Will You Be There①~異教徒達の和平・ヨルダン川、パレスチナの地に祈る | ☆Dancing the Dream ☆

☆Dancing the Dream ☆

Let us celebrate
The Joy of life ♡
with ☆Michael Jackson☆

今日、「Will You Be There」について書くこのお話は、
「マイケルと宗教」のREMEMBER THE TIME(8/29、8/30過去記事)に、
つづくお話として読んでください。

「REMEMBER THE TIME」では、マイケルは、
自分自身が長年に渡り、深く信仰したエホバの証人しかり、
キリスト教が、古代エジプトに祖を持つ宗教であるという、歴史の事実を
紐解きます。
辻芸人に身を変えた太陽神ラーは、
音楽とダンスにのせ、暗示的な言葉で綴られた見事に隠蔽した詞を――
古代エジプトにはなかったはずの、キリスト教によって改竄された
抑圧的な教えからの解放の歌を―― 歌うのです。

「Will You Be There」は、
古代エジプトに影響を受け、誕生した、
ユダヤ教、キリスト教、そしてイスラム教…
すなわち「アブラハムの宗教」といわれる、兄弟のような一神教の
絶えることのない争いを嘆く歌。。
永く「ヨルダン川」が、パレスチナの地の人々を平等に癒してきたように、
争う異宗教の人々も、本来は、兄弟、友人であり、大きな家族であることを伝える歌でもあると思います。

しかし、止むことのない苦悩を抱えたパレスチナの地、
また、その地を潤し癒し、滔々と流れるヨルダン川の、その姿は、
幾多の苦悩と、癒しに彩られた マイケルの人生そのものを 現すような歌でもあります。


================================
これらのアブラハム系3宗教の根本、ユダヤ教が、
なぜ、どのように古代エジプトから、影響を受けたのか?
その歴史を、旧約聖書から読み解いてみたいと思います。
================================

エジプト宗教から、ユダヤ教へ、そしてキリスト教へ、イスラム教へ
古代エジプトの新王国時代、ユダヤ人は、「出エジプト」によって、
彼らの神の導きで、エジプトから脱出した。
ユダヤ教というものが形成されるに至った直接的な出来事は、
この「出エジプト」だったと言われる。
(参考;「一神教の誕生―ユダヤ教からキリスト教へ」加藤隆)

創世記には――
『アブラハム・イサク・ヤコブの3代の族長の物語が記されている。
アブラハムはバビロニアから出発して、カナン(現在のイスラエル/パレスチナ)にやってきた遊牧民の族長であり、神から祝福を受け諸民族の父になるという約束を与えられた。
イサクはアブラハムの息子であり、彼にも子孫が栄える旨が神から約束されている。
さらにその息子がヤコブであり、彼と契約を結んだ神はヤコブとその子孫にカナンの土地を与えると約束している。ヤコブはこの契約でイスラエルと改名し、彼の子孫はイスラエル人と呼ばれるようになった。ヤコブは12人の男子および数人の女子をもうけたが、男子それぞれがイスラエル十二氏族の長とされている。つまりヤコブがイスラエル/ユダヤ人の始祖である。

さらに、創世記には、この族長の3代記に続けてヤコブの末子のヨセフの物語が記されている。
兄たちに殺されかけてエジプトに奴隷として売り飛ばされながら、夢占いと実力で立身出世してエジプトの宰相にまで登りつめ、飢饉に苦しむようになった父と兄たちをエジプトに呼び寄せて救う話である。

物語は出エジプト記につながっていく。前述のヨセフの時代にエジプトに移住していたイスラエル人達は、王朝が変ったために、やがて迫害されるようになる(出エジプト1:1-14)。そこに、エジプト人として教育を受けたモーセ(出エジプト2:1-10)が、神から召命を受けて立ち上がり、イスラエル人たちを率いてエジプトを脱出し、神が族長ヤコブに約束した「乳と蜜の流れる」カナンの地を目指しながら40年間シナイ半島で放浪する。
シナイ山でモーセとイスラエル人は神から十戒を授かり、このシナイ山での契約は、ユダヤ教の重要な原点のひとつとされている。「ヤーウェ(ヤハウェ)」という神の名はモーセの召命時に初めて明かされ、モーセ以前には「アブラハムの神」「イサクの神」「ヤコブの神」という呼ばれ方でしか知られていなかった部族の神が、名前を明かした状態で民衆全体と契約を結んだのである。』


キリスト教の大元にはユダヤ教があり、そのユダヤ教の根底には、
ユダヤ人がエジプトで受けた影響や見聞きした文化が溶けこんでいる。
そのユダヤ教から発展していったキリスト教に、エジプト宗教の名残があったり、エジプトに対する強い意識があるのは、むしろ当たり前かもしれない。

