strange circus 「奇妙なサーカス」

とてつもない変態映画でした。凄まじいまでのアブノーマルなシーンが現実とサイコな夢想との間を激しく往復し、母と娘と・・・キャラクターも入れ子構造になった残虐な悪夢のような映画。しかし残虐さも変態性も復讐だとか催眠術だとかで正当化するような卑劣な映画ではなく、人間に潜む闇と残虐な悪夢とそれらに破壊される人間の精神をちゃんと描いた映画でした。

園子温 さんはぴあスカラシップの「自転車吐息」と言うタイトルを見て、そのタイトルだけですごく心が惹かれ、すごく気になる存在だったのですが、今まで一度も映画を見損ねていました。ようやく見た映画は、何となく覚悟していたとは言え、想像を超えた激しさとおぞましさを湛えた映画でした。彼への評価はもう少し作品を観てからにしたいと思いますが、気になる人であることは確かです。