これが、最後のメロキュン話~~~です。

メロキュンをリターンズして下さった、

風月様、ピコ様、sei様、有難うございましたビックリマーク


そして・・・すみませんm(_ _ )m汗

最後の最後でお話が短いです・・・・・・。



   六花(むつのはな)~降り積もる結晶(想い) Ⅳ.Happy-Valentine②


 蓮の愛用している外車とは違い、ローリィから借りた国産車は4輪駆動の為、

雪道でも比較的キビキビと走った。

雪の止む気配は、未だ無い・・・・・・。

見渡すばかり雪景色で、京都出身であるキョーコは、

綿帽子を被っている街路樹を、じっと見つめていた。


「久遠さん、この車・・・・・・目線が高くなりますね。

綿帽子を被った街路樹が近くに見えます。」


楽しく外を眺めているキョーコに、蓮の表情は自然と柔らかくなる。


「そうだね。

こう言う車の特徴でもあるかな。」


蓮の家に着き、車を駐車場に停めた。

車から降りた蓮とキョーコは、仲良く話しながら、自宅へと入っていく。

最上階に着くまでも、エレベーターの中は、大切な時間である。


「敦賀さん御食事用意しますので、

リビングで寛いでいて下さいね。」


自宅に入って直ぐにキッチンへと足を進めた。

キョーコが料理を作っている間、蓮はゆったりとした室内着に着替える。

室内着と言っても、それ相応に質の良さが感じられる衣装。


「キョーコ、何か手伝う事ある?」


「久遠さんは、仕事が忙しいのですから、ゆっくりしていて下さい。

此方は後少しで出来上がりますから。」


「う~ん・・・・・・でもね。

ゆっくりしていてと言われても、じっとしているだけじゃ、何もする事が成さ過ぎて・・・・・・。

だから、少しは手伝うよ。

料理は無理だけど、他で手伝える事あるだろうから。」


蓮はキョーコに向かって言いつつも、冷水の入ったピッチャーとグラスを、

リビングへ運んで行った。

蓮のそんな姿を見て、キョーコは幸せを感じる。


蓮に好きになって貰えるだけでも贅沢なのに、

こんな風に、気を利かせて手伝ってくれる姿を見ると、

何とも言えない思いになる。


今まで昔の事を思い出すと、ショータローが人間性が欠けていて、可笑しかったのだ。

普通なら、誰でなくとも手伝ってくれるのが、当たり前なのであろう。


キョーコは、呑気なショータローの顔を思い出し、ムカつき眉間に皺が寄る。

小さく溜息を吐くと、頭をフルフルと振り、外へ追いやった。


蓮は、その間にも、冷水だけではなく、

ランチョンマットとカトラリーもセッティングしている。


キョーコは、緩々と表情が緩んで、心が暖かくなった。


(何だか、こう言うのって、新婚さんみたい///。

うん。思うだけならいいよね。

新婚さんか~・・・・・・。)


キョーコが、テキパキと料理を盛り付けて、それを蓮が運んでくれる。

蓮の自分を見つめる視線が暖かくて、キョーコはつい夢見がちになる。


「どうかした?」


「いえ、何でもないですよ。」


「そう。

でも、いいね、こう言うの・・・・・・何か、新婚生活みたいで。」


蓮が一緒の事を思っていて、口にしたその言葉に吃驚した。


「はい///。

嬉しいです。

私もさっき・・・・・・そう思っていたのですよ。」


キョーコの言葉に蓮が、破顔する。


「御飯にしましょう。」


キョーコの愛情たっぷりの手料理を舌鼓して、話しが弾んで楽しい時間を寛ぐ。

食事の後に、蓮が入れてくれたミルクたっぷりの珈琲を飲み、

仕事の話しや、新しく出来た友達の事などを話していった。


蓮がお風呂に入っている間に、キョーコはバレンタインデー一番に渡すべく、

チョコレートの用意に取り掛かる。

質の良いチョコレートを奮発して購入したので、

トリュフだけでは勿体無く、ブラウニーも作る。


蓮が風呂から上がった時に、チョコの香りがしたのに驚いたが、

明日の用意をしていると思って、追及は避けた。

折角、作っているのに、下手に嫉妬で気分を害すのも憚られたからだ。


キョーコもチョコレートを用意し終えた事で、

お風呂へ入った。


(久遠さんに、食べて貰えるかな・・・・・・。

食べて貰えたらいいな。)


