22日 月組新人公演「夢の浮橋」を見てきました。

CAST 

   匂宮     明日海りお(本役:瀬奈じゅん)
   薫       光月るう(本役:霧矢大夢)
   浮舟     蘭乃はな(本役:羽桜しずく)
   二の宮    宇月颯 (本役:遼河はるひ)
   小宰相の君 咲希あかね(本役:城咲 あい)

18:30~20:20ごろ(挨拶含め)

開演アナウンスが、みりおちゃん(明日海)頑張っていて、男役らしい低めの声でなんとも頑張っている感じが可愛いです。

幕開きは、本役では光源氏ら専科さんのお芝居から始まり、しまっているのですが、やはり新人公演、萬あきらさんは上手いんだなぁーと思いました。

でも、明石の中宮役(本役:梨花ますみさん)の羽咲まなさんは、上手でした。新人公演の方が私は良かったな。お声がソフトですし、歌も上手ですしね。匂宮の母親としての威厳も貫禄も出ていましたし。
専科さんには悪いけれど、梨花さんはお芝居も歌もあんまり上手だとは思えないんですよね。

そして、女一の宮(本役:花瀬みずかさん)の夏月都ちゃんが歌いますが・・・。
緊張もしていたんでしょうが、ちょっと歌声が上ずり気味でした。でも、音程は取れていたので、良かった方かなぁ。
この後のお芝居を見ても、やはりちょっと弱く、もう少し宮中のお局様になるくらいの強さが出たらよかったのになって思いましたね。
あーちゃん(花瀬)は、やはり上手いです。歌もお芝居も。匂宮に姉君こそ東宮にふさわしいと言われるだけのしっかりさと強さがあるなと痛感しました。

そして、匂宮のみりおちゃん登場。
あの豪華な衣装がまたよく似合って、綺麗で華やかです。着物に負けない美しさがありますね。パーっと舞台が明るくなりました。
まぁ、ちょっと可愛い感じは否めないんですが、そこも可愛くて良かったり。
いつかはそこを脱出して欲しいところですがね~。

役作り的には、意外と明日海りおの匂宮像って感じで、なかなか好演。
雰囲気的に言えば、品があるので、王子様なんですよー、みりおちゃんは。
プレイボーイと言われ、自分は遊んでいるつもりが、実際は遊ばれちゃっている感じ?伝わりますかねー、この表現で。なんか可愛いんですもん。

歌は、どうやらこの歌難しかった?のかな。意外と音域が広かったりして。
みりおちゃんにはキーが合わなかったのか、何箇所かズレたりしてましたね。
ミーマイは結構上手にやっていたので、難しい歌だったのかもしれません。

でも、みりおちゃんの凄いところ。やはり、本役でジャッキー、新公でビルなど大きな役をやってきているだけあって、度胸が凄いです。たとえ歌をはずしても、声は伸びているし、気にせず感情込めて歌っているので、さほど気にならないんですよね。あ、外れたなって瞬間思うんですけれど。やはり、自信は大切ですね。

本役より良いと思ったのは、小宰相の君の咲希あかねちゃん。あいちゃん(城咲)は、ちょっと台詞まわしが鼻に付きすぎる感じで、あまり良くないなって思っていたんですが、咲希あかねちゃんは、もう少し落ち着いていて色気もあって綺麗でよかったです。歌も若干キンキンしている時もありましたが、上手な方でした。

特筆すべきは、薫役のるうちゃん(光月)かな。
CSインタビューでも役を自分なりに掘り下げて、すごいしっかりしてきたなぁーって驚いていたのですが、その成果が舞台にも表れてました。
本役さんとは、また違った役作りで、これが良かったんですよ。きりやん(霧矢)の薫もいいんですが、るうちゃんのも味がありました。
最後の方の浮舟とのお芝居、自分の方を向かせようと必死なシーンですが、ここのやりとりで薫の本当の気持ちがすっと入ってきて分かりやすかったです。
歌も緊張で多少上ずる所もありましたが、全体的にかなり上手でした。本役さんには負けますけれどもね。ただ、華がないのが惜しい。地味なんだよねぇ。薫だから地味でもいいんですけれども。

