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水温が例年より下がらず、そのまま春の釣りに移行するのではないかと思うほど。
沢山の魚が楽しませてくれました。
春に差し掛かる頃、海の調子もさらに上げてくる時、大切な仲間に悲報が訪れました。
自分も当時釣行に平戸に入り、釣りを終え帰路に着いたタイミングで仲間の不可解な情報が入り、現場へ走りました。
到着すると、荷物はキレイにまとめてあり、まさに神隠しのように人だけが確認できません。
当初はヒラスズキを狙いショアラインをランガンしているのだろうと楽観的な考えを持ってましたが、荷物を確認すると全く釣りをした形跡がない。
その瞬間最悪のケースが頭をよぎり、一気に考えを変えざるを得ませんでした。
一通り現場を見て回り、仲間を確認出来ず様々なケースを想定してしまう自分がいます。
(波に流されたのか、落石に巻き込まれたのか、野生動物に襲われたのか、道中で怪我をして動けないのか…)
3日に渡り捜索をしましたが全く手がかりをつかめず、時には何事もなかったのように藪の中から出てくるのではないか?とも思えてくる。
そして仕事で捜索に参加できなくなった初日に仲間は見つかりました。
やはりと言うかなんとなく自分の中で覚悟していた事とはいえ受け止めるとことが出来ません。
「今見つかった。○○灯台の北○○kmで漁船に発見されたらしい。」 とメールが入った。
ため息しか出ませんでした。
つい先日に釣りへの熱い思いを共有して話し合っていた仲間が、安全や快適装備について語った仲間が帰らぬ人となって帰ってきたのです。
残念でなりません。あれだけ装備にこだわった人でも自然の猛威の前では無力なのです。
大きなお世話だと思われても構いません。これから釣りを初める方、始めたばかりの方、やってるけどよくわからない方にアドバイスです。
・荒天時は釣りを中止する勇気を持つ
・極力1人で釣りに行かない
・荒れた日は明るくなってからエントリー(ポイン ト入り)
・最悪のケースを考えて装備や上陸位置を確認する
・現場の潮流の向きを知っておく
・ケータイ等をどんな状況ででも使えるような仕様にしておく。
と言い出したらキリがありません。
もちろん本人も自分なりの安全基準が満たされた結果ポイントに入ったのでしょう。
しかし、我々生きている人間にはこの教訓を無駄にしてはなりません。
どれだけの人が心配し、必死に捜索をし、悲しんだか。
これは昔から言われている事だと思っています。でも事故は絶えないのです。
釣りとは人を魅了し、感覚を麻痺させてしまう最高の趣味なのです。だから事故は無くなりません。
この記事を目に止めて頂けた方がいるのならば、
上記のアドバイスに加え、さらに安全係数を上げるポイントを自分なりに紹介したい。
・どうしても暗いうちにポイントに入る必要がある時は、草木が茂るライン又は角が角ばった磯や小石があるラインまで下がって夜明けを待つ。
・波が予報の2倍から3倍の高さで襲ってくる事を認識しておく。
・乾いた磯場だからといって波が来ないと思わない。
・波に対して恐怖心を常に持っておく。
・1滴も濡れる事なく魚を釣る事が上手い釣り人だと認識する。
これらを心の片隅に留めておくだけて悲しむ人が減ると信じています。
これからも亡くなった仲間の分も安全に釣りの楽しさを発信していこうと思います。