"Heads I win, tails you lose." | 英語の世界観

英語の世界観

私達はことばを通して世界を見ている。そして使うことばによって、見えてくる世界が異なることがある。英語の世界観とはどのような世界であろうか。普段意識しないことばから、その世界観を探りたい。現在ときどきロンドン記事アップ中♪

今日はユニークな表現を紹介したいと思います。

"Heads I win, tails you lose."です。

どういった場面で使うか想像できますか?

ここでは"heads"と"tails"が何を指しているかが分からないと、場面が見えてこないでしょう。

実は"heads"はコインの「表」を表し、"tails"は「裏」を表します。つまり、コインの上にはじいて、裏か表かで順番や何かを決める時の表現です。

サッカーの先攻後攻を決める時には、審判がコインをはじく場面がよく見られます。

今気付いたことですが、日本語では「裏か表か」と「表か裏か」では、どちらが自然、もしくはよく使いますか?自分の感覚では最初の「裏か表か」です。もしこの感覚が正しければ、英語とは順番が違うことになります。

英語は"Heads or tails?"の順番で、「表か裏か」になります。もし日英で順番が違うのなら、面白い違いだと思います。

では本題の"Heads I win, tails you lose."を見ていきます。

これを訳すと、「表なら私の勝ち、裏ならあなたの負け」となります。

何か気付きませんか?

実はこの表現は、ペテン師が使う表現とも言われているもので、コインがどちらでも私が勝つことになっています。普通であれば、「表なら私の勝ち、裏なら私の負け」となるべきです。でも裏が出ても私の勝ちになるようになっています。

何となく聞いていると騙されそうですが、普通に考えればおかしいことはすぐに分かります。

決まった表現として英語に"Heads I win, tails you lose."があるということは、この表現に引っ掛かった人も多かったのかもしれないですね。

もしコインで何かを決める時があれば注意しましょう。