飯山日記 5月16日 「虫庭の宿」 | 江沢岸生オフィシャルブログ「飯山を希望あるふるさとへ」Powered by Ameba

飯山日記 5月16日 「虫庭の宿」

「虫庭の宿」を読みました。大分県の由布院のまちづくりを仲間とともに40年にわたって続けてきた旅館「玉の湯」の溝口薫平さんの生涯を西日本新聞の野口智弘さんが聞き書きしたものです(西日本新聞社発行 2009年)。

小さな別府になるな、ということばで表わされるように、由布院は自然を守り、自然を活かしたまちづくり、生活観光型のリゾートの創造に励んできました。

友人と3人、借金してドイツの町を訪れ、勉強。なかでも、西ドイツ南西部の温泉保養地バーデンバイラー、人口3千5百人、標高450メートルの盆地の町。100年かけてきたというまちづくりに由布院の将来を決定的に重ね合わせたとあります。

由布院が次第に有名になるに従い、何度も県外の大手資本の攻勢にさらされます。それを、知恵を振り絞って阻止したり、大幅軌道修正させたりしてきました。その都度、景観などに関する条例を生み出していることも参考になります。

発信の重要性と方法についても、多くの示唆が得られました。

人口1万2千人の町に、年間400万人の人が訪れるそうです。

来月18日(月曜日)、先日ご紹介したデザイナーの水戸岡鋭治展にあわせ、溝口さんとその長女で玉の湯のおかみであり由布院温泉観光協会の会長でもある桑野和泉さんのお話を聞く会が、おぶせミュージアム・中島千波館で催されます。