保育園児なのに落第なんて・・・
エトナが直接知らなくて良かった過去の一つが、最終年長組に進級させたくないという保育園側の意思があったということです。
だってそうでしょーっ・・・保育園児の留年ですよ~!!
いくら5歳の子供だからって、なーんにもわからないわけじゃありませんもの。
年長組になって、やがては小学校に上がる=大きくなる、大人になる。
彼らにとっても進級することは楽しみなんです。(だっていつまでもちびすけ、ちびすけなんて言われるの、子供心にもアッタマに来るんだから!!)
なのに顔見知りのお友達が上級で、自分だけ下のクラスに留まっていたら、いくらそのちびすけだっておかしいと気がつかないわけないじゃない!
毎年、三月になると最終年長さんが胸に生花をつけて、小学校に上がるためにみんなにお別れをするの、羨ましいなぁって思っていたもん。
あ~早く大きなお兄さん、お姉さんにの仲間になって、私も胸にお花つけて、小さい子たちにさようならって言いたいなぁ・・・!
でも周りの世界への参加がなく、従って仲間との協調性もなく、わがままで自己中心、マイペースでオモラシ常習犯。
エトナは大げさに表現すれば、「反社会的な?」問題児でした。
こう欠点のオンパレードでは、留年を指摘する声があったとしても当然だったりして!
T先生は年中組さん止まりで、一緒に年長さんには行ってくれませんでした。
もう一人の先生が、学校でいう「正担任」だったのですが、特にこの先生が特に私を進級させたくなかったというわけです。
母は私をかばってくれました。
「子供にだってプライドがある。真美ちゃんは本当は利口な子だもの。たとえ保育園とはいえ、留年させれば履歴が一年後退するから、一生自信の喪失に繋がるかも知れない」
(母上どの・・・利口な子という期待にはそえなくてゴメン。 ま~ぁどうせたいした期待はもっていなかったとは思うが)
そこで母は私の転校(転園?)を決めたんです。 勿論妹も一緒に。
この保育園はキリスト教会直属で、同じK市にあるとはいえ家からは随分と離れていました。
だから二人の送り迎えは、父が車で来てくれるか、母が自転車の前に妹を、後ろにエトナを乗せてこいで行ってたんです。(二人も自転車で・・・本当にご苦労さま!)
教会に所属しているような保育園だったら、先生方もこの子にきっと大らかな接し方をしてくれるかも知れないし、いじめる子もいないように気をつけてくれるだろう・・・。
母の期待に応えて、ここでの「真美ちゃん」は急速に自分の世界と周りの世界との融合を果たしていきました。
エトナの記憶も漠然としたものから、カラフルな色を持ち始めているんです。