アニエスベータイムレスなスタイルとメッセージの共存
2013年春夏パリコレクション
今年日本上陸30年を迎え、4月2日、東京パレスホテルで2013/2014年秋冬コレクションショーを行うアニエスベー。日本では1983年の青山店のオープン以来、洗練されたエスプリにあふれ、どの時代でも愛されるタイムレスなスタイルを提案し続け、日本のファッションシーンでも重要な役割をはたしてきたため、ボーダーなどのベーシックなスタイルのイメージが強いが、実はアニエスベーの魅力はそれだけではない。パリコレクションではデザイナー自身が撮影した写真を転写したメッセージ性の強いプリントやコンセプチュアルな提案が目を引く。
たとえば、深海やウエディングからのインスパイアが注目された2012年春夏パリコレクション。最終日、オルセー美術館裏セーヌ川沿い売り場寄港の客船でコレクションを開催したショーではフェミニニティ、マスキュリンとフェミニンの融合、フレッシュさ、エスニック、ビビッドカラーなど、ブランドの大切なスピリットに溢れたデザインの中で、ニューヨークのグラフィティやフランスで撮影した花などの写真とともに、ニューヨークで合法化された同性婚からのインスピレーションで作られたデザイン、「21st Century Night Wedding」を発表。ウエディングによる白の衝撃というべきコレクションを行ったコムデギャルソン(COMME DES GARÇONS)とは対照的な、黒のマリエと女性のためのタキシードという新しい結婚の形を提案した。
2012年春夏パリコレクション(この写真のみ写真提供アニエスベー)
2012年春夏パリコレクションから
また、昨年10月2日、パリのジュ・ド・ポーム美術館で行われた2013年春夏コレクションでも80年代からの定番であるボーダーやTシャツ、バイカラー使いのアイテムなどに立ち返りながら、マルリー公園の写真などとともに、
アニエスベー・フランス本社CEOであるエティエンヌ・ブルゴワを団長とする、地球の環境保護のための探検を行う観測船TARA号が研究している、絶滅が危惧されるプランクトンなどの写真や、さまざまな国の言葉で「新聞を読むと悲しくなる」と書かれたプリントなど、メッセージ性の高い作品を発表した。
日本では、アイコンであるアイテムのリモデルをはじめ、新たなクリエーションやインスピレーションを取り入れながら、未来を見据え、進化することで、今後の30年も愛されるタイムレスなブランドを目指すというアニエスベー。3月の2013/2014年秋冬パリコレクションと4月に東京で開催されるコレクションでも不滅のアニエスベースタイルとともに、どんなメッセージが発信されるのかが注目したい。
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