昨年の1月21日にニューヨークから帰国したので、

1年たってしまった。

だからという訳でもないが、

このごろ特にニューヨークの生活が懐かしく思い出される。


もっと、鮮明に思い出したくて、

最近は、ニューヨークにまつわる本や映画を

読んだり、観たりした。

今日はそのご紹介。


まず、手にしたのは、

『ほんとうに大切なこと』
ほんとうに大切なこと (ヴィレッジブックス (F-コ3-1))/松本 美菜子
¥714
Amazon.co.jp

人生に絶望した20代の女性と

その祖母とのやりとり、会話が

心温まる物語。

ニューヨークのセントラルパークや、

アッパーウェストサイドが

出てきて懐かしい。

そして、もうひとつは、

『ニューヨークのとけない魔法』


ニューヨークのとけない魔法 (文春文庫 お 41-1)/岡田 光世
¥620
Amazon.co.jp

ニューヨーク在住の日本人ジャーナリストが

個性的で人懐っこいニューヨーカーたちとの

やり取りを描くエッセイで、

思わず、引き込まれてしまう。

ニューヨークの魅力はやっぱり

人なんだよな、と納得する。


そして、先週末、ニューヨークが舞台という

理由のみで観たのは、

映画 『再会の街で』

http://www.sonypictures.jp/movies/reignoverme/


9.11で家族を失った男と

学生時代親友だった歯科医の男が、

再会し、お互いの友情を通して、

生きる希望を得ていく物語。

物語自体にあまりひねりはないが、

夜のニューヨークの街や、ネオン、

早足の人々や、生活の様子

がとても懐かしかった。


時には、こうやって、一気に思い出すのも

悪くはない。そうやって思っていれば、

きっと、また行く機会が訪れるから。


行くなら、もう少し温かくなってから、

と思っている。




1月7日(月)から出勤。

仕事を始めた途端に

風邪を引いた。

8日(火)は、どうしても外せない仕事が

2つもあって、身体を引きずって

行ったのだが、

それが災いし、翌日は

ずっと家で寝ていた。


人は寝れるものですね。

しかし、よく考えると、

NYに1年いて、ほとんど風邪は

引かなかった。

東京よりずっと寒いのに。

多分気が張っていたんだろうな。


決して、気が緩んでいたわけでは

ないんだけど、

でも、結果としては、

ウィルスが入りやすい

状態にあったということだ。


健康管理は仕事のうちよね。

今年は、健康第一で、

頑張りたいと思います。


ご迷惑をおかけしたみなさま、

すみませんでした。



ずーっとブログはお休みしていました。

すみません!


その間、関西NGO協議会が主催する、

世界各国からの研修生向けに

「Conflict Resolution」の研修をしたり、

(これは、とっても勉強になりました)

いろいろなところでワークショップしたり、

わたしの働く(NPO)開発教育協会

の25周年記念フォーラムがあったり、

(たくさん、人も集まりました!)

で大忙しでした。


仕事納めは富士山YMCAのEnglish Camp

でした!

立派な富士山を目の前に、

来年もよい年になりそうだな、

と思いました。


それから、12月30日付の朝日新聞に

少しだけ開発教育の説明が掲載されました!

これは、とても画期的なことです!


ニューヨークから1月末に帰ってきて、

あっという間の1年でしたが、
でも、おかげさまで、「対立ワークショップ」

はいろいろなところでやらせていただき、

国内いろいろなところに

行って、頑張っている人に

会えて、元気もたくさんもらえました。


世界のどこにいても、

日本のどこにいても、

ちょっとでもよい社会にするために

頑張っている人がいることが、

なによりの、励みですよね。


対立ワークを学んで、

自分の気持ちや

自分のニーズとじっくり

向き合うことが少しずつ

できるようになりました。


来年は、また、色々な人と

出会い、活動を広げていけたらよいと思っています。


年末に、パキスタンのブット元首相が暗殺される

という、衝撃的な事件がありました。

ショックで声が出ませんでした、

暴力からは暴力しか生まれない。


来年こそは、思いやりや優しさ、想像力、

そして、叡智やネットワーク、などの力が

人々に、そして社会に具わりますように。


心豊かな、2008年にしましょう!

2008年もどうぞよろしくお願いいたします!