だが、旧約聖書にある「黄金の牛」――
『モーセがシナイ山において神から十戒の石版を授与されるまでには40日の期間を要したが、麓に残されたイスラエルの民は時間の経過と共に忍耐力を失い、ついには、モーセは死んだと思うようになった。
そして、新しい神、鋳造した金の子牛を崇めたのである。これに怒った、モーセは十戒の石版を破壊するやいなや、金の子牛を燃やし、それを粉々に粉砕して水に混ぜ、イスラエルの民衆に飲ませた。
エジプトでは、しばしば守護神の聖牛アピスのように、雄牛を崇拝していたのだ。』
――この事件で見るように、

ユダヤ教の指導者は、エジプト宗教の影響を排除することに懸命だったのだ。

しかし、
キリスト教の「父なる神ヤハウェ・御子キリスト・聖母マリア」が、
古代エジプトの神、「オシリス・ホルス・イシス」を原型としていることからも
その影響は、明らかに見て取れるのだ。


$☆Dancing the Dream ☆
古代エジプト/三位一体=
「オシリス(父)、ホルス(子)、イシス(母、処女)」
キリスト教/三位一体=
「エロヒーム(単数・エル)=ヤハウェ=エホバ(父)、イエス・キリスト(子)、マリア(母、処女)」

イスラ教は、アラブ人の商人ムハンマドが、メッカで、天使ガブリエル(ジブリール)によりアッラー(=ヤハヴェ(エホバ))の啓示を受け、アラビア半島でイスラーム教を興した。
イスラ教もユダヤ教、キリスト教に次ぐアブラハムの宗教の系譜に連なる
唯一神教なのである。



《関連過去記事》
*2011年04月09日(土)
Remember The Time MJは本当の歴史を語る

http://ameblo.jp/et-eo/entry-10856318068.html



================================

世界平和のための愛の戦士としての覚悟
マイケルが、デンジャアルバムを制作中の頃の世界情勢は、
パレスチナ問題が新たな局面に動き始めようとしていた頃です。
当時、マイケルは、クリントン大統領(民主党)と接近し、
政治的な平和活動に尽力していました。
クリントンは、ノルウェーの仲介によるオスロ合意によってイスラエルとパレスチナの和平への枠組みを作り、1993年に、イスラエルのラビン首相(労働党)とアラファト議長(PLO・パレスチナ解放機構)が歴史的な和平協定(パレスティナ暫定自治協定)、オスロー合意を結ぶことに成功しました。
ようやく和平に向けた歴史的和解の第一歩踏みだしたかに見えましたが、
ラビン首相は、これに反発する右派により暗殺されました。

このような背景の中、デンジャラスツアー(1992/6/27~1993/11/11)は、
BADツアー途中で、引退を宣言するも、それを撤回し、
世界の平和のために闘う愛の戦士として、覚悟を持って臨んだ
政治的な意味合いを持つワールドツアーでした。


《関連過去記事》
*2011年05月20日(金)
Palestine&Will You Be There
http://secret.ameba.jp/et-eo/amemberentry-10897981132.html#main

*2011年05月22日(日)
Palestine don’t cry
http://secret.ameba.jp/et-eo/amemberentry-10899889369.html


============================

マイケルは、「パレスチナ」について真心のこもった愛の詩を残しています。
その最後の文言に見られるように…
愛の戦士として「死」をも覚悟するものであったことに
衝撃を受けます。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。

============================


☆Dancing the Dream ☆
☆Dancing the Dream ☆
 マイケルのメモ↓書き起こし 訳・ByTen

*Palestine
See the plains
Of the days of old
Just a century ago
When stories of peace were told.
Of how *Gallelie?(Galilee?Gallerie?)ran through
The Jordan river.

みてごらん ひと昔前のその平原を
ちょうど一世紀前
平和の物語が語られた頃
どのようにギャラリーが
ヨルダン川を走りぬけたのか

*Gallelie?…スペルミスかも?汗・ω・;
Galilee?=ガリラヤ OR Gallerie?=ギャラリー、客
たぶん、Gallerie?=ギャラリー、客ですね。。
この手記が書かれた90年代初頭から約100年前までは、パレスチナは、キリスト、ユダヤ、イスラムの教徒らが共存して暮らす穏やかな地でしたが、20世紀に入り、シオニズムが盛り上がり、イスラエルが大挙して入植し、バランスが崩れていきます。
ギャラリー(客)とは、シオニストのユダヤ人のことでしょう。


What remains are cold
Tales of war,
Of the death and dying,
Bomb shells are flying,
Bodies multiplying,
See the children crying.
What are they fighting for?

