シアトルの憂鬱とキャラメリゼ
憂鬱な気分はシアトルの天気のせいだろうか、
それともスーパーでの野菜選びが最近面白くないからだろうか。
パッとするような、気分が晴れるような、カラフルな野菜とは長らくご無沙汰しているこの時期。(もっとワクワクするような野菜や果物が食べたいなぁ)と願ってみても、シアトルの冬はまだまだ長く続くわけで、春はずーっとずーっと先だ。もちろん店頭には、ストロベリーやパイナップル、マンゴーなんかもあるのだけれど、季節外れのものはどうしても食べたい時以外は基本的に食べないので、いつも素通りすることになる。
そんな憂鬱な気分で冷蔵庫を開け閉めしていて、ハッと気づいた。
(そういえば、この冬はまだキャラメリゼした玉ねぎを作っていないなぁ)。
絶妙なタイミングで、その週に大量の玉ねぎのおすそ分けを頂いた。
これはキャラメリゼするしかない!
それまでの憂鬱はどこへやら、もう頭の中はキャラメリゼでいっぱいだ。
***
キャラメリゼには何か底知れない魅力がある。
レストランのメニューなんかで“キャラメリゼしたオニオンを混ぜた”なんていう説明を見かけると、即決でオーダーしたい気分になるのはどうしてだろう。
キャラメリゼした玉ねぎは砂糖は入れていないはずなのに、その甘みがぐっと増すうえに、とても香ばしい味になる。その味まるで、上手にローストされたコーヒー豆を丁寧にドリップしたコーヒーような感じ、深くて甘い味がする。
そんな美味しさを十分に味う為に、オニオンタルトを作ることにした。
お酒好きにはたまらない、酒の肴タルトだ。
長時間ハーブと一緒にじっくり炒めて美味しさが濃縮された玉ねぎにアンチョビを混ぜて、タルト生地に入れて焼く。仕上げにアンチョビとオリーブをのせて少し焼いて出来上がり。
このタルトを作るのに難しい工程は何もないけれど、必要なものがある。
それは、時間と根気。
あわてずゆっくり玉ねぎをキャラメリゼするこの時間と根気がとっても大切。
それさえ上手に出来れば、後は美味しくタルトが焼けるのを待つだけ。
キャラメリゼ玉ねぎのタルト
※直径24cm(9.5 inch)のタルト型を使用しています
<タルト生地>
中力粉 1&1/4カップ
砂糖 小さじ1
冷たいバター 85g (3oz, 大さじ6)
溶き卵 1個
冷水 大さじ1&1/2
タルト型に塗る用のバター 少々
<フィリング>
オリーブオイル 大さじ2
玉ねぎ(薄切り) 6個
フレッシュタイム 大さじ1
ローリエ 1枚
アンチョビ 6枚
<トッピング>
ブラックオリーブ 6-12個
アンチョビ 6枚
※タルト生地を作る
ボールに中力粉と砂糖を入れてかき混ぜた後、小さめのサイコロサイズに切ったバターを入れてベースとリーブレンダーでバターを粉になじませる。多少大きいバターや小さいバターが残っていても心配しなくて大丈夫です。
次に、溶き卵に冷水を混ぜ合わせ、それを粉とバターが入ったボールに入れ、混ぜながら全体を湿らせる。手を使ってボールの中の生地が1つになるように混ぜ合わせたら、作業台で軽く捏ね、ひとかたまりになった生地をラップで包み、3時間冷蔵庫で冷やす。
