エスプレッソマシンレビュー第2回[ネスカフェ ドルチェグスト MD9740]
ネスカフェのカプセル式コーヒーマシン、ドルチェグストMD9740。
コンビニ店頭での試飲会の実施や、盛んにTVCMが流されたためコーヒーマニア以外の知名度もそれなりにあるマシンである。
エスプレッソを抽出することも可能。
側面観。黒いベースにある丸がメインスイッチ。円形部の透明なところが水タンクである。
水タンクは上に引っ張れば外れる。水タンク容量は1.3Lである。
取っ手はタンク上方ではなく奥側に付いているので、マシンに正対した状態で上からタンクを取り付ける際に手の角度が不自然になりやや使いにくい。
抽出後はホルダーを逆さまにしてレバーを下げるだけでカプセルが外れ、そのまま捨てるだけの簡単操作。
抽出が終わってもホルダーはほとんど濡れたりしないので、手入れが楽なのはカプセル式マシンの大きな利点。
つまみ(カプセルホルダーレバー)を持ち上げると針が付いている。
この針によってカプセルのフィルムに穴を開ける。
針は注射針のように中空になっていて、そこを湯が通る仕組みになっている。
カプセルホルダーレバーのアップ。円形の金属部分に穴が開いているのが確認できる。
この穴に湯が通ることになる。
1箇所だけ設置された数mmの小さな穴から湯が出てくることが確認できる。
ドリップトレーは3段階に上下させることができる。カップごとに最適な高さにトレーを動かす事で、液体の飛散を低減できる。
容量は実測150cc。
主電源をONにすると真ん中のインジケーターが緑に点滅する。30秒後には点滅が点灯に変わる。
これが抽出可能の合図である。
主電源ON→抽出可能になるまでの時間は短くて評価できる。
レバーを右に動かすと温水で抽出され、左に動かすと冷水で抽出される。
抽出量に達したら手動でレバーを真ん中まで戻し、抽出を止める。
抽出量がカプセルごとに指示されているが、目分量で止めるしかないのであらかじめカップのどのラインが指示された抽出量なのかを計量カップ等を使用して把握しておく必要がある。
これが使用する専用カプセル。正確にはカフェ バラエティと言うらしい。
エスプレッソ、カプチーノ、ラッテマキアート、モカ、カフェルンゴ、アイスカプチーノなどメニューは豊富である(他にもチョコチーノやカフェクラシコ等のカプセルがある)。
例えばカプチーノ系のメニューではミルクのカプセル(白いカプセル)とコーヒーのカプセル(黒いカプセル)が別れていて、1つのドリンクを作るのに2つの異なるカプセルを使うことになる。
基本的にカプセル16個で798円なので、エスプレッソなら1杯あたり49.875円。ミルクを使うラッテマキアートなどはカプセルを2つ使うので1杯あたり99.75円のコストがかかる。
カフェで飲むのと比較すればリーズナブルと言えるか。
このカプセルはセブンイレブン、イトーヨーカドー、Ario、ヨークベニマル、カドヤ、ヨークマート、ザ・ガーデン自由が丘、セブンイレブンネットで入手できる(※一部取り扱いの無い店舗あり)。
まずエスプレッソを抽出してみる。カプセルホルダーにセットした状態。
抽出直後の状態。1カプセルで60cc抽出するように指示されているので、その通りにした。
全体に色が薄い。クレマの量も十分とは言い難い。
抽出時のポンプ作動音は騒音計による計測で60dB程度と小さめで、この点はGOOD。
ちなみにポンプの性能は最大14気圧である。
クレマを上から。やはり色が薄く泡立っており、あまりおいしいエスプレッソには見えない。
飲んでみるとボディが薄い。
酸味はかなり抑えてあり、それなりの苦味と甘みを感じる。
本格マシンで抽出したエスプレッソを飲みなれている人には全く飲み応えが無いが、そういった味に慣れていない人にはむしろ飲みやすい味と言えるのかも知れない。つまりエスプレッソというよりは濃い目のコーヒーと言ったほうが良いような味である。
まずラッテマキアートのミルクカプセルでミルクを抽出する。抽出量は170ccと指示されている。
フォームの層は1cm程度。
飲んでみると牛乳というよりはネスレブライトをお湯で溶いた味がする。
ちなみにこのグラスはドルチェグスト純正グラス。
次にラッテマキアートのコーヒーカプセルをセットし、先ほど抽出したミルクの上から抽出していく。
思ったほどきれいには分離しなかった。
フォームをすくって染みを隠せば、エスプレッソ系ドリンクに詳しくない人を不思議がらせることができるだろう。
味はミルクのネスレブライトっぽい味のインパクトが強くて、本格的なエスプレッソドリンクを飲んでいる人にはラテマキアートというより全く別の飲み物に感じる。
フォームは大きな気泡がたくさんあり、あまり口当たりが良くない。
当然ラテアートに使えるようなフォームではない。
コーヒー粉の上に薄いフィルムでシールしてあるのを確認できる。
小さい穴が数箇所開いている。ここから湯が通るのだろう。
硬度180ppmの水で900杯毎に、硬度0ppmの軟水で1600杯毎の湯垢洗浄が指示されている(日本の水道水は硬度80ppm程度)。
湯垢洗浄には付属のすすぎ用アダプターを用いる。別売りの湯垢洗浄剤も用意する必要がある。
<総評>
本格的なエスプレッソやコーヒーを飲みなれた人は味に納得できないかもしれない(特にミルクの味)。
気になる人はミルクだけミルクフォーマー等を使用して別に用意すれば味的にも納得がいくようになるかもしれない。
本格的なエスプレッソやコーヒーを飲みなれていない人には手軽に、バラエティ豊かなコーヒーを楽しめるツールとして活躍してくれるだろう。
<ネスカフェ ドルチェグスト MD9740>スペック (ブログ管理人調べ)
●メーカー : ネスレ
●品番 : MD9740
●分類 : カプセル式
●214×315×330mm
●コード長 : 約1.0m(実測)
●重量 : 3.0kg
●消費電力 :1350W
●ポンプ圧 : 最大14気圧
●パウダー使用 : 不可
●POD使用 : 不可
●水位計 : 有
●着脱式ウォータータンク : 有 (容量1.3L)
●着脱式ドリップトレー : 有 {容量150cc(実測)}
●カップウォーマー : 無
●3方向バルブ : 無
●熱交換器 : 無
●デュアルボイラー : 無
●給湯機能 : 無
●C型スプリングによるフィルターバスケットの固定 : 無
- MD-9740の上位機種にはMD-9741がある。
- MD-9740との違いは以下の通り。(ブログ管理人調べ)
- ・消費電力が1460Wにパワーアップ
- ・最大15気圧のポンプにグレードアップ
- ・水タンク容量が1.5Lに拡大
- ・幅が3mm縮小、高さが1.7cm拡大、奥行きが2.5cm縮小
- ・タンク取っ手の形状やメインスイッチの位置・形態変更。抽出部・抽出レバーの形状や材質変更。
- ・カプセルホルダー挿入口へのマグネットの組み込みによる、ホルダー挿入操作の省力化。
- ・カプセルホルダーレバーが無くなり、本体にホルダーをセット後ロックする際に同時にカプセルに本体側で穴を開ける仕組みに変更されている。
- 等があるようである。
- 抽出量は抽出レバー操作によりオペレーターが手動で調節する方式で、これはMD9740と変わらない。
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