今日の新聞で、実に介護に携わる人間の63%が離職・転職を考えている、との統計が出たそうだ。
正直、無理もない話だと思う。
人出不足も深刻化してるみたいで、前に面接受けたけど返事があまりに遅かったので別の就職先が決まって断ったことのある老人介護施設から、数年後に就職しませんかとお電話頂いたこともある。
今は別の職についてるから丁重にお断わりしたけど、正直、もう介護関係の仕事に就く気はないな。
この仕事は、様々な部分で、複雑なのだ。
前に働いてたとこじゃ(私は介護職員ではなかったけど)、従業員に窃盗の疑いまでかけられて警察沙汰になったこともあるし。普通に考えれば不特定多数がいる場に大金を持ってくる方に問題があるというのが論理的なんだけど、認知症の方なのでそもそもそんなお金を持ってきたかどうか。だけど、そんな話は通用しないワケで、なくなったと言われたら徹底的に調べるしかない。どちらにしても非常に気分のよろしくない話。
一方で上司はサービス残業を強いてくる。
しかも正社員ではなく、少ない時間を削って働いてるパートのおばちゃんたちにそれをやっちゃう。
経営が苦しいんだっていうけど、そのわりに正社員にはそういうことしてなかったりね。パートは代わりが効くと思ってるのが見え見え。
介護報酬は引き下げられる一方だから、苦しいのはわかるけど…。

人手が足りないから、今いる人員に負担を強いる。
それをさも当然のように強いてくるのが現状なのに、人が居つけるわけがないよね。
誰しも自分の生活や家族が一番大事で、それを成り立たせるために働いてるんだから。
しかも基本的な賃金も低いのに残業代も払いたくないなんていう職業に就きたいとは普通の人間は思わないし、逆に純粋に高い志をもってこの世界に入ってきたひとほど、事業者に良いように使い潰されてしまう。
少なくとも安心して働ける場ではないと思う。
私自身は利用者さんと話したりするのは好きだし、お世話させて頂くのも苦にはならないけど、その他のマイナスが目につきすぎる。
自分を犠牲にしてまで介護に尽くすことはできない。それは最初から出ている私の答え。
だが、それを当たり前に求められるなら、この世界に入ることはできない。

様々な部分で、ハードルが高いんだよね。結局は。
改善するにはどうしたらいいのか…。
先行きは不明のまま。
危機を訴えるのは誰でもできるけど、具体的にどうすればいいのかを考えなければあまりに未来がない。

本当に、深刻な問題なんよ。
他人事では、ないのです。