スリランカの旅の空。。
実は、 毎日・・雨が降らない日はありませんでした。
夜は、ずっと豪雨でしたね~~
シギリアロックという世界遺産の、1500年前に岩上の造られた王宮跡と、
そこに残る「シギリヤ・レディ」という壁画はぜひ見たいのに・・
なんせ、標高約200メートルの巨大な岩山の周囲に回る階段を吹きさらしで
登るので、天候によって封鎖されてしまうのです。
私は、なぜか旅先で異常気象、異常事態に合ってしまう
人呼んで「嵐を呼ぶ女」。
過去にも・・
イタリアのソレントからアマルフィーの海岸沿いの崖っぷちを路線バスで行く途中、
土砂崩れに合い、豪雨の中、投げ出されたり・・
チェコの村のお城の塔に登って降りたら、俄かに空がかき曇り、
見たこともない大粒の雹がバラバラ降ってきて、
一人いた門番の姿も消え、塔に幽閉されてしまったり・・
イギリスのレンタカーの旅でコッツゥオルズの山の中のB&Bへ辿る道で、
ヘッドライトが片方壊れて、迷子になったり・・
数え上げればきりがありません。
けれど、その度に何かに導かれ、誰かの力を借り、なんとかなって
温かい幾つもの出会いに恵まれ、
そのあと、なぜか、いつも空は、特大の虹を見せてくれたのです。
こうして、危機的事態は、大爆笑の語り草になって来ました。
しかし、スリランカの降り続く雨には、ほとほとうんざりし、
雨音の数ごとに、憂鬱が心に溜まって行きました。
朝の空が、少し明るいと、心が少し晴れていき、
また、夜、豪雨だと、寝床がやたらと湿気て寒いことに参り、
ソーラーシステムで賄っている宿の電気は、昼間は電源が切られて、
部屋は、暗くてどうにも本も読めない・・そんな風に心が浮き沈みしていた時・・
お世話係の仲良くなった可愛い娘さんに、純粋な澄んだ目で、
「雨は好きですか?」と、ふと聞かれ、
あぁ~、私は「雨は嫌いではなかったなぁ~」って思い出したのでした。
現地の人は、あるがままを受け入れて生活してるのですから、
この一言で、
私も、この雨の森を、味わって楽しもうという気持ちになれたのです。
手前の思うままに 何事も便利に作り変えられると
どこかで文明の奢りのようなものを持っている自分に気づきました。
自分が頑なに変わろうとせずでは、いけないなぁ。。って。
あるがままの現実を、もう一度、クリアな目で見て私は何を感じるのか?
どう反応するのか?
こうして、やっと、私の中でRainy Forestが色づき始めました。
この森の植物、ハーブの話、押し葉や押し花のコレクションをしたり、
沢山の種類の果物のこと、鳥の種類や、
ブッダやお経の話。民族衣装のオサリのこと。
もちろん、日々受けているアーユルベーダ―の考え方、オイルや食事のことなど、
誰かしら、問えば親切に答えてくれました。
そして、ただただ、雨が降る空の変化、雨が森や山を包むのを見つめて、
美しい澄んだ時間を得たのでした。
そんな頃、すっかり馴染みになった支配人さんが、
「シギリアには、きっと行かせてあげる」
「てんさんの足もそれまでに必ず、シギリアに登れるように完全に治しましょう。」と
言ってくれました。
いや、歩けるようになったものの、シギリアは、岩山の登山のようなものですから、
おおかた無理かもしれないと思っていたのです。
しかし、それが叶う日が本当に来ました。
旅の中間で、少しの晴れ間が与えられたのでした。
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ところが~~
◆2012/12/16のスリランカの洪水
スリランカ防災センター(DMC)によると、豪雨・洪水により
南部、中北部、ウヴァ、東部、北西部の地域において
21,120人が被災している模様。
◆スリランカ政府からの情報
・2012/12/22
スリランカでは依然雨が降り続いており、
洪水と地滑りによる死者は27人にのぼった。
・ 2012/12/21
スリランカでは洪水による死者が25人に上り、
また13人が行方不明、36人が負傷している模様。
・スリランカ政府 2012/12/19
洪水により15人が死亡、13人が行方不明、
21,000人以上が被災している。
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実は・・旅の間に、進行中の・・
この(↑)情報、日本に帰ってからネットで見て知りました∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
私ったら、なんとまぁ、
こういう大変なことが起きていたことを全く知らずに、
スリランカの12月は、乾期だという認識で、旅立ちました。
一応、2011年1月にモンスーンによる大洪水で甚大な被害があったということで
外務省の渡航危険情報は、チェックしてたんですけれど。。載ってなかったです~
スリランカは、通年モンスーンは、通過しないところで、
その年は、例外的だったという話をきいてましたし。。
お宿の支配人に、少し前に大雨があって、土砂崩れがあって大変だったことや、
北部は、11、12月は、雨が降りやすいってことは、聞いてたんですけれど、
災害は過去のこと、ここは中部州だし、
その大雨も過ぎ去って行ってる頃に来これてなんとかセーフ!、
来てしまったのだからしょうがないと思い、臨場感なく聞いていたのです。
なにしろ、ネットもラジオもTVもね!なところにいたもので。。
シギリアへの片道3時間ほどの道中、イスラム街の洪水の物凄い爪痕や、
ぬかるみに嵌った車や牛車や、水嵩の高い川も見て通ったんですけど、
「洪水被害」とは聞いたものの、昨年の洪水のことだけを
思い浮かべていた次第です。
でね・・
結果的に・・そんなことをよそに・・
たいへんおめでたい感じの私は、その時々に現れる
素晴らしいスリランカの人に助けられて、
この旅が、味わい深く濃く厚くなっていくことに心から感謝しました。
いやぁ、洪水情報って、仮に知っていても、
私に止められるわけもないですもんね~(*´σー`)