ピラミッドストラクチャー |  伝達・印象

ピラミッドストラクチャー

ビジネスコミュニケーションにおいては常に関係者を「説得する」ことが求められます。
ピラミッドストラクチャー(PS)というのは説得の技術と言っても過言ではありません。

日常会話では、いちいち細かな根拠を説明したり、証拠となりうる情報を並べたりはしないですよね。
しかし、アイデアや思いついた事をそのまま伝えても、知識や経験などあなたの持っている情報と、
受け手側の持っている情報とにギャップがあれば、思うように伝わらないことも多々あります。

特にビジネスシーンでは、「何故、その提案が需要なのか?」とか、
「これらの情報から言えることは何か?」という様に、
「言いたい事」と「その根拠」の組み合わせを求められる場合が殆どです。


PSは、情報を組み合わせて「重要なメッセージ」を導出したり、
あなたの「主張」が「その通りだ!」と思ってもらえる様に、
必要な根拠で理論武装するのに適した考え方です。

その際、情報をピラミッド状に整理するので「ピラミッドストラクチャー」と呼ばれています。

PSを用いれば、複数の情報からどのように結論を導き出したかという
論理展開の構造化がわかる様になってます。



【ピラミッドストラクチャーの例】
伝達派・印象派-PS



企画書やプレゼンテーションの資料を作成する場合にも、このPSは非常に重要な役割を担います。

企画書も、プレゼン資料も、
他の人に自分の「考え(主張)」を伝え、納得してもらい、
その企画や提案に参加してもらうことが目的にあるわけですから、
「説得の技術」は当然役に立ちます。(むしろ、必要です。。。)



■ピラミッドストラクチャーの構造

PSは、何らかのステートメント(文章)を記入した「箱」が
コネクターである「線」によって繋がれた形で表現されます。

なんか、組織図みたいですが。。。

この他にも、複数のレベルで構成される箇条書きや、
アウトラインの形で表現される場合もありますが、
ピラミッドストラクチャーとしては、「箱」と「線」で描く方が、
全体構造を把握し易くて良いと思います。

コネクターで直接繋がれた上下の「箱」に入る、
其々のステートメントがどの様な関係にあるかと言うと、、、

上位=主張,結論
下位=根拠

という関係になっています。
これらが複数連なって、PSになります。

一番上位にある「箱」は「メインメッセージ」で、このPSで言いたい事です。
そして、メインメッセージの直下に配置される「箱」を「キーライン」と言います。

「メインメッセージとキーラインを読んだだけで、8割方理解できるものが良いPSだ」
と以前教えられた覚えがあります。

そして、理想的なPSは、最下部(おおもと)の「根拠」全てが、
誰もが「そうだよね」と納得できる状態ならベストでしょう。
実際には、100%というのは不可能ですけが・・・。(ファクトとメッセージ)



■ピラミッドストラクチャーの作成

PSを作成するステップは簡単に言うと次の4つのステップの繰り返しになります。


STEP1:情報抽出
与えられた文脈から、重要な情報をもれなく拾い出す。

STEP2:構造化
各情報の意味合いを読み取り、「主張-根拠」の関係性を明らかにする。

STEP3:メッセージ化
個々のメッセージから最終的な主張(メインメッセージ)を明確にする。

STEP4:論理検証
「So What?」「Why so?」を繰り返し、論理的なミスがないかチェックする。


しっかりと勉強したい方は考える技術・書く技術(バーバラ・ミント著)
がPSの老舗として、詳しく説明されています。
ステップだって、4ステップではなくもっともっと細かく指導されているので、
一度は読んでおく事をお勧めします。



■ピラミッドストラクチャーを使うメリット

PSを作ることで、説得するための材料をそろえられます。
その作成過程においては、本人も論理の妥当性をチェックしやすくなります。
また、考えを伝えられた人間が、相手がどのような論理に基づいてその結論を出したのかを
容易に理解できます。

さらに、PSからプレゼン資料を作成する場合には、
PSの其々の「箱」毎に1枚のシートを作成していけば、
自ずと「1シート1メッセージ」のプレゼンテーション資料が出来上がります。


【PSからプレゼン資料を作る】
$伝達派・印象派-PStoPre



ものごとを人に説明しなければならないシチュエーションで、
自然とPSの構造を頭に浮かべながら考えられるようになると、
思考ミスを防げ、作業効率がグッとアップすると思います。