新釈・Heartbreak Hotelの恐怖 運命へようこそ  | ☆Dancing the Dream ☆

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The Joy of life ♡
with ☆Michael Jackson☆

マイケルは、心からステージを愛していました。
彼は、生まれながらのエンターティナーだったのですね。。
そして、彼自身が、彼の運命を最もよくわかっていたのです。

父さんは いつもぼくに言った
もし お前が成功と名声を手に入れたら
お前は 静かな人生は送れないだろうと
ぼくは 起こり始めた重圧を感じ ただ勝つために生きている
ぼくは自分の痛みに沈み込んでいるのに お前はそれを感じるのかい?と
それが名声の対価 お前は名声の対価を払っているんだ
だから 感じてはいけない 苦痛など!
それが名声の対価 それが名声の対価なのだ
だから お前は決して不平など言ってはいけないのだ!と
 

                             「Price Of Fameより」


名声を得たチャイルドスターが、払わされた対価の残酷さ、
絶望から這い上がる命綱のようにショーマンに徹する姿。。
これをとてもよく表した楽曲が、
1980年(マイケル22歳)にリリースされ、マイケル自身によって書かれた
Heartbreak Hotel。 私はそう感じています。

マイケルの作品全体を、そして、
今、解読中のインヴィアルバムの
殊に、リンクしていると思われる「Heartbreaker」を、より深く理解するには、
「Heartbreak Hotel」という、楽曲を
紐解く必要があると思い、今日は、「Heartbreak Hotel」を取り上げます。

なんといっても、チャイフーに歌われたように、
彼の子供時代が行方不明になり、
「子供の心が破壊された」元凶・・、

まさに、その場面、ホテルでの出来事が、歌われている曲なのですから。

この曲は、以前も記事に取り上げましたが、
再考し、より筋立てを整理してみると、
マイケルの人生の重大事が、はっきりと浮かび上がってきました。

それは、マイケルが幼い頃に受けた性的虐待についての歌です。



そんな内容の歌を彼は、「ようこそ、お越しいただきました。罪深いライブへ!」と、
観衆に向かって、歌っていたのです。
妖しく光る赤いネオンの「Hotel」の文字、スクリーンのシルエットとなって踊り、
ショーが始まります!あ~、もうぅ~

この壮絶なエンテーティナー魂を、どう表現していいかわかりません。。。
自らの最も深い傷を、ショーに晒す・・。。
Life is Music. Music is life と言いますが、
マイケルの人生の全てを音楽にぶつける姿勢は、恐ろしいほどですメラメラ

湯川れい子さんが、来日した22歳のマイケルに会い、
「エルヴィスのファンにとって神聖な楽曲であるHeartbreak Hotelと同じ
タイトルを何故つけるのですか?」・・という質問をしたとき、
マイケルは、「プレスリーの方が、黒人の音楽を盗んだんですよ」と
かなり激しい口調で答えたという話は、有名ですが・・
湯川さんは、人種を問題にしたのでは決してないということは、
こと人種問題に疎い日本人としては、わかるのですが、
マイケルが、受けていた批判は、やはり、
「「白人のキング」の神曲のタイトルを黒人の若造が盗んだ」という
意味合いが強かったのでしょう。

エルヴィスの、Heartbreak Hotelは、名曲ですが、
マイケルのHeartbreak Hotelは、エルヴィスが歌ったラブソングとは、
まったく違う性質のものなのです。
失われた子供時代の始まりを歌う、魂を振り絞るような
マイケルの告白の歌なのですから!