そして、

――――――2月14日――――――Valentine Day。

12時の夜中がきたと同時に、キョーコは可愛らしくラッピングした箱を、

蓮の前に差し出した。


「久遠さん。

Happy-Valentine!!」


蓮は、自分用だとは思っていなかった為、10秒ぐらい無表情に固まってしまった。


「俺に?」


「はい!」


キョーコが一生懸命に箱を持った両手を、蓮の方へ差し出している。


「ありがとう。

とても嬉しいよ。」


キョーコが見た中で一番の神々スマイル。

蓮に受け取って貰えた事で、キョーコも一番の笑顔になった。


「食べても良い?」


「どうぞ///。

お口に合えば良いです。」


包装紙を綺麗に外して、箱の蓋を開けると、

チョコレートの中に仄かに洋酒の香りと、焼き菓子の香りもした。


先にトリュフを口に入れると、チョコレートの口溶けと、芳醇な洋酒が口の中に広がる。

焼き菓子の方は、しっとりとしている。


「トリュフが最高に美味しい。

後、この焼き菓子もいいね。

しっとりしているけど、甘くない。

ところで・・・・・・流石に未成年のキョーコが、トリュフ味見した訳ではないよね?

間違っても・・・・・・。」


「勿論、味見してませんよ。

なので、少し不安だったんです。

トリュフがきちんと出来ているのかどうか・・・・・・。

そちらの焼き菓子は、ブラウニーと言うのですけど。

妖精の名前だったので///。」


キョーコが微笑めば、蓮が微笑み返す。


「妖精の名前のお菓子ね・・・・・・。

キョーコらしくて好きだよ。

来年も楽しみにしていても良いのかな?」


「来年も、美味しいの作りますね。

あの、チョコレートに合う洋酒って、良く分からなかったので、

社長さんに相談して、マッチするのを少し御裾分けしてもらいました。

だから、洋酒は最高級品だと思います。

久遠さんの洋酒を使おうかと思ったのですけど、

驚かせたかったから・・・・・・。」


「確かに、驚いたな。

お風呂から出た時に、チョコの香りがして、明日渡す人に作っているのかと思ったから。」


「なっ!

久遠さんの家のキッチンで、他の人へのチョコレート何て、作りません!!

だって、久遠さんの為のキッチンなのに、どうして他の人への作らなければならないのですか?」


キョーコが心外だと言う表情で訴える。


「ごめんね。

今まで、キョーコからはチョコレート意外を貰っていたから。

今回ので、チョコレートが貰えると分かったから、大丈夫。」


ふわりと微笑む蓮に、キョーコはホットした。


「///バレンタインのチョコレートは、初めてですね。

私も久遠さんに、受け取って貰えるのが分かったので、大丈夫ですよ。」


ふふふとキョーコが笑って、自分用に小皿に入れていたブラウニーを食べる。


「美味しい~♪」


「今、全部食べるのが勿体無いね。

今日、仕事から帰ってから、また食べよう。」


夜中も過ぎた為、蓮はバレンタインチョコを大事そうに冷蔵庫へ入れて、休んだ。

キョーコも、一口だけ食べて、後は冷蔵庫へ入れる。


この先、数年間は、キョーコの本命チョコを貰おうと、争奪戦が繰り広げられる事になるのだが、

二人の交際が公表されるまで、蓮が独り占めしていた事は、一部を除いて知られる事はなかった。


                                                  終わり





完了しました~~~。

そしてですね・・・本当にごめんなさい。

夜中を少し跨いだの~~~あせる

残業でして・・・どうもすみません。

ちょっぴり不完全燃焼・・・・・・(´_`。)・・・・・・。