ポタージュの記憶 | Just A Little Bite

ポタージュの記憶


子供の頃、洋食レストランに行くと、
真っ先にポタージュがメニューにあるかを確認していた。

ポタージュにハンバーグ。
この王道洋食メニューこそが、私にとっての最高の楽しみだった。

大抵の洋食レストランではポタージュが最初に出される。
空腹にあったかいポタージュを一口入れたときの幸せな気分。

ハンバーグが運ばれる前に、湯気立つポタージュを平らげる。

そして、ポタージュの余韻に浸りホカホカ幸せな気持ちでいる頃、
メインのハンバーグがジューっという音と共に登場。
黒い鉄板の上にのるデミグラスソースたっぷりのハンバーグをライスと一緒に楽しむ。

この流れがたまらなく好きだった。

ハンバーグだけではこの幸せは味わえない。
ポタージュが前座で活躍してこそ、主役のハンバーグが引き立つのだ。


そして、いつも大勢で囲む食事にポタージュは登場した。
だから私の記憶のポタージュは格別に温かい。


***


小春日和から一変し、肌寒いシアトル。

会う人は口々に「この数週間、少し早い小春日和に私たち甘やかされちゃったわね~、やっぱりここはシアトルだもんね」と言う。勘違いして満開の桜達はがっかりした様子。

寒くなるとドーナツが食べたくなる私と相方。朝から私たちが大好きなQueen AnneのTop Potでコーヒーとメープルバーとラズベリーリングを食べる。Top Potで流れる時間はゆったり過ごせる大切なひととき。コーヒーの香りにうっとりしながら、甘いドーナツ片手にフリーペーパーのStranger読む贅沢な時間。



こんな日は、夕食に温かいポタージュが食べたいなと、
キャベツのポタージュを作る。



$Just A Little Bite-cabbage soup3



キャベツのポタージュ

キャベツ          1個(薄くスライス)
玉ねぎ           半個(薄くスライス)
ニンニク          1片(薄くスライス)

ジャガイモ         3個(小さめの角切りに)
水             4カップ

生クリーム(Heavy Cream)  2カップ
厚切りベーコン       約500g(約1LBS)

オリーブオイル

胡椒


スープ鍋にオリーブオイルを入れ、薄くスライスしたキャベツ、玉ねぎ、ニンニクにゆっくり焦げないように火を通す。玉ねぎが透明になり、キャベツがしんなりしたところで、水4カップとジャガイモを入れて、20分程中火で煮る。

ジャガイモがやわらかくなっているのを確認し、鍋に入っている材料をミキサーでピューレする。ピューレ状になった材料を鍋に戻し、生クリーム、ベーコンを入れ、20分程中火で煮る。

塩、胡椒で味付けをする。

食べる直前にエキストラバージンオリーブオイルをスープに少しかける。




$Just A Little Bite-cabbage soup after




クリームたっぷりのポタージュ。
ベーコンの塩味が丁度良い加減にスープに溶けて、いい味だ。




***



先週末から夏時間が始まった。

近所のグラウンドでは、早速リトルリーグの練習が始まり、
子供達が楽しそうにグラウンドを駆け回っている。



久々に見たレニア山には粉砂糖のような雪がたっぷりかかっていた。


あの雪がもう少し溶けたら、
      本当の春がやってくる。