今日は人工甘味料についてお話します。


人工甘味料(合成甘味料)とは、人の手によって創り出された甘味料です。

最近はいろいろな食品に使われだしています。特に清涼飲料水では

ゼロカロリー商品としてよく見かけます。

たとえば、ゼロカロリーのコーラです。


身近な食べ物からはじめる食品学-コーラ


原材料のところに、

甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムK、スクラロース)

と表記されています。

これらは人工甘味料です。


また、低カロリーの粉末状の甘味料も売られています。


身近な食べ物からはじめる食品学-パルスイート

ここにも、

甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムK)

と表記されています。

人工甘味料が使用されている場合、このように必ずどの物質なのか

表記する義務があります。


まずは、どんな種類があるのか見てみましょう。


■人工甘味料の種類
サッカリン
サッカリンは戦後の砂糖がない時代に広まった人工甘味料です。
筆者はこの甘味料をなめたことはないのですが、舌が痺れるような
後味をもつといわれます。砂糖の500倍程度の甘味度を持ち、
体内で分解されないためカロリーになりません。
いろいろなやり方で化学的に合成され、構造は砂糖とはまったく
異なります。


古い実験結果では発がん性があるとされ、使用禁止となりましたが、
新しい実験結果では発がん性は否定され、使用量に制限はありますが
日本で認可されています。


現在ではサッカリンはこれから説明する甘味料に取って代わられています。



アスパルテーム
安全、危険と議論が分かれているいわくつきの甘味料です。
調べてみると、独立系の研究機関では危険と判断しており、
食べないほうがよいと思われます。


アスパルテームは砂糖の100~200倍程度の甘みをもつとされます。
これは人体で代謝され、一部は吸収されるようです。
具体的には、メタノール、アスパラギン酸、フェニルアラニンに
分解されると説明されます。
アスパラギン酸とフェニルアラニンは通常の食品に含まれる
アミノ酸なので、問題はないと思われます。メタノールは
毒性がありますが、アスパルテームから摂取されるメタノールは
微量とされ、害はないと説明されています。


脳腫瘍や発がん性があるという研究結果が出ては、それを否定する
論文が出るという、消費者にとっては非常にわかりづらい状況に
なっています。


莫大な利益が絡むアスパルテームビジネスのために、消費者の安全が
犠牲にされているという現実が見え隠れしているような気がしてなりません。



スクラロース
砂糖の600倍の甘味度を持つといわれます。
人体では代謝されないのでゼロカロリーです。
砂糖をベースにその一部を塩素に置き換えて生産します。
かたちが砂糖に似ているので、砂糖に近い甘みがあるとされます。
とはいっても、いやな後味が感じられるので、実際の清涼飲料水では
これを隠すようにほかの糖類または甘味料と併用されます。


コーラなどの酸性が強く高圧な環境でも変化が起こらない
安定した性質を持ち、清涼飲料水の長期間保存にも一役かっています。


スクラロースは有機塩素化合物です。有機塩素化合物は天然にはあまり
存在せず、長期にわたって環境に影響を与え続ける汚染物質です。
有機塩素化合物のすべてというわけではありませんが、動植物に対して
強い毒性を持ちます。農薬や殺虫剤の仲間といえばわかりやすいでしょうか。


代謝されにくく、脂肪組織に溶け込み排出されにくいため、
食物連鎖を通して生物濃縮していきます。


スクラロースは長期にわたって摂取し続けた場合の動物への影響が
まだ充分に研究されていませんので、正確なことはいえませんが、
摂取を避けなければいけない甘味料だと思います。



アセスルファムカリウム
砂糖の200倍程度の甘味度を持つといわれます。
砂糖に近い甘みを持ち、アスパルテームやスクラロースの後味を
マスクするととも甘みの相乗効果をねらう目的で組み合わせて使用されます。
この物質については短期的な害はないのだと思いますが、
たいていこれと組み合わされるほうの甘味料が問題になりそうです。




■企業は売れるものを売る
企業は売れるものを積極的に売ろうとします。
もちろん、そこには消費者の需要があるのも事実です。
最近ゼロカロリーの清涼飲料水がもてはやされていますが、
これもカロリーを気にする人が低カロリーのものを
求めているからです。


ゼロカロリーのものは本当に健康によいのでしょうか?
短期的には、カロリー摂取が抑えられるので効果はあるでしょう。
人工甘味料は上で述べたとおり、砂糖の数百倍の甘味度を持ち
添加する量はわずかでよく、それ自体もカロリーが低いからです。


しかし、ずっとそれをとり続けた場合にどうなるかはわかりません。
大量の砂糖を摂取するのと少量の人工甘味料を摂取するのは
どちらが健康に悪いか?という問いにも答えられません。
本当の毒物はごく微量でも害が出ます。微量だから問題ないというのは
理由になりません。それをずっととり続けた場合どうなるのか保証されないからです。
実際に調子が悪くなってしまうかもしれませんし、
体に害のある物質が蓄積されてある日突然発症するかもしれませんし、
舌がばかになって味の不自然さに気づかなくなるかもしれません。



人工甘味料を使用した場合、製造コストが安く済むという
企業側のメリットがあります。甘味度が高いので、わずかに
添加するだけでよく、砂糖よりはるかに安上がりです。
最近の砂糖の高騰を考えればなおさらです。
人工甘味料は独特の不自然な味を持っているので、いかにそれを
砂糖に近づけるか企業が苦心するところです。
スクラロースにアセスルファムKを添加し、より味を自然にするために
ぶどう糖液糖、砂糖を加えるといった感じです。


言い換えれば、ある商品をどうすれば消費者に受け入れてもらえるか、
そしてそれをいかに安く製造するか、を目標にしています。
食品添加物が認可されれば企業はそれを積極的に使ってきます。


売られているものは安全と信じ込まずに、表示を確認して
自分の判断で安全なものを選んでいきましょう。



次回はホットケーキについてお話します。



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