「人生は一度きりである。(中略)キャリアとは、一言でいえば“人生の足跡”である。われわれ一人一人がこの世から去る日が来たとき、『自分は十分に人生を生きた、満足した人生だった』という思いで旅立つことができたら、その人のキャリアは、成功と考えてよい」(「改訂 キャリアデザイン概論」社団法人雇用問題研究所)
「(前略)独自のキャリアが展開されるとき、その中心は、“働くこと”といってよいだろう。なぜなら、働くことによって、私たちはしっかりと社会の人々とつながり、自分の個性も発揮でき、生きるための糧も得られる。そして、それらのことを通じて、この世に生きる自らの存在価値や生きがいも、実感できるからである」(同)
前述のように、キャリアは人生の足跡ということであるので、それを積み上げるには、さまざまな方法があることも忘れてはいけません。正社員として働いた経験だけでなく、アルバイト・パート、無償ボランティア、家事・子育て、趣味・習い事なども、目指す職業によっては十分にキャリアに含まれるということなのです。
そして、働くこと(=職業)には、「生計維持」「社会参加」「個性発揮」という3つの目的があり、そのうちのどれに当たるかは人それぞれです。どの目的で働いていても、それはその人の職業であり、本業にもなり得ます。
例えば、人は衣・食・住がないと生きていけません。それらに必要な生計維持のためのお金を稼ぐための手段はもちろん職業です。でも、もしその職業の中で、社会参加や個性発揮が成立しないため、無償ボランティア活動をして社会参加したり、自分の趣味を社会に披露し個性を発揮することも、その人の職業となるのです。そして、それが自身が考える重要度が高い職業であれば、本業ともなり得るのです。
分かりやすい例には、売れる前の芸人を想像してみてください。たいていの芸人は、売れるまで、何らかのバイトをしながら、芸人としての活動をしています。食べるためにバイトをし、最初は芸人としての稼ぎより、バイトの稼ぎの方が多い場合が多いでしょう。
でも、そんな芸人に「あなたの職業は何ですか」ときいた場合、大部分は「(お笑い)芸人です」と答えるのではないでしょうか。バイトをしながら芸の修行をしている人が、「私の職業は飲み屋の店員です」と答える人は少ないかと思います。それは、その芸人が、飲み屋の店員より芸人としての活動を重要だと思っているからなのです。
「生計維持」「社会参加」「個性発揮」のいずれを重要だと判断するかは、人それぞれです。もちろん、全て揃った職業でないと本業とは言えないと考える人もいるでしょう。人生の成功とは、「自分は十分に人生を生きた、満足した人生だった」、つまり、「自分は十分に働き満足を得た人生だった」と思えることであるのです。
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