せっかく時間がある...納豆が買えるw。

 

 

という訳で、買ってきて、映画を観た。

 

 

 

 

もうね、昨日「バットマン ビギンズ」を観て、期待がイッキに高まっちゃって、イッキに観ちゃいましたよ、その続編「ダークナイト」を。

 

 

...何だろう...全体的に暗い、話がw。

 

 

でも...何かすごい映画...期待通り。

 

 

 

 

 

 

バットマンとジョーカーの表裏一体の関係性が、いかにも現代の病めるアメリカって雰囲気...原作のコミックを知らないので俯瞰で観てしまうが、そういう印象を受けてしまう。

 

 

しかもハービー・デントという3人目のキャラクター、その「正義」の象徴までもバットマンとジョーカーの「暗部」に飲み込まれるという構造...暗い題材だが、前作以上に深いテーマ性を盛り込むことに挑戦したんだなと。

 

 

評判ではジョーカーを演じたヒース・レジャーにクリスチャン・ベイルが食われているという噂だったがw、そうでもなくて、バットマンの苦悩がさらに深まっているあたりをベイルは丁寧に演じていたように思った。

 

 

もちろんヒース・レジャーのその存在感ありまくりの怪演は強烈な印象として残ったし、ハービー・デントを演じたアーロン・エッカートという役者さんの演技もいろんな意味で(ネタバレになるから、詳細は伏せますw)ふたりに負けず劣らずだった。

 

 

この三すくみの構造が物語が進むにつれてどんどん入り組んできて、引き込まれた。

 

 

マイケル・ケイン、モーガン・フリーマン、そして抑えた演技だったゲイリー・オールドマンの3人がしっかり脇を固めていたのは、前作と同じ。

 

 

レイチェル役は前作のケイティ・ホームズからマギー・ギレンホールに変わっていたが、垂れ目なところが共通していたおかげかw、変わったことでそれほど違和感がなかったように思う。

 

 

でもこの役はホームズやギレンホールのようなキュート系じゃない顔立ちの女優さんの方がしっくりきてたんじゃないかと思ったがさて、どうだろうか?

 

 

 

 

アクション大作としても申し分ないスケールだったし、ヒーローモノとしての「異形」ぶりがかえって新鮮で、ロードショーでちゃんと観ておけばよかったなと思った。

 

 

前作以上にバットマンのヒーローとしてのアイデンティティを掘り下げていたが、それに加えて、ジョーカーとハービー・デントというキャラクターを絡ませることで、バットマンの苦悩のみならず、もっと広い意味での人間の「正義」というものに対するスタンスのあり方のようなものをかもし出しているように思った。

 

 

バットマンが主役ではあるが、そういった包括的で、重いテーマが物語の核をなしていて、そういう意味では、そのテーマが前面に出すぎたためにクリスチャン・ベールが目立たず、ヒース・レジャーの怪演が目立って見えたのかもしれない。

 

 

あとね、ラストシーンはねえ、シビれましたなあ。

 

 

このラストがいいたかったんだなあと、鳥肌が立った。

 

 

 

 

そのラストにシビれたのも束の間、この作品はさらに続きがあるようだ。

 

 

”THE DARK KNIGHT RISES”という第3弾があるそうで、謎が多く残ったまま終わったのはそのためだったようだ。

 

 

まあつまりは、3部作のうち真ん中の作品が面白い、というセオリーがうまく当てはまったということなのだろう...今のところはw。

 

 

 

 

 

あとはやはり、この映画がIMAX撮影に挑戦したことに触れずにはいられない。

 

 

IMAXの70mmカメラは、元々IMAX上映専門のドキュメンタリー作品に「特化」したものだと思っていたが、そのIMAX劇場も徐々に廃れていき、かろうじて劇場映画のIMAX DMR版を本来のIMAX劇場よりも小型化したIMAXデジタル・シアターで上映することがメインになってきていることで、アナログ70mmカメラそのものは忘れ去られようとしているものとばかり思っていた。

 

 

実際に日本では大方のIMAX劇場はすっかりなくなり、109シネマなどのIMAXデジタル・シアターが主流になりつつあるようだし、キャメロンの「アバター」だって、フィルムじゃなくてデジタルカメラで撮影したもので、IMAXの「大きさ」ではなく“3D”が売りの作品だった。

 

 

そんなご時勢に、2007年、クリストファー・ノーランは機動性の悪い、重くて大きいアナログIMAX70mmカメラに挑戦していたのだ。

 

 

本編2時間32分のうち30分ほどがIMAXで、残りはこれまでの35mmで撮られたようだ。

 

 

35mmはシネスコサイズ、IMAX70mmは1:1.44というアスペクト比ということらしいが、普通の劇場では全編シネスコ、DVDソフトも同じだが、私が今回観たブルーレイは、35mmの部分はシネスコ、つまり上下に黒味の出るレターボックスで、IMAXの部分が16:9、つまりおよそ1:1.78に切り替わった。

 

そのIMAXの部分はウチのレグザくんでも何となく解像感が上がったことが分かったし、色の出方も明らかに違って見えた。

 

ブルーレイのHD映像ということだけでもすごいのに、IMAXの部分になるとさらに映像が緻密になる...これはやっぱりリファレンスとしても買っておいてよかったなと。

 

 

 

 

 

実際の劇場版はというと、アメリカではIMAXで大ヒットしたらしい。

それが5億3300万ドルというとてつもない興行成績につながったようだ。

こじんまりとしたIMAXデジタル・シアターではなく本物のIMAX....アスペクト・レシオもシネスコ1:2.35とIMAXの1:1.44が目まぐるしく切り替わったようだ。

 

 

残念ながら日本ではサントリーミュージアム天保山のアナログIMAX劇場のプレミア上映の1回だけしか本物のIMAX版は上映されなかったようだ。

 

 

というのも当時すでにアナログのIMAXの劇場は日本にはほとんどなかったみたいで、アメリカ人とそのプレミア上映を観た人が羨ましいかぎりだ。

 

 

 

クリストファー・ノーラン...今のデジタル全盛のご時勢に、よくぞIMAX70mmで撮ったなあ。

 

 

それは特典映像にも詳しくて、その苦労は見事に報われたようだ。

 

 

「インセプション」では、その大型フィルム撮影にさらに踏み込んで、部分的ではあるがかつての大型フィルム撮影にさらに立ち返り、パナビジョン70や純正ヴィスタヴィジョンでも撮ったようだ。

 

 

 

 

物語そのものもすごいし、IMAXで撮ってるし、この映画「ダークナイト」はホント、すごい。

 

 

次回作は全編IMAXで撮ってほしい...と思っていたら、そうはならないようだw。

 

 

それでも、2012年、アメリカ本土で、本物のアナログIMAX劇場で観てみたいなあ...