マイケルは、「エルヴィスの曲を知らなかった。」と主張しましたが、
レコード会社によって、This Place Hotelと曲名を変更されました。
しかし、その後もBadツアーにはこの曲を使用し、
マイケルは、意志を持って、作品群全体に、「Break」という言葉に
独特の重要な意味を持たせて、忍ばせているということを感じるのです。

Heartbreak Hotel
そして、『Invincible』の
"Unbreakable"
"Heartbreaker"
そして、"Break of Dawn" と続きます。

Heartbreak Hotelに端を発して、「Break」という言葉によって繋がり、
延々と紡がれてゆく一本のラインは、彼のメッセージを辿る大切なガイドラインなのです。
これを辿れば、この曲名を変更した事件の影で、
マイケルが、Heartbreak Hotelに、いかに強い意志を持っていたかということが、
よく理解できるのです。


さて、
この曲の歌詞の内容は、
大変わかりにくく、非常に工夫を凝らし、深意を隠して書かれているのですが、
私が、読み取ったストーリーは、およそ、こうです。

    ↓    ↓  鍵になるのは、歌詞中の「My baby」をどう読むか?でした。
              私の解釈では「My baby」を「ぼくの子供の心」としました。

「10年前のその日、マイケルが、まだ幼い少年の頃のこと。
 あるホテルでの罪深い出来事です。
 そこには、強面の目つきの悪い面々がいて、
 「君の運命へようこそ」と不気味に笑い、マイケルを怯えさせます。
 
 そして、暗い階段をのぼり、部屋に入ると、二人の少女がいるのです。
 彼女らは、誰かから伝言を受けて、マイケルを待っていたと言うのです。
 けれど、彼には、何の覚えもありません。
 少女達に、他に誰か恋人のような人がいるから、誤魔化しているのだと
 責められますが、彼には、意味が解らず、
 たぶん、自分は他の身内のお楽しみの「おとり」なのだろうと思い、
 助けを求めようと、後ろを振り向いて見るのですが、
 その時、彼らのたくらみと裏切りを悟ったのです。
 仕組まれ、少女達を呼び寄せて行われた事は、彼の希望を失わせました。

 彼らが騙し、マイケルをショービズのSex&Drag&Rocknrollの
 ホテルのドア(おそらく売春宿)に投げ込んだ日が、
 ちょうど10年前の今日だと言うのですから、
 Heartbreak Hotelがリリースされた1980年から遡ること
 10年前の1970年以前のいつ、これが書かれたのかはわかりませんが、
 彼は、まだ少なくても12歳未満の、思春期前の少年だったのです。
 
 まだ幼い彼は、恐怖に震えました。
 そして、二度とそのような場所には足を踏み入れないと誓ったのですね。
 この恐怖の体験によって、
 彼のmy baby「子供の心」の希望・・「愛は、通り過ぎて行って」しまいました。
 
 曲の前に流されるメッセージの、
 夜明け前の暗く寒々とした 人っ子一人いない通りの沈黙を破った
 彷徨い降りる足音とは・・
 彼の「子供の心」が、去っていく音なのです。」






≪過去記事≫マイケルのHeartbreak Hotel の謎①~③
http://ameblo.jp/et-eo/entry-11250093644.html
http://ameblo.jp/et-eo/entry-11249980766.html
http://ameblo.jp/et-eo/entry-11250770080.html







Heartbreak Hotel
(This Place Hotel)

1980年10月リリース/ジャクソンズのアルバム「Triumph 」より
written by MichaelJackson




My footsteps broke the silence of the pre-dawn hours,
As I drifted down Bleaker St.
ぼくが寒々とした(ブレイカー)通りをさ迷い降りたとき、
ぼくの足音は、夜明け前の沈黙を破った。

Past shop windows, Barred against the perils of the night.
Up ahead, A neon sign emerged from the fog.
夜の危険を妨げる店々のウインドウを行き過ごした。
見上げると、霧の中から一つのネオンサインが浮かび上がった。

The letters glowed red hot In that way I knew so well, Branding a message into my mind, A single word, Hotel.
ぼくの馴染みのあの道の赤々と光った文字、ぼくの心に焼印されたメッセージ、
一つの言葉、それは、Hotel。




Live in sin
Ten years ago on this day, my heart was yearning
I promised I would never ever be returning
Where my baby broke my heart and left me yearning

醜業に生きる(罪深きライブステージ)
10年前の今日、ぼくの心は(去って行った子供の心)を乞い慕っていた
ぼくは 決して二度と後戻りしないと誓ったんだ
ぼくの「子供の心」がぼくの心を破り 千切れるほど慕うぼくから出て行った場所へ

