彼の声が耳の奥でリフレインしてる。
なのに、彼の顔を思い出すことが出来ない。
彼のことを考えるだけでドキドキするのに、
彼の顔を思い出せない。
だけど次の逢瀬が待ち遠しくてたまらない。
彼の声を聞きたくてたまらない。
わたしは彼に恋をしていた。
本当に心から彼を愛し始めていた。
そんなわたしの中に、
彼の言葉が蘇る。
きっと君は僕を嫌いになるよ。
そんなことはない。
否定するわたしを優しく見つめて、
でもそれでいいんだ。
彼は寂しく笑った。
そこだけは、今もまだ、はっきりと覚えている。
もうあれから5年も過ぎたというのに。
そしてわたしは、今も彼を愛している。
彼の予言は実現しないまま、日々は淡々と過ぎていく。