裏MOD名盤82 西のゴールデン・カップス | 深夜超特急

深夜超特急

本日はご乗車ありがとうございます。

人間50年、

 

下天(げてん)の内をくらぶれば、

 

夢幻の如くなり。

 

ーーー幸若舞「敦盛」

 

 

さて今回は予告通り、

 

今年結成50年周年にして、

 

フジロックへの参加も予定されている、

 

ザ・ゴールデン・カップスを、

 

満を持して、

 

ご紹介しようかと思いましたが、

 

神戸港開港150周年、

 

という情報を小耳に挟んだので、

 

港町という土地柄、

 

メンバーの出自と音楽性が、

 

(ファズの含有量の高さ等)

 

カップスと相似形をなす、

 

神戸のブルースロック系カルトGS、

 

ザ・ヘルプフル・ソウルの唯一の作品、

 

「ソウルの追求」(1969年)を、

 

ご紹介致します。

 

ソウルの追求 ソウルの追求
3,024円
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Track listing

 

Side one

 

1. Blues For My Baby

 

2. Fire

 

3. Peace For Fools

 

4. You Got Me Floatin'

 

Side two

 

1. Spoonful

 

2. Kansas City/Hey,Hey,Hey,Hey

 

3. Crossroads

 

Re-release Bonus Track

 

1. Little Wing

 

2. Aldin's Theme

 

Personnel

 

ジュニオ・ナカハラ(ボーカル/ギター)

 

チャールズ・チェー(ベース/ボーカル)

 

ジーン・ショウジ(リードギター/ハープ)

 

司英一(ドラムス)

 

 

人々を救済する、

 

魂(ソウル)を持った者達。

 

という意味を持つバンド名(※1)と、

 

そのアルバムタイトルから、

 

R&B/ソウル色濃厚かと思いきや、

 

時代を反映し、

 

シカゴ発ロンドン経由の、

 

紫煙立ち込めるブルースロック。

 

また洋楽志向の、

 

ニューロック化したバンドで、

 

度々指摘されるカタカナ英語も、

 

(それはそれで味があるのですが)

 

インターナショナルスクール卒だけあって、

 

発音は難なくクリア。

 

収録曲はA面に、

 

オリジナルとジミヘンのカバーを、

 

織り交ぜて配置。

 

前者のスローブルース、

 

「Peace For Fools」では、

 

長尺インプロビゼーションの末に、

 

まさかのアイアン・バタフライ化。

 

 

後者のカバーで、

 

唯一のシングルの「Fire」は、

 

直球ながら、

 

スーナーズやバーンズ、

 

といったGS勢より、

 

サイケ度は頭一つ上。

 

また「You Got Me Floatin'」で、

 

ジュニオ・ナカハラと掛け合うのは、

 

後のチャーリー・コーセイこと、

 

チャールズ・チェー(※2)。

 

 

その彼がメインを務める、

 

「Kansas City」は、

 

ビートルズのカバーバージョンを、

 

パワー・ハウス同様、

 

ブルースロック化。

 

B面はそのカバーを挟み、

 

クリームの素晴らしき世界のC面。

 

特に「Spoonful」では、

 

同時期のダイナマイツ(※3)、

 

ブルース・クリエイションや、

 

前述のパワー・ハウスに負けない、

 

長尺インプロビゼーションを展開。

 

 

また初CD化の際、

 

ジミヘンのカバー、

 

「Little Wing」と、

 

 

大人向けの虫プロ映画、

 

「千夜一夜物語」の主題歌、

 

「アルディンのテーマ」が、

 

追加収録されています。

 

 

両曲ともボーカルは、

 

前述のチャーリー・コーセイなので、

 

緑色のジャケットを羽織った、

 

大泥棒の三代目が、

 

颯爽と出てきそうです。

 

→TO BE CONTINUED

 

■次回予告

 

公開間近のスパイダーマン特集です。

 

お楽しみに。

 

(※1)中古盤市場では、

 

オリジナルLP及び、

 

再発のCDさえ、

 

価格が暴騰しており、

 

蒐集家は全く救われません。

 

(※2)余談ながら、

 

ドラムの司英一は、

 

後に西のはっぴいえんどこと、

 

ジプシー・ブラッドを結成。

 

(※3)1998年に発掘された実況盤、

 

「Live At The 'GO GO ACB' 1968」参照。