謝謝!

 

 

 

 

ジョージアといえば缶コーヒーを思い出す人が多いんじゃないでしょうか。

でも、グルジアというと?

 

同じ言葉でも読み方でずいぶんと印象が変わるもんです。

 

ずっとそこのところに違和感を抱きながらこの映画を観ていました。

 

 

 

 

 

エストニアとグルジア(ジョージア)の合作映画など初めてなら、監督のザザ・ウルシャゼさんなんて、もっと知りません。

2013年作です。

 

 

アブハジア紛争と聞いても、日々のうのうと暮らしている自分たちからすると今ひとつピンときません。

調べると、アブハジアがグルジアから独立を求めた武力闘争とあります。

そのグルジアをこの映画の訳ではジョージアと言っています。

 

 

そのアブハジア紛争のさなか、多くの同胞が戦火を逃れて帰国した後に、みかんの収穫のために友人と供に集落に残ったひとりのエストニアの老人。

質素な生活を送りながら、友人の栽培する大量のみかんを詰め込むための箱をひたすら作る日々。

 

ところが、たまたま自宅付近で起きた戦闘で負傷した2人の兵士を介抱することになって、・・・

 

 

敵どおしの2人は、快方に向かうと供にはじめの内は牙をむきあいますが、老人達とのかかわりの中で次第に打ち解けていきます。

さて、そんな4人の行く末は、・・・

 

哀しいかな、こういう映画の常で、

ハッピーエンドとは中々いかないようです。

 

 

 

 

 

世界中のいたるところで民族紛争が起きている中、単純に日本に生まれてよかったと思うことは悪いことじゃないでしょうが、・・・

でも、ほんの数十年前は今住んでいるこの地も戦火の中にあったことを考えれば、この映画の描く人間社会の不条理も決して他人事じゃありません。

 

 

みんな生まれも育ちも、宗教も民族も違う。

でも、それ以外にどんな違いがあるというのか?

誰しも、同じように誰かの子であり、誰かの親であり、・・・

 

あのみかん畑のみかんはどうなったのでしょうか。

そして、あの老人は、・・・

 

 

たくさんの人に観ていただきたい秀作です。