2024年初ブログ更新、昨年末以来なので約四ヶ月ぶりです。
今回は、中公新書の『オットー大帝』感想です。
《あらすじ》
「祖国の父にして皇帝」の苦悩と死闘
カール大帝の死後、フランク帝国は三分割される。
そのひとつ、東フランク王国の貴族の子として912年に生まれたオットーは、父による東フランク王位獲得の後、936年、国王に即位する。
東方異民族による度重なる侵攻、兄弟や息子たちの叛乱、3度のイタリア遠征と、その生涯は戦役の連続だった。
カール大帝の伝統を引く皇帝戴冠を受け、のちに神聖ローマ帝国と称される大国の基盤を築いた王者の不屈の生涯を描く。
と、なってます。
【感想】
自分は世界史全然知らないマンなので、この本を読むまでオットー大帝は勿論、神聖ローマ帝国がどのように成立したのかすら知りませんでした😅
10世紀、ヨーロッパは西フランク王国(現フランス)やグレートブリテン島(現イギリス)は、北欧から侵攻してきたヴァイキングの脅威に晒されていました、その同時期に東フランク王国(現ドイツ)は、東方から騎馬民族(ハンガリー人)の侵攻を受けていました。
カール大帝のフランク帝国が、分割相続制によって分裂と統一を繰り返しながら、ハンガリー人の侵攻に疲弊し、異民族に対する過程で軍事力を高めた諸侯同士の権力闘争の果てに、カール大帝から続いたカロリング朝は断絶し、東フランク王国の諸侯の中からローマ教会の承認を得た新たな王を頂く体制に以降しました。
諸侯の盟主的な王権はオットーの父、ハインリヒ1世の時代にオットー朝へ移りました。
ハインリヒは、王権に反抗的だった諸侯を圧迫し、友好的な同盟関係を築く事に成功し、東フランクの総力を結集し、ハンガリー人やカロリング朝の血筋を保っていた西フランク王国と対峙しました。
しかし、盟主的な力しか無かったハインリヒには、フランク族の慣習である分割相続制を行う事が出来ず、以降の王権は単独王位継承制へと以降しました。
オットーは20代で王位を継承しますが、若く驕慢なオットーは、父親のような盟主では無く、自分に権力を集約しようと動いた事で、従属していた有力諸侯の反発を受け、叛乱を起こされ、後にその叛乱に弟が加担して窮地に追い込まれますが、粘り強く戦った事と諸侯の別動隊が偶然敵軍の主将クラスへの奇襲に成功した事で情勢が変わり、鎮圧に成功しました。
王権を安定させたオットーの元にローマ教皇からの救援要請があり、教会の権威に利を見たオットーは一度目のイタリア遠征を行い、北イタリアを表面的には制圧し、イタリア王の寡婦であったアーデルハイトとの婚姻を行う事で、北イタリア征服の大義を得ること成功しました。
しかし、アーデルハイトとの婚姻は、前妻との息子リウドルフとの対立を生み、その後の息子の叛乱へと繋がってしまいます。
リウドルフは王位継承者に認定されていた事もあり、諸侯たちは叛乱を起こしたリウドルフに同情的で、オットーはまたも叛乱鎮圧に手間取ります、苦戦するオットーの預かり知らぬところでリウドルフの配下の諸侯が、異民族であるハンガリー人をフランク王国内に引き込み、国王派の諸侯の領地を襲わせた結果、リウドルフは国家の敵となり、諸侯たちの意志の統一に成功したオットーの勝利に終わりました。
二度の叛乱を鎮圧し、実質的な西欧の覇者となったオットーは、レヒフェルトの戦いでハンガリー人との決戦に勝利、大打撃を受けたハンガリー人は騎馬民族的略奪行為をやめて定住生活に以降することになり、東からの脅威を排除することに成功しました。
東の脅威を除き、西欧の秩序の守護者となったオットーは二度目のイタリア遠征を行い、ローマ皇帝に戴冠したが、腐敗したローマ教皇位(この時期のローマ教皇はコロコロ変わるので)と対立し、イタリア統治に苦戦する事になりました。
その後も、東方へのローマ教会の教区拡大や、南イタリアの領有を巡ったビザンツ帝国との対立など色々あるのですが、このあたりの話はゴチャゴチャして難しかったので割愛します。
オットー大帝の時代は、一次資料が少ないらしく、本書では4代叙述資料
・リウトプランドの『報復の書』
・アーダルベルトの『レギーノ年代記続編』
・ヴィドゥキントの『ザクセン人の事績』
・ティートマルの『年代記』
を元に書かれているので、物語的で結構面白く書かれていました。
割りと初心者向けの本だったのかな?なんて思いました。
※かなり自分の意訳が入った感想なので、信憑性は期待しないでくださいね。
《一言日記》
今年は本を読む事に比重を置くぞ(๑•̀ㅂ•́)و✧と決意して頑張っています。
歴史本とラノベしか読んでないのですが、年間50冊以上を目標に頑張っていますが、ドラマや漫画がその影響で全然見れて無いのでバランスが難しいですよね。
最近は、テレビのニュースは、大谷さんと紅麹の話ばかりで気が滅入るので、テレビを見ないでラジオのニュースだけ聴くようにしたら、平穏な日常を得られた気がします。
やはりラジオはいい文明