―需要と供給―
交際あるいは結婚。

れは、購買と同じく需要と供給が一致して初めて成立するものである。
一点異なるのは、両者が需要者かつ供給者であるということ。
したがって、双方向に需要と供給が一致する必要があり、これが事態の複雑化を招いている。
供給者として自身を適切に表現すること、需要者として相手に求めるものを明確にすることが、重要なのだろう。
ちなみに筆者はいずれも模索中である…




相手:31歳 大手ゼネコン勤務 横浜国立大学大学院
方法:婚活サイトpairs
場所:品川の手羽先屋さん
衣装:グレーのカーディガン(Vivienne Westwood red label)、ボルドースカート(aquagirl)、ショートコート(Jewel Changes)、バッグ(PRADA)、パンプス(LOVE MOSCHINO)


4人目は、同業者ともいえるゼネコン勤務の方、Y氏である。
筆者の中での優先度が低かったため、LINEのやり取りだけで約3週間引っ張った。
彼の勤務先にほど近い品川駅で待ち合わせ。


Y氏が現れたとき、わたしの予感は的中した。
小さい。
プロフィール上の表記は170cm。しかし、身長158cm+8cmヒールの筆者と目線の高さは等しい。
そう、彼は身長を有効数字2桁で表記したのである。
偽りではない。ただ、有効数字3桁で表現することが通例の身長を、2桁で表示しただけのこと。
おそらく婚活サイトを利用している多くの男性がこの手法を使っていると思われる。


想定の範囲内、気を取り直し歩き出す。
Y氏が食べたいという手羽先屋さんに入店。
彼も例に漏れず、アルコール耐性の低い男性である。


仕事の話やら他愛のない日常会話を経て、話題は好みのタイプへ。
彼の好みはベタに“女性らしい”人だという。

やや上から物を言う傾向のあるY氏。

おそらく、半歩下がって自身を立ててくれる女性を好むのだろう。


???

あなた、筆者の経歴ご存知ですよね??
トウダイリケジョに女性らしさを求めてらしたのですか??
学歴社会において競争を勝ち抜き、消費税率よりも低い女性率の中で生きてきた理系女性が、どうして“女性らしさ”を有することができようか。


彼はおよそ供給の見込みのない市場に商品を求める需要者である。
野菜市場で「新鮮な魚はありませんか?」というようなもの。
やはり相手に求める理想像があるならば、供給のある市場に行かなければならない。
彼の場合、私立女子大卒などの方が、多くの候補がいるに違いない。


「ここは鮮魚市場ではありません。野菜市場です。」


女性らしさについてGoogle検索するなど、ひやかし半分に楽しみ、解散。
需要者として、供給者として、自己分析の必要性を感じた。