日本医師連盟(日医連)は4月20日に開いた執行委員会で、今年夏の参院選比例代表で推薦する候補について議論したものの、結論には至らなかった。今後、各都道府県医師連盟の意見を集約した上で、月末にも開かれる同委員会で最終決定することになった。

 日医連では昨年1月、自民党の西島英利氏の推薦を機関決定している。しかし、その後の政治状況の変化などにより、改めて対応を協議することになった。
 日医会長でもある原中勝征委員長は、会長選に向けた選挙活動の中で、政権与党である民主党とのパイプの太さを強調。会長に就任すれば西島氏の推薦を取りやめるよう提案する考えを示していた。

 同委員会後の記者会見で原中委員長は、「状況が変わった中で、会員の先生方がどういう考えを持っているのか。再度各県に持ち帰った上で、もう一度集まって決定することになった」と説明。同委員会では「一度決めたものを変えるのは難しい」「(原中)会長の意見を尊重すべき」などさまざまな意見が出たという。

 西島氏の推薦を撤回する考えが変わっていないかを尋ねられた原中委員長は、「できれば民主党の人たちとこのままいい関係が続けばいいと思っている」と述べた。また、「政権政党でなければわれわれの意見が通らないということは確か」と述べ、この日の執行委員会では民主党を支持すべきとは明言しないながらも、政権政党と結び付く必要性を強調したことを明らかにした。

 さらに、「これだけ(参院選の)日にちが迫ってくると、組織内で(新たに候補を)出すのは不可能」と指摘した上で、日医会員が推薦を依頼してきたときには、できるだけ多くの人に認めたいとの意向を示した。その場合、「どちらかというと民主党が多くなる可能性はある」と述べた。

 各都道府県医師連盟の意見を集めた結果、多数意見に従うか、最終的に委員長として判断するかを聞かれた原中委員長は、「(先の会長選の)投票数が3分の1だからどうなるか分からない」とする一方、「政治活動がうまくいかなくても、医師会としてきちんと物を言っていけばいいと思う。医師連盟の活動イコールわたしの運命だと思わないでほしい」と語った。


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