メゾンエルメス8階フォーラムにてジャン=ミッシェル・アルベロラ展 | ファッションニュース

メゾンエルメス8階フォーラムにてジャン=ミッシェル・アルベロラ展

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「大きいものと小さいもの — チャプター2」

11月29日(日)まで、メゾンエルメス8階フォーラムにて、フランス人アーティストのジャン=ミッシェル・アルベロラの個展を開催中。

展覧会のタイトル「Les Grands et les petits —chapitre 2」は、2006年にベルギー・ブリュッセルにあるエルメス財団のギャラリー「ラ・ヴェリエール」で行われた展覧会「Les Grands et les petits」の第2章として構想された。

言葉と絵画のイメージが結びつくことで強固になるメッセージ

ジャン=ミッシェル・アルベロラ(Jean-Michel Alberola)は、80年代より制作活動をはじめ、82年にはヴェニス・ビエンナーレに出品、91年からはパリのエコール・デ・ボザール(国立高等美術学校)で教鞭をとりつつ、独自の作家活動を行っている。

日本では2000年より越後妻有アートトリエンナーレに参加し、第4回にあたる本年度は、地元の住民の生活を綴った初のドキュメンタリー映像を発表した。

アルベロラは言葉や引用を作品に取り込むのが特徴で、彼が発する微妙な政治性を含んだ言葉の意味と、描かれた視覚的なイメージは絶えず行き来しており、その交通はときにシンプルなドローイングに、屋外にそびえる壁画に、文章や批評などの出版物にと柔軟にかたちをかえて表現される。

あたたかなささやきのようでありつつ、社会への警句ともいうべき鋭いイデオロギーを秘めた彼の言葉の裏には、権力がひしめく世界があり、それを許容、育んできた歴史がある。

彼の言葉は、謎めいた絵画のイメージと結びつくことによってそのメッセージを強固にし、観客は当惑しつつも、その意味を自己で解釈することによって、彼が見つめる世界の現実に触れ、ひととき作家の思考にコミットすることとなる。

フォーラムでは、2006年にベルギー・ブリュッセルにあるエルメス財団のギャラリー「ラ・ヴェリエール」で展示した数点のオブジェにくわえ、あらたに壁画を展示。

「大きなものと小さなもの」というシンプルなフランス語のタイトルは、実際の作品の大小だけでなく、「大人と子ども」、「偉大さと凡庸さ」などとも捉えられる重層的かつ相対する意味が含まれ、アルベロラの発する言葉が様相を変えて提示する、広大なイメージの地平を表現している。

© Nacása&Partner's Inc., Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès
ジャン=ミッシェル・アルベロラ展
「大きいものと小さいもの — チャプター2」
会期│2009年11月29日(日)まで開催中
月~土曜 11:00~20:00(最終入場19:30)
日曜 11:00~19:00(最終入場18:30)
会期中無休(ただし11月18日(水)、24日(火)、25日(水)を除く)
入場無料
会場│メゾンエルメス8Fフォーラム
中央区銀座5-4-1
Tel. 03-3569-3300
主催│エルメス財団