その死と死に逝くものの
なんと変わらぬ冷たい戦争の物語
爆弾が飛びかい
屍は増しに増し
みてごらん 子供達が泣いている
彼らは何の為に戦うのか?

I will pray for you,
Oh, Palestine.
Oh, Palestine,
I will carry you, oh, Palestine.

私は祈ろうあなたの為に
ああ、パレスチナ
ああ、パレスチナ
私はあなたを支うだろう ああ、パレスチナよ


*Palestine.
Come deep in
My heart. I’ll always love you.

パレスチナ
こころの底から
私はいつもあなたを愛すだろう


*Palestine, don’t cry

I will pray for you,
Oh, Palestine.
Oh, Palestine,
Oh, Palestine.

私は祈ろう あなたのため
ああ、パレスチナ
ああ、パレスチナ
ああ、パレスチナ

God’s a place for you
Oh, Palestine.
And, I believe in you.
Oh, Palestine, I will die for you.

あなたの神の地
ああ、パレスチナ
そして わたしはあなたを信ず
ああ、パレスチナ
私は あなたの為に死すだろう







================================




Will You Be There
written by Michael Jackson

Hold me
Like the River Jordan
And I will then say to thee
You are my friend

わたしを抱きしめてください
ヨルダン川のように
ならば、我、汝に言う
あなたはわたしの友人だと


Carry me
Like you are my brother
Love me like a mother
Will you be there?

わたしを支えてください
あなたはわたしの兄弟のように
わたしの母のように愛して
わたしと共にいてくれますか?


Weary
Tell me will you hold me
When wrong, will you scold me
When lost will you find me?

疲れきってしまった時
言ってください わたしをを抱きしめてくれますか?
まちがったら わたしをを叱ってくれますか
わたしが道に迷ったら、探し出してくれますか?


But they told me
A man should be faithful
And walk when not able
And fight till the end
But I'm only human

でも、彼らは言うのです
男は信念を持たねばならないと
そして 無理にでも歩くのだと
そして 最後まで戦い続けるのだと
でも わたしはただの人間なのです


Everyone's taking control of me
Seems that the world's got a role for me
I'm so confused will you show to me
You'll be there for me
And care enough to bear me

みんながわたしを操ろうとするのです
どうやら世界は、わたしに役割をおしつけたようです
わたしは混乱しているのです 示してくれませんか?
あなたはわたしのために そこにいてくれますか?
そしてわたしを大事に守り 受け入れてくれますか?


(Hold me)
(Lay your head lowly)
(Softly then boldly)
(Carry me there)

(わたしを抱きしめて)
(頭を低く垂れて)
(そっと、そして大胆に)
(そこへわたしを運んで)

(Hold me)
(Love me and feed me)
(Kiss me and free me)
(I will feel blessed)

(わたしを抱きしめて)
(わたしを愛して、育んで)
(わたしにキスして、わたしを自由にして)
(わたしは恵みを感じるでしょう)


(Carry)
(Carry me boldly)
(Lift me up slowly)
(Carry me there)

(運んで)
(わたしを大胆に運んで)
(ゆっくりとわたしを抱き上げて)
(わたしをそこへ運んで)


(Save me)
(Heal me and bathe me)
(Softly you say to me)
(I will be there)

(わたしを救って)
(わたしを癒し、わたしを清めて)
(わたしにやさしく言って)
(共にいてくれると)


(Lift me)
(Lift me up slowly)
(Carry me boldly)
(Show me you care)

(わたしを引き上げ)
(やさしくわたしを抱き上げて)
(大胆にわたしをを運んで)
(わたしにあなたの慈しみを示して)


(Hold me)
(Lay your head lowly)
(Softly then boldly)
(Carry me there)

(わたしを抱きしめて)
(ゆっくりと頭を垂れて)
(やさしく そして大胆に)
(わたしをそこへ運んで)


(Need me)
(Love me and feed me)
(Kiss me and free me)
(I will feel blessed)

(わたしを必要として)
(わたしを愛して、育んで)
(わたしにキスして、わたしを自由にして)
(わたしは恵みを感じるでしょう)


In our darkest hour
In my deepest despair
Will you still care?
Will you be there?
In my trials and my tribulations
Through our doubts and frustrations
In my violence
In my turbulence
Through my fear and my confessions
In my anguish and my pain
Through my joy and my sorrow
In the promise of another tomorrow
I'll never let you part
For you're always in my heart

