最近 Dogma95 (ドグマ95) にハマってる。
この前”映画史”を読んでて、偶然知ったこのジャンル。
『ドグマ95』とは、
1995年にデンマークで始まった前衛映画運動のこと。
ドグマ95の映画は、制作時に守らなきゃいけない決まり事がいくつかある。
例えば、
・人工的な照明は禁止
・後付けの効果音や音楽も禁止
・スタジオのセット撮影も禁止。
・カメラは常に手で持って撮影。
・フィルムは35mm、カラー映画のみ。
などなど、他にもあるルールを全てクリアしなければ、『ドグマ95』の映画とは呼べないのだ。
ハリウッドの高予算、最新技術を駆使した豪華映画が溢れるこの時代。
そこにあえてこうした制限を設けて、映画製作の本当の意味みたいなものを再認識させる、
それがこの運動のそもそもの目的らしい。
大手のスポンサー無しで、低予算で自由な作風の映画が撮れるってことで、
無名の映画監督達の間で人気になってるらしい。
うん、なんかいいじゃない
私が今の所見たのは、
・セレブレーション (原題;Festen)
・幸せな孤独 (原題;Elsker dig for evigt)
『セレブレーション』は壊れた家族の話で、『幸せな孤独』は交通事故と不倫の話。
2つとも人間の弱さとか複雑な人間模様を描いたドラマだった。
重たいテーマだけど、ストーリーが細かい所までうまく作られてるから最後まで見てても飽きない。
カメラが手持ちのせいか、映像がところどころブレてるけど、
それがまたドキュメンタリー調で逆にリアルでおもしろかった。
そして作曲家として個人的にやっぱり気になるのは映画音楽。
撮影した後にのせる音楽はドグマ95のルール違反だから、
映画で使われている音楽は全て Source Music (ソースミュージック) だ。
ちなみにSource Musicっていうのは、
スクリーンの中にソース(源)がある音楽 のこと。
例えば、レストランのシーンで、そこにいるピアニストが演奏してる音楽はSource Music。
テレビがある部屋で、テレビから聞こえてくる音楽もSource Music。
『セレブレーション』の中でも、このテクニックはよく使われている。
パーティーが催されてる家にピアノがあって、そのピアノを登場人物の誰かが弾いているって設定だ。
おもしろかったのは、最後のエンドタイトル(スタッフとか役者の名前が出てくるところ)の音楽。
本物のオルゴールを文字の後ろでリアルタイムにならしていた。う~ん、あたらしい。
Source Musicだけでも色んな事が出来るんだなぁと感心。
制限があればあるほど、人間はより独創的になるもんだ。
・・・というわけで、ドグマ95。
普段ハリウッド映画を見慣れてる人には、アマチュアっぽく見えて物足りないかもしれない。
でもドグマ95映画は手作り感たっぷりで、クセになる味だ。
ハリウッド映画が高級料理店のステーキだったら、ドグマ95映画は居酒屋の豚の角煮って所だろうか。
興味がある方はご覧あれ。
ドグマ95の公式ウェブサイト
~ブログランキング参加中~
1クリックお願いします m(_ _ )m