国際競争化、少子高齢化、過疎化、円高等の構造的負荷と重圧の下、デフレマインドの渦中で新年を迎えた。今年の一年は北風に向って走り抜く覚悟と決意を持たなければならない。今日ほど我々の日々の生活が国際軸と国家軸の真上にあることを痛感させられたことはない。欧州の金融危機と経済の低迷が日本に深刻な打撃を与え始めている。
 ギリシャやスペインの国債金利の動向が、健全と思われたフランス等の国債金利を上昇させ、ユーロ経済圏全体に金融危機を引き起こしてしまった。日本の国債残高が対GDP比で200%もあり、欧州のいかなる国よりも突出している。欧州の国々が日本の国家財政に懸念と疑惑を抱かない内に、財政再建を急がなければならない。持続的経済成長とムダを削る行革と財政再建を同時進行形で押し進めなければならない。
 これら3つの課題の中で一丁目一番地は政治改革であり行政改革である。国会の改革無くして国の発展はない。国政は真に国会改革から始めなければならない。衆議院と参議院を合併して一つの国会にする。一院制の下、国会議員は30%削減する。不安定、不透明、不確実な国会をスピードと効率の良い絶対的安定で国民の信頼と期待の集まる、活力のあるダイナミックな国会に変革しなければならない。国会を一院制にするには、憲法を改正しなければならない。憲法42条の改革案を提案し、衆参両院の三分の二以上の賛成、そして国民投票で18歳以上の有権者の過半数の賛成を必要とする。待望の憲法改正のための憲法審査会が昨年十一月に始動したことは特筆すべきである。
 各党は先の選挙で、国会議員の定数を減らすことを公約している。私は超党派の一院制国会実現議員連盟の会長として、5年後の2016年までに一院制の国会を実施させ、日本再建と日本再興の確かな起動を作り上げたいと思う。これからの5年間に日本の命運がかかっている。国会改革の道筋、その工程表を国民に提示し着実に実行すれば、国と地方の財政再建の目安とロードマップは自ら出来る。国会が、国会議員自らが血を流し、骨を削ずらずして、誰に財政再建の為の消費税等の増税をお願い出来るのか。
 平成23年度の社会保障関連予算等(年金、医療、介護、福祉、生活保護等)約28兆円の内約40%は国債(借金)で手当てしてある。世界の国々はこれらの予算は全て消費税で手当てされている。日本の消費税率は5%であるが、世界148ヶ国の平均は15%である。5%の消費税総額は約12兆円であるから、仮に世界標準にすると約36兆円となり、約28兆円の社会保障関連予算を上回ることになる。消費税の全てを私達の年金、医療、介護等の福祉に使うべきである。最近の10年間世界の各国は消費税率を段々と引き上げてきた。逆に法人税率を段々と引き下げて来ている。世界の法人税率の平均は約26%である。日本はこの10年間、約40%の法人税率のまま据え置かれている。お隣の韓国は24%、中国は25%であるから、東京からソウルや北京に企業の移転が始まり、結果として日本の産業と雇用の空洞化現象が起こっている。国際競争に打ち勝つ為には、同一条件の企業立地でなければならない。世界の流れに沿うよう世界標準の法人税率26%を目安に、産業と雇用を育成する戦略的アプローチが必要である。