※この間にフィリングを作る
大鍋にオリーブオイルを入れて温め、玉ねぎ、タイム、ローリエを弱めの中火でゆっくりと炒める。火加減にもよりますが大体45~90分程、玉ねぎが飴色になるまでゆっくり根気良く炒めていきます。
玉ねぎが丁度良い具合にキャラメリゼされたら、6枚のアンチョビを細かく刻んで、それをキャラメリゼした玉ねぎに混ぜいれ、ボールに移して冷ます。
※オーブンを220℃(425°F)に温める。
※この間にタルト生地を伸ばしてタルト型に入れる
タルト型にバターを塗っておく。
冷蔵庫から取り出した生地を大きめに切った2枚のラップの間に挟んで、めん棒で丸くのばしていく。丁度良い大きさまでのばせたら、生地をタルト型にフィットするようにかぶせる。生地をかぶせたタルト生地の上にめん棒を転がしてはみ出た生地部分は切りとる。
※仕上げ
先に準備しておいたタルト生地にこの玉ねぎのフィリングを満遍なく広げながら入れる。
フィリングが入ったタルトを天板の上に乗せ、オーブンに入れて、20分程焼く。(もし、玉ねぎの部分が急に焦げてきそうになったら、上にアルミホイルを乗せてこげを防ぐ。)
オーブンから取り出し、アンチョビ6枚とブラックオリーブをお好きなようにトッピングして、またオーブンに戻し、5分ほど焼く。
丁度良い焼き具合になったら、オーブンから取り出す。
アンチョビとオリーブのしょっぱさが、甘くて濃厚にキャラメリゼした玉ねぎとあわさって贅沢な味。このタルトは白ワインか日本酒が絶対に欲しくなるので、お酒の準備も忘れずにね!
タルト型で焼くだけじゃなくて、市販のパイ生地にフィリングを伸ばして、トッピングをして焼いても簡単で美味しいパイバージョンのおつまみができますよ。(これも、かなりお勧め!!)
***
曇り空はシアトルの冬の名物だ。
この街の人々にとって太陽を見れる冬の日はとっても特別。
天気だけでシアトル中の気分が決まると言っても過言でないかもしれない。
そんなある朝。
ずーっと曇っていた空がその朝だけ明るくて、空がまるでマイタイの上にブルーハワイアンをすこーしのせたカクテルような色で、とっても美味しそうだった。一瞬だけシアトルを忘れて心はアロハな気分を味わえた朝。
太陽って有り難いなぁ。
しみじみと感じる冬の朝。
それともスーパーでの野菜選びが最近面白くないからだろうか。
パッとするような、気分が晴れるような、カラフルな野菜とは長らくご無沙汰しているこの時期。(もっとワクワクするような野菜や果物が食べたいなぁ)と願ってみても、シアトルの冬はまだまだ長く続くわけで、春はずーっとずーっと先だ。もちろん店頭には、ストロベリーやパイナップル、マンゴーなんかもあるのだけれど、季節外れのものはどうしても食べたい時以外は基本的に食べないので、いつも素通りすることになる。
そんな憂鬱な気分で冷蔵庫を開け閉めしていて、ハッと気づいた。
(そういえば、この冬はまだキャラメリゼした玉ねぎを作っていないなぁ)。
絶妙なタイミングで、その週に大量の玉ねぎのおすそ分けを頂いた。
これはキャラメリゼするしかない!
