昨日に引き続き、ウチでぐうたら。

 

 

昨日に引き続き、BSプレミアム「山田洋次監督が選ぶ日本の名作100本」から11本目の「恍惚の人」を鑑賞。

 

 

 

1973年、昭和48年の作品で、監督は豊田四郎、出演は森繁久彌、高峰秀子、田村高廣、乙羽信子など。

 

 

 

有吉佐和子の原作が有名ということらしいが、いわゆる認知症、その介護を扱った作品で、観る前からいろんな意味で構えなくてはならなかった。

 

 

 

それでも昔「花いちもんめ」という、同じテーマを扱った作品を観たことがあったので、内容は何となく想像できたが、それでもやっぱりとても重いテーマに身構えた。

 

 

 

当時59歳だったという森茂久彌の熱演もさることながら、介護をする嫁を演じた高峰秀子もそれをしっかり受け止める演技だったように思う。

 

 

 

 

まあそれはともかく、とにかく観るのが辛かった作品。

 

 

物語が進めば進むほど、気分は重く、沈んでいく...が、観ずにはいられない、人間の本質を突く、まさに身につまされるお話。

 

 

 

幸いなことに私には痴呆症の近親者がこれまでいたことがないので、どこか対岸の火事、他人事ではあるのだが、それでももし自分の親がこうなったらとか、将来自分がこうなったらどうなるんだろうとか、考えずにはいられなかった。

 

 

当時はこういったテーマを扱うこと自体、とても勇気が必要だったと思うが、書いた有吉佐和子はもちろん、その原作をよく映画にしようと思ったなと、感心した。

 

 

 

高齢社会を迎えている現代日本にあっても、決して色あせないこれからの永遠の「課題」...そういう意味では逃げずに観ておいたことだけでも、有意義だったのかなと思う。

 

 

 

 

 

「花いちもんめ」もそうだったが、この作品もその重いテーマの中にあっても、かすかに「救い」や「希望」は見出せたように思う。

 

 

でも、結局この問題を乗り越えるためには人と人との絆だとか、家族の愛だとか、そういうものにすがるしかないのかなという、どこか「閉塞感」を感じたのも確か。

 

 

いや、たとえすがっても解決できない場合が多いのかも知れないが、それでも多かれ少なかれ、現代に生きていれば立ち向かわないといけない問題であることには変わりはない。

 

 

 

 

 

それでも、大分前に観たNHKのドキュメンタリーでは、認知症の医療は少しずつ進んでいると紹介されていた。

 

 

将来、この問題に悩まされる人が少しでも減ればいいなと思う。

 

 

と同時に、やはり自分自身の問題として逃げずに考えなければなとも思う。

 

 

 

 

 

 

こういう映画もたまには悪くない。

 

 

ま、こんなんばっかりじゃあ、身が持たないだろうけどw。