一部のインタビュー記事にも掲載されましたが、実はこのタイミングにeyelisオリジナルアルバムをリリースする、というのは自分にとって大いに意味あるものとなりました。

僕がギターを手にしたのはちょうど20年前の5月でした。体育祭の次の日でした。当時はただただギターが好きで、ギターさえ弾ければよかったんです。

独りよがりなギターキッズでした。

時は巡って10年後の5月に、作曲家としてデビューすることになりました。もちろんこの時もまだ、アーティストとしてアルバムリリースなんて想像はついていません。

正直なところ、まだリスナーのことを一番に考えたり、そんな余裕はありませんでした。必死に作っていました。

それから10年経った今月、eyelisとしてオリジナルアルバムをリリースすることになりました。

ながーーーいクレッシェンドです。20年かけて大きくなってきました。
少しずつではありますが、作家として音楽を作る側の責任というか、義務というか、そういう気持ちが自分の中で大きくなっている気がします。リスナーありきの自分である、と。


それは先日ツイキャスにて番組を放送した時にも感じました。刻々と流れてくるメッセージに目を通した時、これほどたくさんの方にeyelisの作品は届いているのだ、と実感しました。

そしてこれから10年どう変わっていくのだろう?というのは楽しみです。

以前インタビュアーの「3人それぞれにとってどういう意味を持つアルバムか」という質問に、僕は「20年目のプレゼント」と答えました。これも独りよがりな思いかもですが、やはりこのタイミングでeyelisとしてアルバムをリリースできるのは単純に嬉しいのです。

ということで、今回のアルバム制作期間:20年 です。(笑


余談ですが、リリースより1年前の18日は、前日の夜に仕事用HDDをクラッシュさせてしまい、早朝から文字通りダッシュでデータ復旧センターへ持ち込み、スタッフに「無理ではないかもしれないが難しい」と言われ自暴自棄になっていました。

実はそのHDDの中には数日後に控えたeyelisの”銀世界”のトラックダウン用楽曲データが入っており、取り戻せない事実に絶望しか感じなかったのを思い出します。

ところが、なんの気まぐれか偶然か、その2曲に関してだけは数日前に手動でバックアップしていた(というより、データを違うディスクにコピーしてた)ようで、完全な形でトラックダウンまで持って行けました。めちゃくちゃ嬉しかったです。笑

このアルバムにはそんな奇跡の曲も入っています。聴いてみてください。


eyelis 前口 渉