仙台往診クリニックの川島孝一郎院長は4月14日、「臓器移植法を問い直す市民ネットワーク」主催の市民と国会議員の勉強会で、「重症患者の在宅医療と脳死の諸問題」をテーマに講演した。この中で川島氏は、日本は「治す医療」にはたけているが、重症で治らない人を「支える医療」の観点が欠けていると指摘。支える医療としてのICF(国際生活機能分類)が重要と強調した。

 川島氏は、日本の医者は心身機能によって「健康100点」「脳卒中50点」「植物状態5点」などとし、下がった点数を回復させようと考えがちと指摘した。その上で、こうした「治す医療」は、「治る人には有効だが、治らない人には悲惨だ」と述べた。
 一方、ICFでは、健康状態を心身機能だけでなく、心身機能、活動、参加の全体像としてとらえると説明。「その体でできる限りの活動、できる限りの社会参加をしていれば、百パーセント健康と見なすことができる」と語った。

 その上で、「ICFが脳死にはぴったりだ」と述べ、集中治療室で治療を受けていたが、臨床的脳死状態となった13歳の男児が、2か月間在宅生活して最期を迎えた例を紹介。医者は脳死を単に「重度の障害」として「新たな健康状態にいる」と考えて、生活機能を維持するための具体的な支援策を提示すべきと強調した。


【関連記事】
「共通言語」としてのICFの在り方を議論
生きる意欲を引き出すケアマネジメントを
高齢になっても障害があっても、地域で安心して暮らせる社会を
孤立する高齢者、地域でどうケアする?
家族を在宅で看取るための多職種連携とは

気勢上げる小渕さん…八ッ場ダム推進町長再選で(読売新聞)
「哀れでますますいかれた鳩山首相」…米紙酷評(読売新聞)
安藤前知事、二審も実刑=宮崎談合・汚職事件-福岡高裁支部(時事通信)
 ブログ市長「勇気ない首長だらけ。変革ムリ」(産経新聞)
佐世保の警官刺傷、指名手配の男が出頭し逮捕(読売新聞)