時間を無駄に使ってしまうという罪悪と、私は常に闘っているが、大抵は負けることが多い。

そんな時、その罪悪感を少しでも緩和するために取る方法...それは例えば映画を観るということ。

 

という訳で、久し振りに映画を観た。

今日観たのはルキノ・ヴィスコンティの「山猫」。

NHKのBS2で8月5日に放送されたもので、しかも「完全復元版」。

イタリア政府がそのレストアにかなり力を入れたらしく、実際に放送されたものはSD放送なのにその恩恵が如実に感じられた。

傷は皆無、テクニカラーも実に鮮やかで、改めてハイビジョン放送が観られればと思う。

 

ただ...ああ、やっぱり私にはヴィスコンティはハードルが高い。

しかも3時間越えの超大作...ドッと疲れた。

 

1860年代のシチリア島を舞台に、地元の貴族が退廃していくさまを描いている(?)ようなのだが、私ごときでは感情移入する余地も与えてもらえないし、さらに私がイタリア史を知らないことがのめり込めないことに拍車をかける。

そもそもヴィスコンティ本人が貴族出身ということらしいので、私ごとき庶民にはやはり無理だということか。

 

それにしても、こういう映画を観ると、自分の映画を観る目のなさとか、頭の悪さ、育ちの悪さなどに、封雑な心境になってしまう。

シナリオライターを目指す者としては、その自分自身の「青さ」に落ち込んでしまうのだ。

こういう映画を本当の意味で「名作」だと感じられない、そんな未熟な自分はそういう方向を目指していいのだろうか、勉強がまだまだ足りないなと、反省させられる。

 

久し振りに映画を観たのに、この不完全燃焼...別のにすればよかったかも。

ああ...やっぱりカラーのヴィスコンティは、私にとって「鬼門」であった。