   *Live in sin・・《口語》 (結婚せずに)同棲する
   *yearning・・存在しないものあるいは誰かを望む

As we walked into the room, there were faces
Staring, glaring, tearing through me
Someone said welcome to your doom

Then they smiled with eyes that looked as if they knew me
This is scaring me

ぼくらがその部屋に歩み入ると ご面々がそこにいて
凝視し、睨みつけ、猛烈な眼差しがぼくを貫いた
誰かが「君の運命へようこそ」と言った
そのとき 彼らはまるでぼくの事を知っていたかのような目で笑った
これがぼくを怖がらせる

   *doom・・最後の審判. (罪の)宣告. 悲運;破滅,滅亡. 運命


We walked up the stairs still concealing gloom
And there were two girls sitting in my room
She walked up to my face
And said this is the place
You said meet you right here at noon (ooh)

ぼくらは しんと静まり返った薄暗がりの秘密の階段を登っていった
すると 二人の少女がぼくの部屋に座っていたのだ
彼女は ぼくの面前に歩み寄った
そして 「あなたが正午にまちがいなくここで会うように言った
     それがこの場所よ」と言った

This is Heartbreak hotel
Welcome to Heartbreak hotel
So this is Heartbreak hotel
This place is Heartbreak hotel

こちらがハートブレイクホテルでございます
ハートブレイクホテルにようこそ お越しを
さて こちらがハートブレイクホテル
これぞハートブレイクホテルでございます

Hope is dead
She thought that I had cheated for another lover
I turn my back to see that I am undercover
Now I can't convince this girl there ain't no other

望みは死した
彼女はぼくが他の恋人の為に嘘をついたと思ったのさ
ぼくは 自分がおとりなのかを確認するために後ろを振り向く
さて ぼくはこの少女に、どうすることもできないことを
説得することなどできはしない

   *undercover・・おとり
   *there ain't no other(way)・・全く方法がない。どうすることもできない。

Someone's evil hurt my soul
Every smile's a trial thought in beguile to hurt me
This is scaring me
Then the man next door had told
He's been here in tears for fifteen years
This is scaring me

誰かの邪悪さがぼくを傷つけようとしている
ぼくを傷つける為にだます試験的な考えをもった皆の笑顔
これがぼくを怖がらせる
そのとき 隣の部屋の男が言った
彼は15年もの間ここで涙に暮れているのだと
これがぼくを怖がらせる

   *trial ・・ 裁判 公判 審理

We came to this place, where the vicious dwell
And found that wicked women run this strange hotel
There was Sefra and Sue,
Every girl that I knew
And my baby said love is through (ooh)

ぼくらはやって来た 悪徳の棲みつくこの場所へ
そして 性質の悪い女達がこの奇妙なホテルを動かしているのだと解った
セフラにスーがいた、ぼくが知っていたどの少女も
そしてぼくの「子供の心」は言った「愛は通り過ぎて行った」と

This is Heartbreak hotel
Welcome to Heartbreak hotel
So evil Heartbreak hotel
This place is Heartbreak hotel

こちらがハートブレイクホテルでございます
ハートブレイクホテルにようこそお越しを
さて こちらが邪悪なハートブレイクホテル
これぞハートブレイクホテルでございます

Someone said my Heartbreak hotel
This is Heartbreak hotel
Ten years ago today
This is Heartbreak hotel…

誰かが言った わがハートブレイクホテル
これがハートブレイクホテル
10年前の今日
これがハートブレイクホテル・・

Someone’s stabbing my heart
This is Heartbreak Hotel
Ten years ago today
Hurting my mind
You break My Baby’s heart
This is Heartbreak Hotel
Just welcome to the scene

誰かがぼくの心臓を 刺し抜いている
これがハートブレイクホテル
10年前の今日
傷ついたぼくの心
おまえがぼくの「子供の心」の心臓を破壊する
ようこそお越し頂きました まさにちょうど その場面に
    
   *the scene・・この「その場面」という言葉は、冒頭の「Live in sin」にリンクする。





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ここで、いったん仕切ります。

つづく・・・


お読みいただきまして、誠にありがとうございましたおじぎ