性差別としての性暴力犯罪~その2 | 福岡若手弁護士のblog

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2008/8/29記事の続きです。

エドはるみさんの113km

完走を応援していて投稿が

遅くなりました。グーグーッ

谷田川知恵東京経済大学

非常勤講師からは、強姦罪の

成否の認定で、被害者の

抵抗が事実上の構成要件に

させられているのではないかとの

指摘がありました。

 すなわち、被害者の抵抗

自体は構成要件として明記

されていないけれども、

暴行脅迫の程度を認定

する際に事実上抵抗の有無に

関心が集まり、抵抗がない

ケースでは抵抗しなかった

理由は何かを問うていることを

問題視していましたパンチ

 言い換えれば、伝統的な

強姦罪の成否を判断する

枠組みというのは「被告人の

暴行脅迫=被害者の抵抗

=被害者の貞操観念=

被害者の不同意」+性交で

あり、犯罪の成否にあたって

構成要件にもかかわらず、

前者の被害者に重きが

置かれている点のあり方が

問題であり、例えば、

被告人の暴行脅迫+被害者の

不同意+性交という判断枠組みを

適用すべきであるとか、レイプ

シールド法(事件と関わりのない

被害者の性的経歴を証拠とする

ことを原則禁止する法律)の

存在を紹介していました。

 次に、周藤由美子(フェミニスト

カウンセラー)氏から「被害者

支援の現場からみた強姦罪」と

いう報告がなされました。

 被害者が抵抗していない場面が

少なからず見受けられるけれども、

それには同意ではない理由が

あること(ショックや無力感など)、

事件そのものではなく前後関係で

判断されてしまうことが多いこと

(出会い系サイトで知り合った、

AVや援助交際など契約関係の

存在、恋愛関係の存在、被害に

遭った後も性的関係が続いた)、

捜査機関が若くて初体験であれば

同情するけれどもそうでなければ

対応が冷たかったり、どのくらい

抵抗したのかを立証するために

事細かに経緯を聞かれ被害者の

抵抗が強くなければ起訴まで

至らないなど、被害者に正当な

自己認識が持ちがたいことを

批判していました。

 司法における強姦神話や、

ジェンダーバイアスの深刻さ、

司法における二次被害を防止

することが重要とのことです。

ろぼっと軽ジK