わたしたちの一番暗い時、
わたしが絶望の底にいる時、
あなたはそれでもわたしを気遣ってくれますか?
共にいてくれますか?
わたしの試練や苦難の中でも、
疑いや不満を超えて
自暴自棄になり、
混乱しても、
わたしの恐れや懺悔を通り抜けて
わたしが苦悩と痛みの中にあっても、
わたしの喜びと悲しみを超えて
あたらしい明日の約束の中で

わたしは決してあなたを離しません
あなたはいつも、わたしの心の中にいるのですから



クリーヴランドオーケストラ演奏
ベートーベン交響曲第九番の「歓喜の歌」合唱部・引用
「第九」の歌詞(独語・邦訳)
 
O Freunde, nicht diese Töne!
おお友よ、この調べではない!
Sondern lesst uns angenenehmere
これでなく、もっと快い、
Anstimmen, und freudenvollere.
喜びに満ちた調べに共に声をあわせよう。

Freude, Schöner Götterfunken,
歓喜よ、美しい(神々の)火花よ、
Tochter aus Elysium,
天上の楽園の乙女よ!
Wir betreten feuertrunken,
私たちは情熱の中に酔いしれて、
Himmlische, dein Heiligtum.
崇高なあなたの聖所に足を踏み入れる、何と神々しい!
Deine Zauber binden wieder,
この世の習わしが厳しく分け隔てたものを、
Was der Mode Schwert geteilt;
あなたの聖なる偉力が再び結び合わせる…(そして)
All Menschen werden Brüder
あなたの穏やかにたゆたう翼のもと、
Wo dein sanfter Flügel weilt
すべての人々は兄弟となる。

Wem der große Wurf gelungen,
ひとりの友の友となり、
Eines Freundes Freund zu sein,
ひとりの気高い女性を得られるなど、
Wer ein holdes Weib errungen,
大いなる幸福に恵まれた人は、
Mische seinen Jubel ein!
歓喜の声をあわせよう!
Ja, wer auch nur eine Seele
そう、この地上でただ一つの人の心でも
Sein nennt auf dem Erdenrund!
自分に大切なものと信じ得る人も!
Und wer's nie gekonnt, der stehle
だが、それが出来なかった人は 涙ながらに
Weinend sich aus diesem Bund!
ひそかに この集いより離れるがいい!

Freude trinken alle Wesen
この世のあらゆるものは歓喜を
An den Brüsten der Natur,
自然の乳房より飲む…(そして)
Alle Guten, alle Bösen
善人も悪人もすべての人が
Folgen ihrer Rosenspur.
薔薇色の小径を辿る。
Küsse gab sie uns und Reben,
自然は私たちにくちづけとぶどうと、
Einen Freund, geprüft im Tod;
死をも分かち得る一人の友をもたらし
Wollust ward dem Wurm gegeben,
虫けらには快楽が与えられ…(そして)
Und der Cherub steht vor Gott.
天使ケルビムは嬉々として神の御前に立つ。

Froh, froh wie seine Sonnen fliegen
喜べ喜べ 自らが陽光に満ちた大空を駆けるように、
Durch des Himmels prächit'gen Plan,
天空の壮麗な広野を飛び交い、
Laufet, Brüder, eure Bahn,
走れ兄弟よ、君たちの道を、
Freudig wie ein Held zum siegen!
晴々と勝利に進む勇者のように。

Seid umschlungen Millionen!
抱き合うがいい、数百万の人々よ!
Diesen Kuß der ganzen Welt!
このくちづけを全世界に!
Brüder - überm Sternenzelt
兄弟よ! 星々くらめく世界に
Muß ein lieber Vater wohnen.
いとしい父が必ずいらっしゃるはず。
Ihr stürzt nieder, Millionen?
あなたがたはひざまずいているか、数百万の人々よ?
Ahndest du den Schöpfer, Welt?
創造主の存在を予感するか、世界よ?
Such' ihn überm Sternenzelt!
星々のかなたにその人をたずねよ!
Über Sternen muß er wohnen.
星々のきらめく天蓋のうえに必ずやその人はいらっしゃる。


=================================

旧約聖書のヨブ記。。
心正しく生きるヨブは、次々と襲う不条理な不幸に苛まれ、
「なぜ神は沈黙するのか?」と嘆く。。

遠藤周作の「沈黙」、ミルトンの「失楽園」、ダンテの「神曲」、
ゲーテの「ファウスト」、そしてドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」
ヨブ記を題材にして書かれた文学作品は多いが…

マイケルジャクソンの「Will You Be There」も
「あなたは、わたしと共にいてくれるのか?」と悲痛に問う。
。。。「Will You Be There」は、ヨブ記に表れた人間の叫びのようだ。。


Will You Be There②につづく。。。