食道癌の手術は侵襲が大きく、手術関連死亡率が5%。
通常の手術では起こらない大きい合併症を起こす可能性もある。
術前化学療法後は、合併症のリスクが若干高くなる。
(1)肺炎
・術後3日以内に起こった場合、手の施しようがない。→死ぬ。
・肺炎は、自分の努力次第でリスクを下げられる。
・禁煙・運動・バランスの良い食事。歯科受診しておく。
・事前に渡した呼吸訓練キットで訓練する。
・術後寝たきりにならない。ベッドの上で体を動かす、上体を起こす。手術翌日から歩行リハビリをする。
・誤嚥性肺炎―飲みこんだ物や液が気管に入ってしまう
(2)出血
・手術中、ある程度は出血するが、「血液」というよりかは、それよりもうすい液である。
・場合によっては輸血が必要になる。
・術後24時間は再出血のリスクがある。
・輸血の同意書に署名。
(同意書に署名してから数日後「HIVに感染した男性献血者の血液が日赤の安全検査をすり抜けた問題」が報じられました。。。。)
(3)縫合不全
・食道癌の手術では15~20%の確率で起こり、父が治療を受けている病院では10人に1人くらいの確率。
・縫い目が引きつり、胃管がせばまるなど。→広げる処置をする。
(4)感染症
・術後3~5日ごろ起こる。
・肺炎も含まれる。
・傷口の化膿
・胸の中に膿がたまる
・腹の中に膿がたまる
→CTなどで感染源を調べ、膿を出す・栄養をつける・抗生剤を使う。
・自分の体が持っている菌から感染症になり、それが血液の流れに乗り経巡る→敗血症→死ぬ。
・抗がん剤をやったので、感染症のリスクも高くなる。
(5)反回神経麻痺
(↑説明同意書より)
・反回神経の周りのリンパ節を切除すると、神経自体を損傷していなくとも麻痺が生じる事がある。
→100人中20人ほど、一時的に麻痺する。
→その20人のうち、15人ほどは2~3カ月で回復する。
→20人のうち、5人ほど治らない。
・全く声が出ないわけではなく、かすれたり、声が抜けたり、息継ぎが多くなる。
・反回神経は右と左にあり、左側の方が少し長い。
・どちらかの神経がダメになっても、残り片方が代わりに良く動くようになるので、1年ほどでだいぶ改善する。
→どうしても声が戻らない場合は、特殊な手術をする。
(6)血栓(エコノミー症候群)
・肺梗塞
・心筋梗塞
・脳梗塞
・予防策
・手術前に医療用の圧着ハイソックスを履く。術後も数日履きっぱなし。
・手術中から歩行開始まで、足の血行を良くするため、ふくらはぎにマッサージ器を巻く。
・術後の早期離床
・歩かなくても、脚、ふくらはぎなどを動かす。