二の宮のとしちゃん(宇月)。こちらもなかなか良かったです。凡人で優しい感じが出てました。銀橋の歌もはずすことなく安定して歌ってました。烏帽子で大きく見えるし。紅梅の中の君(本役:蘭乃はな)の花陽みらちゃんとのデュエットが良かった。 花陽みらちゃんは本役の蘭ちゃんより歌が上手なので、これが正当な音程かぁーと思いましたよ(笑)

で、浮舟の蘭ちゃん(蘭乃)。可愛いです。頭なでなでしたくなる子犬系です。
でもね~、本役のしずくちゃん(羽桜)は上手いんだなぁーって思いました。
蘭ちゃんは、表情が乏しい。すでに姫なんだもん。
匂宮のことを相手にしてない感じがあまりないというか。
「おまえは行かないのかというような顔をしているな」と言われても、そういう表情が見えないし。この辺はしずくちゃんは上手だったなぁ。

歌は、本役さんも上手な方じゃないので比較になりませんが、蘭ちゃんもあまり上手な方じゃないと思うけれど、外すことなく歌えてましたよ。可愛い娘役さんらしい声ですから聞きやすいと私は思います。

女三の宮役(本役:天野ほたるさん)でしずくちゃんが出てましたが、人形のような表情から薫の言う「あのお顔(微笑み)」の変化が良かった。顔芸がすごいね、この人。

このピンクライトといい、その前の匂宮と浮舟のラブシーンといい、本公演では、ドッキドキな場面ですが、新人公演は、可愛らしいラブラブ感じで、ドキドキはしませんでした(笑)みりおちゃんの顔の角度とか目線とかは結構色気あったと思いますよ!

黄色の衣装で琴の前に座るシーンは、なんか座り方があまり格好よくなかったのが残念。あさこちゃんはなんであんなに素敵に綺麗なポーズで座っているのかしら!?これが、きつい体勢=美しく見えるという技かも。

衛門督(本役:青樹泉さん)の紫門ゆりやちゃんもなかなか良かったです。
迫力出ていたし。

六の君(本役:夏月都さん)の彩星りおんちゃんが、綺麗で歌が上手で本役より良かった~。さすが歌える人は違う。

夕霧(本役:磯野千尋さん)の美翔かずきさんは、芸達者ですね。
上手でしたねー。新人公演とは思えない貫禄がありましたよ。

仲信(本役:越乃リュウさん)の華央あみりさんもなかなかしぶくて上手でした。

道定(本役:龍真咲さん)の千海華蘭ちゃんが可愛かったかも。

本公演と台詞が違っていて面白かったところは・・・

匂宮が浮舟に「用心すらしなくなったか」と言ったら、道定が「これだけ頻繁にこられては」というシーンで。本公演では匂宮が「本来私は人畜無人な男なのだ」と言いますが、新公では「本来、私は清く正しく美しい男なのだ」って~。
道定「それはうなづきかねますが~」その後、匂宮「美しいまで否定するとは、なぁ?(と、浮舟に同意を求める)」浮舟は笑ってました。

新公としては、結構みな頑張っていてよくやっていたなという印象です。
拍手も多かったです。

最後の挨拶は、研7の長として、羽咲まなさん。しっかりとして頼れる印象ですね。そして、みりおちゃんのご挨拶。東京の新人公演は、大劇場よりも上手くやらなくちゃ、格好よく見せなきゃといつもは思ってしまうのですが、今回は丁寧に先生が指導してくださったので、じっくり役作りが出来ました、みたいなことを。
そして、今回で卒業される一期上の先輩方に御礼を言って、みんなにも感謝の言葉を言って幕となりました。
可愛かった。

その後もう一度カーテンコールがあり、明日からも頑張りますといった感じのご挨拶をしてました~。

客席からはかなり大きな拍手を貰ってました。