昨日は後楽園ホール大会。


井上亘・引退記念大会。




近年のプロレス界の引退記念大会で、試合をしないまま引退式をした人を見た事がない。


でも、亘は、それを選択した。




語弊を恐れずにいえば…何かしらの形で、試合に参加する事は可能だったはず。


極論をいえば、コスチュームに着替え、タッグマッチでコーナーに控えているだけでも、試合に参加した事になる。


普通「これが最後」だと思えば、レスラーとしてコスチューム姿を見て頂きたいと思うのが当然。


もし自分だったら、そうしたと思う。




でも亘は、それを良しとしなかった。


「試合ができるくらいなら、引退はしない」という名言を残して…。


いかにも実直な、亘らしい言葉だった。




引退式に、正規軍のみんなで参加させてもらった。


自分も、小さい花束を持ってリングに上がり、亘に渡した。


いつも通りの優しい笑顔で、「小島さん、ありがとうございました(^-^)」と言ってくれた亘。


その笑顔には、1ミリの曇りもなかった。


亘の座右の銘である『苦悩を突き抜けて歓喜にいたれ』という言葉を思い出す。


数年前から、ケガやヘビー級での戦いにジレンマを感じていたと思う。


でも、引退式で見せた笑顔こそが、本当に“苦悩を突き抜けた”状態だったのかもしれない。


もちろん、心優しい彼の事だから「僕の事は、もう心配しないで下さい」というメッセージが込められていたと思うけど…本当に素敵な笑顔だった。




そして、亘はもう第二の人生をスタートさせている。


新日本プロレスのスタッフとして。


これも、“亘だからできた事”なのかもしれない。


アニマル浜口さんも来て頂き、本当に素晴らしすぎる引退式だった。




今頃、亘は、どんな気持ちでいるのだろうか。


それは、本人にしか分からないけど、とにかく幸せになってほしい。


自分の事よりも他人の心配を第一に考えるような男だったから、幸せになってほしい。


本当に、お疲れ様でした。






本日も、後楽園ホールにて、18時30分ゴングです。




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昨日の亘。とびきりの笑顔を見せてくれました。