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ジョン・サイモンのジャーニーが好きだった。 どちらかというと、John Simon's Album の方が、いかにもウッドストック的名盤で、名盤の誉れが高いけれど、ジャーニーのジョンが「素っ頓狂」なボーカルで唄うジャズ・ソングが大好きだった。フランクシナトラだとかのジャズボーカルの概念をぶちこわしてしまうようなジョンの裏返った声のジャズソングは、ボーカリスト・ジョンの限界を明示してしまうのだけれど、それでもジョンのジャズへの思いが凝縮され、唄わずにいられないその心の迸りが、このアルバムを魅力的にしている。 ところで、ジョンは確か3回ライブを見た。1回目は東京ブルーノートで、ファミリーバンドでの出演だった。 その次は神戸チキンジョージのソロライブだったんだけれど、残念な事に観客はわずか20名程度で、そのうち5人ほどは僕の知り合いといった状況でした。そして入場する時に何故か画廊ようにノートが置かれ、スタッフがジョンの希望で住所名前を書いてくださいと言われた。思わず、ジョンから手紙でもくるのかなと思って待っていたけれど、来なかった。何のための記帳だったんだろう。そしてライブが終わった後、少ない観客は客席にでてきたジョンにサインを求め、僕らも貰った。僕はその頃愛用していつも持ち歩いていたアップルのPower Book Duo230にサインをして貰った。マシンは今では動かないがジョンのサインは残っている。 3回目はジョン・ホール、ハース・マルチネスらとのジョイントコンサートで、僕は渋谷オンエアで見た。最後野アンコールでは確か鈴木慶一さんや、高野寛さんらも参加して、「Weight」を唄われたのが感動的だった。僕は思わず会場を出た後、渋谷の坂道を「Weight」を口ずさみながら歩いた。
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