ムード先行の価格上昇がバブルを生み出す

3大都市圏では中心部などで軒並みマンション価格が上昇しています。

ただ、基準地価の上昇率と比較すると「上がり過ぎ」と言えそうな地域も少なくありません。

とはいえ、基準地価はあくまで公的な数値なので、「実勢価格の上昇はもっと大きい」との見方もあるのは事実です。

実勢の地価上昇と比較すると、今のマンション価格上昇もうなずける範囲と言えるのでしょうか。

先述したように、マンション価格の構成要因は土地代だけではなく、建築コストのアップなども影響します。

なにより、地価やマンション価格が上がりだすと、「この先、さらに上昇するだろう」とのムードが広まり、そのこと自体が価格上昇を促すことも見逃せません。

購入側としては「価格が上がらないうちに」と考える人が増えて需要が強まり、販売側としては「なるべく高く売って利益を増やそう」と考えるのはごく自然な経済原理でしょう。

ただ、そうしたムードが先行して価格上昇のスピードが実勢からかけ離れて速まるとバブルが生まれます。

今のマンション価格上昇がミニバブルなのか、それとも「適正価格」に近づいているだけなのか、答えが明らかになるにはもう少し時間がかかるかもしれません。