「虹色のガラス」のL様から、素敵なSSを頂きましたо(ж>▽<)y ☆


以前、差し上げたSSのお礼にと頂いたのですが・・・。

そもそもL様に頂いたネタで書いたSSだったのに、プレゼントなんてもらっちゃっていいんだろうか?(笑)


返せって言われても、もう返さないからね!γ(▽´ )ツヾ( `▽)ゞ







明日で終わる・・・

今まで築き上げた関係がすべて終わるような錯覚に、寂しさで心の奥が張り裂けそうだった。

これが恋だと言うのなら

私は間違えなくあなたに恋をしています




☆*・。 紅蓮 .・*☆




「兄さん・・ねぇ?」

「なんだセツ・・今日はやけに近いな・・それに重いぞ?」
言われるまでもなくキョーコはそのことを自分自身で分かっていた。

「・・ぅん・・なんとなく・・」
兄妹として生活した数か月の間に、すっかり蓮の横にいることに慣れてしまったキョーコは椅子に座って台本を読んでいる蓮の背に自分の背を合わせ、いつも見上げてばかりのその背を下に見て寄りかかるように身体をあずけた。

「どうかしたのか?」

「ぅん・・なんか寂しくて・・」
その答えがセツカではなくキョーコ心であることに蓮は気が付いていた。

「セツ・・・・」
なぜか熱っぽい声に聞こえ、キョーコの心臓はドキリと音を奏でた。

「・・何?」

「・・いや・・・・・・最上さん・・」
その艶のある声に早鐘のように心臓がドキドキと音を立てた。
寄りかかっている背から伝わってしまうのではないかとキョーコは慌てて寄りかかっている身体を起こすと、その行動を察していたのか蓮が立ち上がり腕を伸ばしてキョーコを捉えた。

あっという間に蓮の腕に抱きしめられ、キョーコは驚いて瞳を見開いた。耳元に響く優しい声が麻酔のように頭に響き眠りを誘う

「・・寂しいのはセツ?・・それとも・・」
キョーコはその質問に小さく頷くと蓮を見上げた。

「私・・です・・よ?・・また前のように敦賀さんのいない生活に戻るだけなのに、すごく・・すごく寂しいです」

今にも涙がこぼれ落ちそうな瞳
微かに震えている声に、蓮の鼓動がドクドクと音をたてはじめた。

「敦賀さん・・あ、アリガトウゴザイマシタ・・その・・すごく楽しかったです。この数カ月間・・兄妹として過ごしたのも・・たくさん・・頭・・なでてくれたのも・・我がまま言われるのも・・そのどれもが・・・・」

・・・・愛しかったです

その言葉が出ずにキョーコは喉をゴクリと鳴らすだけだった。

「最上さん・・そのセリフは俺が言うはずだったのに・・」
クスリと笑った蓮の顔が間近に迫る。

「寂しかったらいつでもそばにいてあげる・・君が望むなら・・頭もなでてあげるよ?」
冗談のように蓮が言う。
心地よいこの時間がいつの間にか大好きだった。

明日で終わるこの関係に終止符を打つことができず、キョーコは蓮の腕にしがみつくように力を込めた。

「・・本当に寂しいです。・・明日で・・終わっちゃいますね・・」

「・・うん」

「ちゃんと・・ご飯食べてくださいね・・」

「うん」

「もう、丸まって眠らなくても良いんですよ?」

「・・うん・・」

「晩酌はほどほどにしてくださいね・・」

「うん」
そう言いながら蓮はキョーコの頭を何度もなでた。

「敦賀さん・・『うん』しか言ってないですね?」
眩しいほどの笑顔がキョーコに降り注ぐ、その笑顔から視線を逸らすと蓮の胸に頭をあずけるように寄りかかった。

「・・敦賀さん・・・・」

「うん?」

「実は・・・・好きでした・・」


「うん・・・・え?」
消え入りそうな声。
まるで独り言のようなその声が微かに耳に届いた。

驚いて蓮がキョーコを覗き込む。

「・・内緒です・・」
恥ずかしそうに頬を染めてキョーコは視線をプイと逸らした。

「最上さん・・」

「はい・・」

「こっちを向いてほしいんだけど・・」

「だ、ダメです・・」

「今の本当?・・」

「ぅ・・ですから・・内緒です・・」

「俺も好きだったよ・・ずっと・・君のことが・・」

「え?」

「でも、今は・・好きじゃなくて・・」

「・・はい」
しょんぼりと俯いたキョーコに蓮は抱きしめている腕に力を入れた。

「愛している・・」
ビックリするのと同時に、キョーコは真っ赤に頬を染め蓮の腕につかまっていた指に力を入れた。

「・・えっ・・あっ・・その・・し、信じちゃいますよ・・?」

「そばにいて欲しいんだ・・大好きな君に・・・・」

その言葉にキョーコは強く頷いた。




おしまい

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