BMW 118i 試乗記(その2) | M3遣いのブログ

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ライカではなく、BMWのほうです(^^ゞ
日々想うことをまったりと・・・

BMW118i(Style)の試乗記第2回になります。

今回は、クルマの基本要素(走る・曲がる・止まる)を中心に書いてみます。

★まず、発進・加速(走る)について

乗り込んでポジションを合わせエンジンをかける。始動はもちろんプッシュスタートでキーはポケットの中。

最初にブルルンッとやや大きい音と振動があるが、エンジンがかかった後のアイドリングは静かで振動もない。

メーターパネル中央は、マルチインフォメーションディスプレイになっていて、通常はエネルギー回生システムの稼動グラフが表示されている。

発進加速はマイルドで、国産車のように元気良く飛び出すような感覚はなく、あくまでも滑らか。また、8速トルコンATの所作はスムーズで、変速時のショックも感じられない。

日頃420馬力の蜜柑号に乗り慣れているせいか、やはり非力(136馬力)なのは否めないなと思っていたけれど、ドライブモード3段(ECO・CONFORT・SPORT)のうちスポーツに切り換えてみると、眠っていたエンジンが目を覚ましたように活発になり、発進加速でも中間加速でも不満を感じることはない。

試乗車はMスポーツではないのでステアリングにパドルシフトはなく、マニュアル操作のためにはシフトレバーを倒して切り換える必要がある。以前乗っていた320iと一緒(電子式に変わったけど)で懐かしい。

一定速度をキープしたままマニュアル操作でギアを変えてみました。

4,000回転ほどまで上げても音や振動は気にならない。加速時のターボラグもなく、ターボ過給であることを忘れてしまいそう。

ちなみに100km/h巡航時の回転数は1,700rpm。燃費重視志向のハイギアード設定だけど、踏めばちゃんと加速してくれるから問題はない。

市街地走行での中間加速(40km/hあたりから踏む)でも、ペダル操作に対する反応は素早く、イメージ通りに気持ちよく加速してくれる。

望外、といっては失礼だけど、軽快にきびきび走る良いエンジンだと思います。



★次は操舵(曲がる)について。

直進状態でのステアリングの中立はどっしりとしており、EPS(電動パワステ)の動作にも違和感はない。

しかし、ステア操作に対するクルマの挙動は、良く言えばマイルド、悪く言えばもっさり。

ドライビングの気持ち良さを阻害するほどまではないけれど、操舵に対してひと呼吸遅れて挙動がついて来る感じが終始つきまとう。

これは、ファミリーユースを想定しクイックさを排した確信的な設定なのか、タイヤ(+柔らかめのサス)によるフィールの混濁なのかは不明。

サスペンションの感触は、標準車でもあり、スポーツ走行を念頭に置いたグレードではないためキビキビとは言えないけれど、よく動く快適な味付けです。

シートと同様、「硬すぎず、柔らかすぎず」という表現がぴったり。駆動輪である後輪に高価なマルチリンクを奢るアドバンテージはやはり大きい。

自宅周辺の道路は舗装が古くかなり凹凸が激しいけど、別の新しい舗装路を走っているような錯覚に陥る。

それにしても、自分のド素人レベルの知識と貧弱なボキャブラリー、表現力の無さを痛感します。もう少ししっかりメカニズムについて勉強したい。



アイドリングストップについて。

M3と比較すると、かなり頻繁に作動して多少わずらわしいと感じる。MT車とAT車の違いも影響しているかもしれない。機能カットボタンも付いてはいるけど、エンジンスタートボタンと一体なので走行中には操作しづらいし、デフォルトでオフにはできないので微妙。

また、再始動時の振動がやや大きい。これは、直4エンジンであることと、エントリーグレードであることを考えれば、仕方ないところかな。



★三要素の最後、ブレーキ(止まる)について。

ブレーキについては、多少苦言を呈したい。

フィールが甘く、踏力に比例した十分な制動力を出してくれているとは言いがたい。

もちろん、M3のブレーキと比較するのは酷だろうけれど、走りを標榜するBMWならば、たとえエントリーグレードであってももう少しやれるはず。

また、ちょっと気になることが。

今回の118iはM3作業入庫の際の代車として借り、およそ一週間日常使用したので、お世話になった感謝の気持ちを込めて洗車して返却しました。

洗車の際にホイールを清掃してみて「あれっ?」と思ったこと。

ホイールにブレーキダストの付着がほとんどない。

BMWは、必要とされるブレーキ性能を確保するための妥協はしない・・・はず。

基本的にディスクもパッドも「削って止める」思想のあちら(欧州)では、ダストが盛大に出てホイールを汚したり、ブレーキが鳴いたりするのは当たり前。

しかし、一週間乗り回してダストが付いていないということは、パッドがダストの出にくい「日本仕様」に変えられている可能性がある。

もしこのことがブレーキフィールが芳しくないことに影響しているとしたら、とても残念に思います。




ここで、乗っていてちょっと面白かったエピソードをひとつ。

都市高速道路(2車線だけど右側は追越車線ではなく、両方とも走行車線)の右側を走っていたら、後ろからかなりのスピードでブルーのクルマが近づいてきました。

パッシングこそされなかったけど、「早くどいてくれ」オーラを感じたのですぐに左車線によけたら、右横を風のように追い抜いていったのはWRブルーに身を包んだスバルインプレッサWRX(GC8)。

そう、「頭文字D」で、主人公藤原拓海の親父さんの愛車だった4WDのモンスターマシンです。

ちょっと面白そうだなと思って後ろからついていってみることに。

BMWとはいっても非力な1.5L直4エンジン。あっという間にインプは視界の彼方に。

・・・と思ったら、高速巡航していたインプにほどなく追い着き、コーナーではみるみる差が詰まってしまった。

インプは左車線に移る。結果的に、118iがインプレッサWRXに道を譲られてしまったのでした。

いや、けっして煽ったりはしていません。向こうのドライバーさんもびっくりしたんじゃないかな。

以前のブログ(「M235i試乗記」)のメーターパネルのくだりで、非力な1シリーズのことを「どう考えても200km/h出ないっしょ!」と書いてしまってコメントでお叱りを受けたけど、今回の件で深く納得しました。

自動車文化の彼我(欧州と日本)の違いをあらためて実感します。国産車は、あくまで100km/h+αの日本の道路事情を前提に設計・製造される。

その一方でBMWをはじめとする欧州車は、速度制限のないアウトバーンを安全に走らせるため(超高速を出すためという意味ではありません)に、ファミリーカーやエントリーグレードであっても走行性能や安全装備で妥協はできない。



続きは次回に書きます。つくづく文章力のなさを痛感します。もう少し簡潔に書けないものか・・・すみません。


それにしても、今回の大雪には参っています。身動きがとれない・・・