仕事とは・・・気付きを与える② | 脱コンサルタントの企業経営でノウハウ公開(表)

仕事とは・・・気付きを与える②

それでは次の文章を確認したいと思います。




先ほどは、松下幸之助さんでしたが、次はホンダの創業者、本田宗一郎さんの文章です。






「幸 福」

      出典:『得手に帆あげて』本田宗一郎より






幸福は人生の目標である。それだけに一体どういうものが「幸福」なのか知るのは、それを追求する前提として深刻な課題であると思う。ある時、若い人が、私に向かって「幸福というものはあるのか」と深刻そうな顔をして聞いたことがある。




 彼は人間の欲望というのは無限に続くものであるから、幸福感まではなかなか到達しないのではないかというのだ。なるほどそういえるかもしれない。人間が進歩する動物であるならばなおさらのことだ。




 でも、私は幸福は存在すると思っている。趣味に例をとっても、ある人は野球することをあげ、他の人たちは読書や映画、音楽とそれぞれに主張する。登山や魚釣りという人もいるだろう。このように趣味は人によってさまざまだが、同様に幸福についても人によっては考え方がまちまちだと思う。




 「幸福とはどのようなもの?」と聞かれたら、「裕福になること」と答える人もいるだろう。また、「社会的な地位に到達する」のを幸福だと考えているかもしれない。逆にそのような裕福とか社会的地位を否定して、「心の豊かな人」になることが幸福だと思っている人もいると思う。思想や感情、さらには生活様式さえ異なる人間のことだ。幸福についての考え方に、差があってもいいのではないか。ただ同じく裕福を主張しても、多くの人の幸福を願って慈善事業に協力する人もいれば、一方には「がめつい奴」の看板を背負って生きているような人もいる。他人に何といわれようと、その人はそれで結構幸福なのだ。②人間は自分のために生きるのだから、他人に犠牲や迷惑さえかけなければこれでもいいのである。




 しかし、私はスタートの段階ではそれでもいいが、いつまでもそのままの考えから進歩しないのでは困ると思う。私自身としては、別な生き方をとる。幸福というものについて、これだといい切れる考えはまだ私も持っていないが、私は「会社での仕事も楽しく、家庭での生活も楽しい、つまり1日24時間を楽しく過ごすこと」が幸福だと思っている。言葉はすこぶる平凡だが、この内容は非凡だと自負している。それと、③自分の幸福な状態が「他人の目にも楽しく、心も楽しませる」ものでありたいとも私は思う。




 このように話したら、その若い人も納得していたようだったが、さらにこう付け加えた。




④「君が欲望の連続と思っているのは裏を返せば、君に生活を高めようとする意識があるからだと思う。それだけ君は進歩することを願っていることにもなる。だから身のまわりにいくらでもころがっている幸福から、自分のものを選び出し、それを最高のものに高めることだね」

 彼は笑いながら、去っていった。




幸福についての考え方に、差があってもいいのではないか。




私は幸福とは生きがいと読み替えることが出来るのではないかと思っています。


そしてその幸福は、本田宗一郎さんが仰るように、どれがいいとか悪いとかではなく、人それぞれで差があってもいいと思います。




②人間は自分のために生きるのだから、他人に犠牲や迷惑さえかけなければこれでもいいのである。





そう、この文章が伝えているように、人に迷惑さえかけなければ、どのようなことに生きがいや幸福と感じるのかは自由だと思うのです。




例えば・・・


 最近、秋葉原付近でよくコスプレをしている人々がいる。


 山田さん、あの人たちを見てどう思いますか?




山田さん「いやぁ~どうなんですかねぇ~ちょっと気持ちは分からないですね」




そうですね。でもあの人たちは山田さんに迷惑をかけていますか?




山田さん「それはないですね」




そうですよね。


では、あの人たちは、「自分たちはカッコ悪いと思われたい」と思って、あのような格好をしていると思いますか?




山田さん「それはないですね」




そうですよね。私も、あの格好を着て街を歩いてくださいと言われると断ると思いますけど、あの人たちがあの格好をしていること自体は我々には迷惑はかかっていませんよね。


そして、コスプレをして楽しむという『幸せ』があってもいいんじゃないでしょうか?




同じ人間で人の『幸福』に対して、善し悪しをつける権利はないと思うのです。


ですから、人それぞれでいいと思っています。




③自分の幸福な状態が「他人の目にも楽しく、心も楽しませる」ものでありたいとも私は思う。








先ほどの松下幸之助さんの話
ではないですが、やはり人間ひとりで生きているわけではありませんし、職場のメンバーや家族など色々な人とかかわりを持つ中で暮らしているわけであり、自分自身がイキイキと他人にも魅力的であることの方が望ましいと考えるのです。














そうは思いませんか?





④「君が欲望の連続と思っているのは裏を返せば、君に生活を高めようとする意識があるからだと思う。それだけ君は進歩することを願っていることにもなる。







「楽しいことがない」「中々幸せなことがない」「自分は不幸だ」・・・色々は表現はあるかもしれないが、満足していないということは、自分自身で望む姿があり、その状態に達していないから不満の言葉がでるのです。




ただ、それは非常に勿体無いことです。


ある考え方を持つだけで、今の「不幸だ」と思っている状態から一気に幸せに駆け上がれるのです。





それについてはココでは詳細は触れませんが、「もっとよくなりたい」と思うこと自体は、決して悪いことではないのです。








それでは、自分にとって仕事とは何か?ということを考える前に







「生きがい」








ということについて考えていきたいと思いますが、その前に次回で松下幸之助さんと本田宗一郎さんの文章をご紹介した、意味合いであったり、テクニックについて紹介したいと思います。


(次回に続く)


営業のお悩みでしたらこの本で解決できます!


↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓




営業力強化の決定版!書籍化 自動販売機VSセールスマン
脱コンサルタントの企業経営でノウハウ公開