手術の詳しい説明(6)合併症について | 父ちゃんの食道癌…改め…父ちゃんの「せん妄」

父ちゃんの食道癌…改め…父ちゃんの「せん妄」

2013年夏、私の父親(70代)に食道腺癌が見つかる
11月に食道亜全摘手術を受け、術後の経過も順調だった

ストレス耐性が弱い父は「食べる事」に挫折

せん妄

食欲は回復したが、認知症対応型施設に入院

退院

食道癌の手術は侵襲が大きく、手術関連死亡率が5%。

通常の手術では起こらない大きい合併症を起こす可能性もある。

術前化学療法後は、合併症のリスクが若干高くなる。



(1)肺炎


術後3日以内に起こった場合、手の施しようがない。→死ぬ。


・肺炎は、自分の努力次第でリスクを下げられる。

 ・禁煙・運動・バランスの良い食事。歯科受診しておく。

 ・事前に渡した呼吸訓練キットで訓練する。

 ・術後寝たきりにならない。ベッドの上で体を動かす、上体を起こす。手術翌日から歩行リハビリをする。


・誤嚥性肺炎―飲みこんだ物や液が気管に入ってしまう




(2)出血


・手術中、ある程度は出血するが、「血液」というよりかは、それよりもうすい液である。

・場合によっては輸血が必要になる。

・術後24時間は再出血のリスクがある。

・輸血の同意書に署名。

(同意書に署名してから数日後「HIVに感染した男性献血者の血液が日赤の安全検査をすり抜けた問題」が報じられました。。。。)




(3)縫合不全


・食道癌の手術では15~20%の確率で起こり、父が治療を受けている病院では10人に1人くらいの確率。

・縫い目が引きつり、胃管がせばまるなど。→広げる処置をする。



(4)感染症


・術後3~5日ごろ起こる。

・肺炎も含まれる。

・傷口の化膿

・胸の中に膿がたまる

・腹の中に膿がたまる

→CTなどで感染源を調べ、膿を出す・栄養をつける・抗生剤を使う。


・自分の体が持っている菌から感染症になり、それが血液の流れに乗り経巡る→敗血症→死ぬ。


・抗がん剤をやったので、感染症のリスクも高くなる。



(5)反回神経麻痺


説明同意書003

(↑説明同意書より)

・反回神経の周りのリンパ節を切除すると、神経自体を損傷していなくとも麻痺が生じる事がある。

→100人中20人ほど、一時的に麻痺する。

→その20人のうち、15人ほどは2~3カ月で回復する。

→20人のうち、5人ほど治らない。


・全く声が出ないわけではなく、かすれたり、声が抜けたり、息継ぎが多くなる。

・反回神経は右と左にあり、左側の方が少し長い。

・どちらかの神経がダメになっても、残り片方が代わりに良く動くようになるので、1年ほどでだいぶ改善する。

→どうしても声が戻らない場合は、特殊な手術をする。




(6)血栓(エコノミー症候群)


・肺梗塞

・心筋梗塞

・脳梗塞


・予防策

 ・手術前に医療用の圧着ハイソックスを履く。術後も数日履きっぱなし。

 ・手術中から歩行開始まで、足の血行を良くするため、ふくらはぎにマッサージ器を巻く。

 ・術後の早期離床

 ・歩かなくても、脚、ふくらはぎなどを動かす。