いろいろあった総理杯、終わりました。
やっぱり最終日もなんだかいろいろあって…とても複雑な思いでモニターを見つめてたんだけど(憲ちゃんとか光ちゃんとか…。あと次郎ちゃんにちょっとびっくりした)。
その気持ちをすこし軽くしてくれたのは、やはり王者でした。

優勝戦。
スタート、全員がきれいにコンマ10から13の間に入れてきた。
今節はちょっとスタートひでぇなぁ…と思ったくらい全体的にバラバラな印象だったけど、まさか最後になって、こんな奇跡みたいなスリットを見れるとは思わず。ちょっと感動すら覚えた。
だが、このスリットでは、王者が逃げる。それも、確実に。疑う余地は微塵もなかった。
その瞬間、最初から、答えはもうこれしかなかったのだということを、悟った。
それは、そういう勝利だったと思う。
インに入った艇が、己の為すべきことをきっちりと為し遂げたなら。
他艇がそれに勝ることなど、できはしないのだ。


度重なる栄光は、代わりに重苦しいものを彼に与えていくだろう。
だけど、彼はそれすら己の力にかえてゆく。
…去年の出来事を全く考えもしなかった、といったら、多分それは嘘になるんだろうと思う。
呪いと言ったら大袈裟かもしれない。
…でも、それに近いものが、あの優勝戦には、残されてる。
だから本当は、目に見えないところで、大きな十字架を背負ってたんじゃないだろうか。
それに打ち勝てたのは、彼が王者だから。
打ち勝つのは、彼の務めに他ならない。
もしかしたら彼は、そうであることを、自身に課してさえいたかもしれないと思う。
優勝インタビューの「ここで負けたら引退するくらいの気持ちで」というその言葉をきいて、そんなことをなんとなく思った。
ま、勝手な想像だから、本当のところがどうかはわかんないけど。
でも、彼は、いつでも一歩先を見ている気がする。
…だから、あの言葉も、きっと。

ライバル。
相手をそう呼ぶこと、または呼ばれることは、決して簡単なことではないと思う。
周囲やメディアが簡単にそのように仕立てあげるのはよくあるけど、それと当事者同士の認識が同調するかはまた別の問題。
意識してるのは片方だけ、なんてこともよくあるし、そもそも同じ立場に立てる間柄でなければ成立しないのだ、ライバルなんて関係は。
でも、松井さんははっきり言った。
その口から、名指しで、ライバルって言った。
俺はお前を意識してるぞ、って。
それは本来、衆目に晒す必要のない事柄ではある。
問われたのならばともかく、自分のなかの認識がしっかりしているなら、それをあえて口にする必要はない。
つまり、あえて自分からそれを曝け出すのなら、そこには必ず、別の意味がある。

そう、伝えたい意志があるのだろう、少ない言葉の裏側に。
そして、その言葉の受け取り手となるべき「彼」は…一体、どのようなかたちで、それに答えるだろう?

それを考えるだけで、なんだか胸が熱くなった。

最後になりましたが、松井さん、優勝おめでとうございます。
そして、ありがとう。
競艇に出会えて、競艇が好きで、本当によかった。
心からそう思う瞬間のひとつに、今、出会ったような気がするから。

…なんだか、今日は王者の偉大さを誉め称えるのに終始したな…(笑)。
ま、たまにはいいか。
ちなみに今日のお祝いはやっぱりアイスクリームで!
でも、寒かったよやっぱり(笑)。



できれば松井さん以外についても触れたいけど、それはまた後日に気が向いたら書きます。
本当にいろいろあったから…
そういった意味では、とても思い出深い総理杯でした。
…去年よりも、たぶん、きっとね。