おはようございます。


今週の展望です。

ご参考までににひひ


今週の為替相場は、欧州発の財政金融危機「第2幕」の広がりと、根深いリスク回避の円高・ユーロ安・資源通貨安(対円以外でのドル高)、それに対しての当座の混乱クライマックスや政策対応、日本の菅新政権による円高阻止策などをにらんだ神経質な展開が想定される。


週明け早々は、4日の米国株急落を受けた世界株安と円高リスクが警戒される。もっとも4日は週末調整も混乱に拍車を掛けており、7日からは揺り戻し調整的な円売り戻しの余地も残る。


9日の米地区連銀報告や、11日の米小売売上高の改善などが、過度な悲観払拭の材料として注目されよう。一方で11日の中国主要指標は、改めて成長鈍化を確認。リスク回避の円高や資源通貨安の材料となりかねない。


その他、8-10日の米国債入札が、順調消化を通じた金利低下(債券価格は上昇)によるドル安材料として注視されている。

なお、前週末4日の欧米市場ではリスク回避が再燃。ハンガリーの債務不履行(デフォルト)懸念により、ギリシャ発の財政不安が東欧に伝染するリスクが警戒され始めた。同地域に融資を行っている欧州系銀行の不良債権リスクを高めるもので、改めて「日本の失われた10年」のような危機の長期化が欧州で不安視されている。
さらにスペインなどの欧州系銀行は、中南米にも多くの貸出を行っている。今度は中南米にも信用収縮が伝播するリスクも消えていない。


加えて4日には、米雇用統計での民間部門低迷が失望となった。もっとも米国では、住宅指標や自動車販売などの指標が改善している。米国の緩やかな内需復調が、欧中不安のバッファーとなるものだ。
さらに米国株については、1)株価収益率(PER)の低さ、2)配当利回りの高さ、3)長期金利の急低下などの好材料があり、「現状の株価急落は割安感をもたらしており、押し目買いの好機」(米国系ヘッジファンド)という分析も聞かれる。


日本の投資家からすると、ドル安・円高によって「米国株投資には2重の割安感が付与されている」(同)として、逆張りの投資チャンスを指摘する声もある。


一方、円はリスク回避の円高圧力が残るが、「円安論者」である菅新総理の政策対応が焦点になってきた。現実的に市場介入は困難であり、失望リスクへの警戒感が強い。それでも円高再燃の場合は、1)脱デフレという大義名分による円高牽制の口先介入、2)日銀への追加緩和圧力、3)政府・日銀の物価目標共有などが、円高阻止策として注目されよう。


何より海外からは、日本の総理の頻繁な交代と政治の迷走、それによる財政再建策に対する疑念が、潜在的な円の戻り売り(外貨の押し目買い)材料として本格的に意識され始めた。


それでは、今週も頑張っていきましょう。

よろしくお願いします。


虚空菩薩