とクラブハウスに繋がっている(クラブハウスはトイレの断水が或る程度進まないと降りれない)。作品としてはトイレに始まりトイレに終わるというような印象が残るのが「永久家族」である。話が途中でトイレの水に流され吸い込まれて強制修了し、また突如話が始まるなんとも不思議なアニメである。話の中でもトイレの水が漏れて水害が起こったりとかなりトイレネタが激しい。「次元ループ」もスペース少女が座っている場所はトイレである。トイレ、という場所は公共施設のトイレとは全く違う価値観がある。自宅のトイレは買って知ったる我が家の一部、しかも或る意味個人部屋よりも快適な個人を満喫するための最高スペースでもある。嵐山にある繭人形の店の繭人形職人は、人形のネタをいつもトイレで考えているといっていた。トイレには工作用具と材料一式が置いてあり、思いついたらそこで作り初めてしまうのだという。トイレの用途は多様で、イワオ企画のサイトに載っていたあるアンケートの回答によれば「読書」「考え事」「アイディアを出す場所」「ひとりになれる場所」「素の自分になれる場所」という回答があったという。主人公ダレン・シャンはそこで授業をサボっていた。サボる場所は他にいくらでもあるかもしれないがトイレを選んだ。彼が一人の時間を楽しみたいと思い、最適な場所がトイレだったというわけである。先ほど挙げた「永久家族」を見ると何となく分かってもらえると思うが、トイレは水が流れていく穴がある。それは辿っていけば下水処理場に行くわけなのだが、或る意味その穴の先は未知の世界、異界といっても良いかもしれない。そういう意味で考えればトイレも立派なファンタジー要素になれる、かもしれない。
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鳥山 明『Dr.スランプ (1) 』
- ジェネオン エンタテインメント
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