CR training in Osaka



9月26日、27日で、非暴力コミュニケーションワークショップ

に参加した。


40人の参加者がみんなで1つのケースを

考える形で進んでいく。

対立の状況を説明する際に、

私たちはつい、その背景や詳細を

説明しがちであるが、

ミキさんはそれは必要ないという。


どの部分で対立しているのか、

具体的になんと言われて、

なんと返したか、というところに注目する。

そして、そのときの気持ちに気づく。

そしてニーズに関しては、

気持ちの原因となっている

相手の行動を変えて欲しい、というのではなく、

私自身のニーズに気づくことが重要である。

例えば、「Aさんに話しを聞いてもらいたい」、

というのではなく、「認めて欲しい」というように。


1日目の最後に自分のケースを

提供してくれたBさんは、

相手に「君の意思決定の仕方は理解できない」

と言われて、対立している例をだした。

そのときの気持ちは悲しい、寂しい、

ニーズは、認めて欲しい、聞いて欲しい、など。


ミキさんは言う。ニーズがたった一つしかないことは

決してなく、複数のニーズの中で

何がもっとも重要かを、自分の深い部分と

つながり、確認する作業が必要だという。


そして、Bさんが出した本当のニーズは

深いつながりであった。

自分とつながって理解したニーズを

相手にお願いするか、どうかは

また、自分に聞いてみる。

相手が聞く準備ができているか?

拒否される準備もあるか?

もしなければ、また自分にもどって、

別の機会を設けるか、考える。


Bさんは、ロールプレイの中で

思い切って相手に聞いてみる。

「私はあなたと、つながりたいと思っている。

私とつながりたいから、そういうことを

いうのかしら?」


相手役の人は、それを受け止めてあげる。

その瞬間、Bさんの頬には涙が流れていた。

とても辛い作業だったけど、

このロールプレイは

大きな一歩だと思う。

会場から拍手が起こった。


非暴力コミュニケーションの仮説にある、

選択肢は自分自身の中にある、

という項目を強く感じた。自分と深くつながること、

そして他者とつながりたいと思うこと、

それは、対立という枠を超えて

人間の深い、そして永遠の欲求なのだろう。




9月26日、27日で、平和省プロジェクト(JUMP)

が主催する「非暴力コミュニケーションワークショップ

(Nonviolent Communication Workshop)」

に参加した。


講師はアメリカで広く非暴力コミュニケーション

の講師を務めているミキ・カシュタン(Miki Kashtan)さん。

ご本人はイスラエル出身だそうだ。


非暴力コミュニケーションについては、

昨年アメリカにいた時に聞いていたので、

一度研修を受けてみたい

と思っていた。


26日は初級編で、参加者は40名ほど。

ミキさんは、日本が初めてで、このワークも

日本では、どのような形で展開できるか、を考える

実験的なワークショップでもある、

ということであった。


最初に、「日本の文化や習慣で合わない、

と思うこと、難しいと思うことがあれば、

どうぞ教えて下さい」と参加者に語りかけた。

そして、最初は隣の人と、

今日、どんなことが学びたいか、

を話し合い、いくつかを共有した。


どんな言葉にも真剣に耳を傾け、

さらに突っ込んだ質問をし、

全身全霊で理解しようという姿勢が伝わってきた。


非暴力コミュニケーションの実践が土台としている仮説

で、特に印象に残ったものは、下記である。


1.全ての人間は同じニーズを共有している

対立はその手段のレベルで起きるのであり、

ニーズのレベルでは起きていない。


2.平和への最短ルートは自分自身とつながること

私たちの平和をつくる力は自分のニーズが満たされているかどうかに

依存しない。たとえ多くのニーズが満たされていなくても、

自分自身とつながるニーズさえ満たされていれば内なる

平和を得るには十分である。


対立が起きたときに、まずは、

客観的に状況説明する(観察)

そして、そのときの気持ちを理解する

そして、そのときのニーズを把握する、

そして、相手にやってほしいことを具体的に

はっきりとお願いする。


その一連の動きを、

相手に対する共感と、自分に対する

共感をもって行なう。


これは、やってみると難しい。

ミキさんは、40人いる中で、

一人のケースをみんなと一緒に

考える事を通して、

観察と主観的説明の違い、

気持ちと考えや解釈の違い、ニーズと、人の行動への批判

の違い、そしてお願いと、要求の違い

を説明していく。


自分の対立のケースを取上げられたAさんは、

周りを気にして「自分の話ばかりで他の人に申し訳ない」

といったが、ミキさんは、「自分を犠牲にしないで、

全体のニーズを考えるのにちょうどよい機会ですね。

Aさんの話をみんなで考えることは

みんなにも平等に学びの機会を与えていると

考えられますが、いかがでしょうか?」

と他の参加者に聞く。


こんな感じで、1日、ほぼ具体的な

ケースのニーズを考える形で

進んでいった。


(明日に続く)