ウォン安について。


散々書いておりますが、韓国経済は危機です。
陰謀論でも何でもなく、リーマンショックの地雷を踏んで以来、
ウォンは信じられないくらい価値を失いました。

韓国は日本と同じ加工貿易国。
製品に付加価値を付けて輸出して稼ぐ構造。
だからウォン安ドル高の方が、本来は儲かるんですね。

例)1ドル100円の場合

アメリカに輸出したリンゴが売れて1ドル儲かった。換金したら100円になった。

1ドル120円に変動

アメリカに輸出したリンゴが売れて1ドル儲かった。換金したら120円になった。

同じ製品を輸出してるのに、儲けは増えましたね。
つまり、輸出業者は儲かると。
だから本来は韓国としては今の状況は歓迎すべきはず。
ところが、違うんですね。


第一に韓国は企業構造が異なります。
日本の場合は垂直統合といって、子会社まで丸抱えで生産してきた。
デンソーやアイシンなんかはトヨタの子会社でしたが、技術を蓄え、
今や堂々たる一部上場企業としてトヨタ以外にも部品を供給しています。
よく言われる「町工場こそが日本の技術力」というやつです。

一方の韓国は水平分業。
世界中から安い部品を輸入して、加工して輸出する。
最近でこそ日本もこの傾向がありますけど、
韓国の場合は昔からこれで、国内に部品メーカーを育ててこなかった。
儲かるけれど、自国に技術が育たないんです。

ゆえに、世界中から技術を吸収せざるを得ない。
シャープはこれを「技術盗難」と考え、液晶生産の大半を内製化。
生まれたのが、アクオスで有名になった亀山工場です。

韓国は、優秀な商品を作ろうと思った場合、
日本の優秀な部品を輸入するしかない。
この構図により、韓国の対日赤字は膨らみ続け、
現在は毎年10兆ウォン以上の赤字となっています。

優秀な部品を国内で作れる日本と異なり、
海外から仕入れねばならない韓国は、自国の通貨の価値が安くなると困る。
出荷する際には儲かるけれど、部品を輸入するときに損をするため、
ウォン安のメリットは、日本に比べはるかに小さいんです。


さらに第二の理由。
これが現在、韓国の首を絞めています。

2005年、禿鷹ファンドは日本の円にターゲットを絞りました。
これに対抗した日本政府は、日銀法を改正してまで猛烈な介入を行います。
毎分10億円、総額130兆円。
同時期、やはり禿鷹に襲われていた韓国が、
総額1兆円の介入だった事を考えると、その凄まじさが分かります。

日銀砲とも呼ばれたこの介入により、潰れた禿鷹はなんと2000社。
日本って政治はアレですが、やはり経済は強いんですね。

一方の韓国政府は間違った介入を行います。
一定レベルになると自動的に資金を投入する方法を取ってしまったため、
そのタイミングで売買を行えば必ず儲かるという、
禿鷹大笑いの政策を取ったんですね。
これで数兆ウォンもの損失を出したそうです。

当時の韓国は、あのノムヒョンが大統領だったこともあり、
経済政策をとことん失敗させます。
2007年、ウォン高はピークを迎えました。
安い価格で市場を席捲していた現代自動車やサムスンは苦しくなり、
当然、税収も落ち込みます。
連日のようにデモが繰り返され、前述のような技術力の低下から、
韓国製品の優位性は日に日に失われました。

国庫が苦しくなった韓国政府は、ウォン高なのに海外から金を借りました。
そして今、ウォン安。
さて、どうなるか考えてみましょう。

・1ドル1000ウォンの時に10兆分のドルを年利5%で借りた
・為替レートがそのままならば、今年、10兆5000億ウォンを返せばよい
・ところが現在、1ドル1200ウォン
・支払いは12兆5000億ウォンになる

なんと年利25%。

最近のドル/ウォンレートを見ていると、
韓銀(日本の日銀みたいな中央銀行)と禿鷹の争いが見てとれます。
ドルを売ってウォンを買う韓銀は、日銀砲になぞらえ、韓銀砲と呼ばれていますね。

ところが、韓国内の企業は、
ウォンに比べてまだ安定しているドルを確保すべく躍起になっています。
輸出企業は決済がドルベースの事が多いですし。
韓国政府は前述の借金返済だけでなく、
禿鷹と国内企業両方からドルを奪われる状態となっているんですね。


第三の理由として、日本からの援助はできないという点。
ドルがダメならと円を確保しようとしましたが、
韓国輸出入銀行は春先にサムライ債(日本で発行する外債)の起債に失敗。
円も確保できない状態に陥りました。

日本を含むアジア諸国は、チェンマイイニシアチブという合意があるため、
韓国政府に多額の資金援助をできません。

さらに、リーマンショックのため、日本はアメリカを救うのに手一杯です。
嫌韓とかそーゆーレベルの話ではなく、
韓国が倒れても日本は出血で済みますが、
アメリカが倒れたら日本も死ぬわけで、優先順位の問題。

また、意外と知られていませんが、韓国は日本の同盟国ではない。
あくまで友好国です。
友好国・韓国と、同盟国・アメリカ。
どちらを優先するかと言えば、やはりアメリカなんですね。


そんなわけで、猛烈なウォン安は、そろそろ日本のニュースでも出てくるはず。
世界12番目の経済大国がどうやって危機を脱出するか、注目してみてください。
韓国を救いたいと思われる方は、ぜひ、made in KOREA の商品を買ってください。
ただ、サムスンの携帯は中身の多くが日本製らしいので、
ヒュンダイの自動車や、LGの冷蔵庫や電子レンジなどがいいかも知れません。


そんな事はない、韓国経済は大丈夫!
と思われる方は、こちらをご覧ください。
→【某新聞の記事1
→【某新聞の記事2


この日記、書くのに1時間半。
うん、こんな時間があるなら仕事しろって話ですな!

(パチスパイの報告書がたまっております……)



経済関連の目次はコチラ