愛車遍歴(その17)BMW_M3(2) | M3遣いのブログ

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ライカではなく、BMWのほうです(^^ゞ
日々想うことをまったりと・・・


今日のテーマ
「なぜ、E46_M3なのか」


少し前に、ディーラー入庫の際に代車が出ることになり、M3の代車として来たのが、日産フーガのハイブリッド(3500cc+モーター)。私はそれに、「シロナガスクジラちゃん」とあだ名をつけて、二週間ほど乗り回し、週末には遠出も。


まー、M3に比べると、静かで、乗り心地抜群。いつものデコボコ道が、舗装したての真っ平らに感じられるほど。おそらく、パワーもトルクも、M3に遜色ないくらいあるはず。


でも、運転してて、ぜんぜん楽しくない。例えていえば、「自動車」に乗って移動してる感じ。え?M3もフーガも紛れもない自動車ですけどって。私が言いたいのは、フーガは「自動で動く、タイヤがついたキカイ」ってこと。あれは、もはやクルマではない。


M3にも、電子デバイスは、たくさん入ってる。LSD*1連動のDSC*2も、ABS*3も、スロットル*4さえ、フライバイワイヤ*5。辛うじて、パワステだけは電子制御ではなく、油圧式。


でも、めっちゃ楽しい。すみません、読んでる人完全に置いてきぼりなので、ご勘弁を。BMWが異常なまでにこだわる前後50:50の重量配分(ちなみにM3は49:51)。運転を楽しむためだけにデザインされた内外装。感覚と実際の完全な一致。まさに、人馬一体ならぬ人車一体を体現した、最後のBMW車。


なぜ、「最後」なのか?次の世代のE92_M3は、他社とのパワー競争に対抗すべく、ついに伝統の直6を捨て、4000ccV8エンジンを搭載。420馬力の重たいモンスターを制御するため、電子デバイスも倍増し、M3も「電制まみれ」になってしまった。おそらく、まもなく日本にも導入される、F80系_M3&M4はなおさら。しかも、ダウンサイジングの波を受けて、ついにM3にも過給器(ツインターボ)が搭載。


ドライバーが無茶しようとしても、クルマのほうがセンサーを駆使してそれを察知して、満載の電子デバイスによって安定を保ってくれる。より安全な車を目指す、その方向性は、間違ってはいない。


でも、クルマは、運転そのものを楽しむものだと僕は信じています。だから、ドライバーの操作が、良くも悪くもきちんとクルマの挙動として結果に反映されてほしい。うまく操作できなければ、挙動が不安定になったり、お尻を振ってしまうかもしれない。でも、ドライバーの技量の向上でそれを克服していく過程をこそ、楽しみたい。


BMWが、一貫して掲げ続けている、クルマ作りの有名なスローガン。
「Freude am Fahren(駆け抜ける歓び)」(もちろん、僕のM3のリアウインドウにも)


E46_M3は、それが真の意味で味わえる、おそらく最後のクルマです。E46_M3の最終型は、2005年。体験できるチャンスとして残された時間は決して多くはない。あと、探すならSMGⅡ*6ではなく、ぜひ6MTで!



*1:LSD リミテッドスリップデフ。旋回の際に駆動輪の左右トルク配分を変更して、より安定した挙動を生み出す装置
*2:DSC ダイナミックスタビリティコントロール さまざまなセンサーや各種デバイスを統合制御して、クルマの横滑りなどを防止する装置
*3:ABS アンチロックブレーキシステム ブレーキの効きを電子制御して、タイヤがロックしないようにし、制動力を最大限発揮させる装置
*4:スロットル 燃料噴射制御装置=アクセルと繋がっている
*5:フライバイワイヤ アクセルペダルがスロットルと直結されておらず、アクセルペダルの踏力を電気信号に変換して、燃料噴射をコンピュータ制御すること

*6:SMG シーケンシャルマニュアルギア 一般的なオートマ(AT)とは異なり、通常のギアボックスを自動化したシステムのこと。変速スピードはMTより早いが、シングルクラッチなので、変速ショックがある。現在は、ダブルクラッチのDCT(ダブルクラッチトランスミッション)が主流。