それまでの憂鬱はどこへやら、もう頭の中はキャラメリゼでいっぱいだ。
***
キャラメリゼには何か底知れない魅力がある。
レストランのメニューなんかで“キャラメリゼしたオニオンを混ぜた”なんていう説明を見かけると、即決でオーダーしたい気分になるのはどうしてだろう。
キャラメリゼした玉ねぎは砂糖は入れていないはずなのに、その甘みがぐっと増すうえに、とても香ばしい味になる。その味まるで、上手にローストされたコーヒー豆を丁寧にドリップしたコーヒーような感じ、深くて甘い味がする。
そんな美味しさを十分に味う為に、オニオンタルトを作ることにした。
お酒好きにはたまらない、酒の肴タルトだ。
長時間ハーブと一緒にじっくり炒めて美味しさが濃縮された玉ねぎにアンチョビを混ぜて、タルト生地に入れて焼く。仕上げにアンチョビとオリーブをのせて少し焼いて出来上がり。
このタルトを作るのに難しい工程は何もないけれど、必要なものがある。
それは、時間と根気。
あわてずゆっくり玉ねぎをキャラメリゼするこの時間と根気がとっても大切。
それさえ上手に出来れば、後は美味しくタルトが焼けるのを待つだけ。
キャラメリゼ玉ねぎのタルト
※直径24cm(9.5 inch)のタルト型を使用しています
<タルト生地>
中力粉 1&1/4カップ
砂糖 小さじ1
冷たいバター 85g (3oz, 大さじ6)
溶き卵 1個
冷水 大さじ1&1/2
タルト型に塗る用のバター 少々
<フィリング>
オリーブオイル 大さじ2
玉ねぎ(薄切り) 6個
フレッシュタイム 大さじ1
ローリエ 1枚
アンチョビ 6枚
<トッピング>
ブラックオリーブ 6-12個
アンチョビ 6枚
※タルト生地を作る
ボールに中力粉と砂糖を入れてかき混ぜた後、小さめのサイコロサイズに切ったバターを入れてベースとリーブレンダーでバターを粉になじませる。多少大きいバターや小さいバターが残っていても心配しなくて大丈夫です。
次に、溶き卵に冷水を混ぜ合わせ、それを粉とバターが入ったボールに入れ、混ぜながら全体を湿らせる。手を使ってボールの中の生地が1つになるように混ぜ合わせたら、作業台で軽く捏ね、ひとかたまりになった生地をラップで包み、3時間冷蔵庫で冷やす。
※この間にフィリングを作る
大鍋にオリーブオイルを入れて温め、玉ねぎ、タイム、ローリエを弱めの中火でゆっくりと炒める。火加減にもよりますが大体45~90分程、玉ねぎが飴色になるまでゆっくり根気良く炒めていきます。
玉ねぎが丁度良い具合にキャラメリゼされたら、6枚のアンチョビを細かく刻んで、それをキャラメリゼした玉ねぎに混ぜいれ、ボールに移して冷ます。
※オーブンを220℃(425°F)に温める。
※この間にタルト生地を伸ばしてタルト型に入れる
タルト型にバターを塗っておく。
冷蔵庫から取り出した生地を大きめに切った2枚のラップの間に挟んで、めん棒で丸くのばしていく。丁度良い大きさまでのばせたら、生地をタルト型にフィットするようにかぶせる。生地をかぶせたタルト生地の上にめん棒を転がしてはみ出た生地部分は切りとる。
※仕上げ
先に準備しておいたタルト生地にこの玉ねぎのフィリングを満遍なく広げながら入れる。
フィリングが入ったタルトを天板の上に乗せ、オーブンに入れて、20分程焼く。(もし、玉ねぎの部分が急に焦げてきそうになったら、上にアルミホイルを乗せてこげを防ぐ。)
オーブンから取り出し、アンチョビ6枚とブラックオリーブをお好きなようにトッピングして、またオーブンに戻し、5分ほど焼く。
丁度良い焼き具合になったら、オーブンから取り出す。
アンチョビとオリーブのしょっぱさが、甘くて濃厚にキャラメリゼした玉ねぎとあわさって贅沢な味。このタルトは白ワインか日本酒が絶対に欲しくなるので、お酒の準備も忘れずにね!
タルト型で焼くだけじゃなくて、市販のパイ生地にフィリングを伸ばして、トッピングをして焼いても簡単で美味しいパイバージョンのおつまみができますよ。(これも、かなりお勧め!!)
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曇り空はシアトルの冬の名物だ。
この街の人々にとって太陽を見れる冬の日はとっても特別。
天気だけでシアトル中の気分が決まると言っても過言でないかもしれない。
そんなある朝。
ずーっと曇っていた空がその朝だけ明るくて、空がまるでマイタイの上にブルーハワイアンをすこーしのせたカクテルような色で、とっても美味しそうだった。一瞬だけシアトルを忘れて心はアロハな気分を味わえた朝。
太陽って有り難いなぁ。
しみじみと感じる冬の朝。