ようやく少し落ち着いたので、先日の文金高島田デヴューのことを書いてみます。

「そうだ、京都へ行こう。」と2月に言い出してから7度の京都ゆきを繰り返し、去る9月23日の元スタッフの上野くんの結婚式で初文金を結わせて頂きました。




お天気に恵まれた晴れの良き日。
新郎のてっちゃんの紋服と新婦上野くんの掛下は共にブルー。
いずれも白生地を色指定して染めてもらった縁のオリジナルです。
上野くんが「どうしても着たい!」と言ったレトロな真っ赤な打掛との相性を考えて創作しました。
原色大好きな上野くんらしいコーディネイトです。



こんなにはしゃぎまくる花嫁さんもなかなかいない~、というくらい興奮しまくりの上野くん。



初の文金高島田。



時間内に仕上げ、なんとか形になりました。



しかーーーーーーーーーし、この後事件が。。。。。


なんと、花嫁が挙式の最中に倒れたのでした。


意識を失った為すぐさま、着物を脱がせ、結った髪を全部ほどき、上野は担架に乗せられ病院へ…


あまりのことに騒然となる会場。


残された新郎てっちゃんは、集まってくださったゲストの方々のために独りで披露宴を始めることに。

私とスタッフのクミコさんは、こんな日に倒れてしまった(いつも元気な)上野が、どれだけせつないだろうかとか、こんな状況でてっちゃんが独りで頑張ろうとしている姿を見て、平常心ではとてもいられませんでした。二人とも鼻水グズグズ。
ただただ、上野の無事を祈ることしか出来ませんでした。

披露宴が始まって、一時間ほどした頃でしょうか、「上野の意識が戻って、披露宴に出るために戻って来る!」という連絡を受けました。

さて、困った。文金高島田を結うのに2時間かかったけれど、今はもちろんそんな時間は無い。

出来るだけ早く、お色直し用の引き振袖のヘアを何か作らなくては。

でも、髪は鬢付け油でベトベト状態。

何が出来るか…。


と、悩んでいるところに、上野到着。

「すいませ~~~~~~~~~~~ん!!(泣)」


とにかく、一秒でも早く披露宴会場に花嫁を入場させなくては。


クミコさんに完全に着付けを任せ、私は椅子の上に立って、着付けと同時作業で髪を結い始めました。

「もう、これしかない。」

それは今まで私が何十回、何百回と結って来た新日本髪の丸髷と、鬢付け油の丸髷のMix。

練習していたこととは全く違ったけれど、その場で初めて作ったスタイル。

クミコさんも私も、ものすごい気力を注いで、仕上がるまでにたぶん20分かかっていなかったと思います。

で、出来上がったのがコチラ。



すっかり元気になった上野くんの笑顔。



あまりにドラマチックな入場に、会場も涙、涙。
当然、上野も泣き過ぎてお化粧ボロボロ~、でクミコせんぱいがメイク直し。


しかしまあ、振り返ってみるとよく20分でやれたと思います(・Θ・;)



でも、ものすごく寿命がちぢまる思いでした。

結果、この日の披露宴は想定外にドラマチックなものとなりました。


これからの花嫁さん、くれぐれも睡眠と休養はたっぷりとね。



上野くん、初文金、結わせてくれてありがとう。
そして、最高のパートナーてっちゃんとの結婚おめでとう。


こんなドラマチックな一日を機転を利かせてサポートしてくださった小林樓さんの皆様に心から感謝申し上げます。




さて、この日の文金高島田、なんとか形にはなったものの師匠の技術から比べたらまだまだです。
もっともっと、高いレベルを目指していきます。