最近ではあまり使わないでしょうが,小説などでは「後生だから」という言葉を見かけます。
「一生のお願い」に近いような感覚で受け止めますが、どこか古風で差し迫ったような響きがありますね。
本意は「あなたの来生の安楽のために功徳を摘むことだから、このお願いを受けいれてください)」という意味があります。

もともとは、「後生」とは「来生における安楽」「死後に極楽に往生すること」を示しています。肉体が滅び得ても,精神は滅びず、肉体もまた生まれ変わり転変すると思われており、「後生願い」「後生頼み」などは「来生の安寧』を願うものです。

今はすっかり宗教的意味は失った状態で使われています。


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