つい最近、スーパーモデルコンテストを開催しているいう噂を聞き
さっそくチェックさせていただきました。



「Deja vu international」

http://dejavu-intl.com/contest/japanese.html


世界中から参加者を募ったグローバルなコンテストということで
世界は広いなぁと、のん気に思っていたら、なんと主催者は日本人ということでビックリです。
日本が発信で世界を舞台にモデルコンテストをするなんて、
「SLの本領発揮&ミスユニバースがSLで」と色々と楽しそうな思案が浮かんできました。


本日はそのコンテストの主催者SLファッション誌「Déjà vu international」とSLモデル事務所「L'HOMME et LA FEMME models 」を
運営されているDaije Yiyuanさんにお話をお伺いしました。
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emo8889 Xeno: では改めて、ファッション情報雑誌「Déjà vu international」(以下 Déjà vu)の

ご紹介をお願いします。


Daije Yiyuan: Déjà vuは、もとは全て白いページ。
それを皆さんの「自由」「希望」「挑戦」で描いていくというファッション情報雑誌です。
現在、世界51カ国の読者を迎えています。


そしてSIMのボーダーを超え、国を超え、そしてSLとRLのボーダーを超え、やがては
グローバルな新しい概念と時代の中で生まれる「魂」を、

この雑誌を通してみなさんと共有出来る場所にしたいと願っています。



http://dejavu-intl.com/japanese.html


emo8889 Xeno: ちなみにSLを始めたきっかけは?


Daije Yiyuan: 2006年末、渋谷にある某クラブで外人アーティストのケアーを勤める知り合いから、
「セカンドライフを調べてほしい」と言われたのが最初でした。
間もなく、アメリカで個人の女性(認識が間違っていたらすみません)が
「セカンドライフで1億円近く稼いだ」というニュースを聞いて、
「セカンドライフってなんだろう?」とさらに引きずり込まれました(笑)

フリーでプロモーション業を営む私にとって
この「セカンドライフ」は商売ツールとして使えるか?という好奇心から始めました。


emo8889 Xeno: 実際、好奇心から始めて、どうでしたか?


Daije Yiyuan: セカンドライフを通して、事業としての確立が現実的に可能なのか?
その可能性をまず分析したいという前提がありました。
そしてなによりも、まず、ユーザーの目線はセカンドライフというソフトを介して
どの国の人もこの「セカンドライフ」の世界に目を向けているということでした。


そこではまさにグローバルな時間共有が可能な世界で、
そして流通するお金がドルに出来るというシステムにも驚きました。
ただしリンデンドルの貨幣価値は低くまだまだ発展途上だなと思いましたが、
これはチャンスだと思いました。



「現実と変わらないシビアさがあると思いました」

emo8889 Xeno: グローバルな時間共有という感覚はSLの強みですよね。


Daije Yiyuan: 最初にSLに入った時は単独で、

異国に一人で旅に出た時と同じようなドキドキ感がありました。
アバターを介した素性の知れない人がいたる所に存在し、
その人達に話しかける勇気や行動力によって、
世界の在り方から広がり方が作られていくのだと思いました。


そして目的を持っているのと持たないのとでは、会話の広がりに左右するほど
現実と変わらないシビアさがあると思いました。
また、ヴァーチャルだけど空を飛べるというのが面白いと思いました。


emo8889 Xeno: そしてそれから本格的に活動を始めるわけですね。


Daije Yiyuan: まず始めに、これまでの活動は全て
「セカンドライフに時間を費やした分の労力、投資は現実に必ず持って帰る」という理念があります(笑)

まず、2007年2月の初登録から間もなく島を購入しました。

ドメインと同じように良い名前は既に獲得されていました。


海外にも分かる日本の地名をいくつかあげ、

「日光」「鎌倉」などの候補から最後はローマ字での綴りが分かりやすい「kamakura」と命名しました。


http://slurl.com/secondlife/kamakura/128/128/0


深夜を通してもの作りやスクリプトを勉強しました。

鎌倉に住むとある方から「鎌倉世界遺産登録推奨運動」にkamakuraを使わないか?という、

ご提案をいただき、今のところ進捗はないですが、「セカンドライフって面白いな!」というキッカケにもなりました。


emo8889 Xeno: kamakura SIMはそれからどのように作られていったのですか?


Daije Yiyuan: 島を購入した以上、手段問わずどうにかしてでもこのスペースを
活躍させないといけませんでしたので、迷いなくターゲットを世界にしようと思いました。
だってセカンドライフの醍醐味、グローバル性を素直にいかすなら尚更と思ったからです。


それからkamakuraの利用方法を考えました。大衆性は大前提で、
まずこの世界では何が必要とされるだろうか?それらを得て次はどうしたいのだろうか?
そして最後は結局どうしたいのだろうか?それを基にコンテンツを組み立てていこうと思いました。


emo8889 Xeno: なるほど、それでモデル事務所「L'HOMME et LA FEMME models 」ですね。


Daije Yiyuan: 4月に「L'HOMME et LA FEMME models 」モデル事務所を開設しました。
多くのアバターはすでにユーザーさんの愛情が注がれ活躍の場所を探していると思ったのと、
広告に関してしては、多くのデザイナーさんが自らをモデルにしてイメージ作成をしているので、
仕事の需要はあまりないと思いました。
だったら自分たち仕事を作り発信していくしかない訳ですよね。それで雑誌を作ろうと思いました。


emo8889 Xeno: 沢山の選択の中で何故モデル事務所を開設しようと思ったのですか?


Daije Yiyuan:投資して育てたアバターを今度は収入に繋げたい。
みんなに自分のアバターを見せたい、
という主張をflickerや色々なサイトを見て感じたからです。
音楽やムービーの作成に比べ敷居が低く誰もが参加しやすいと思ったのも理由です。


emo8889 Xeno: モデル事務所「L'HOMME et LA FEMME models 」の

コンセプトを含めたPRをお願いします。


Daije Yiyuan: Second Styleなどに登場するモデルさんはとても厳選されていて、
セカンドライフにそこそこ滞在した人でないと、あそこまでのアバターのレベルに到達できないと思いました。
そこでワールドワイドでやるということは、色んな文化性や美的価値観が介在することとなるでしょうし、
そういった意味でまずはなんでもあり、ただし「出たい」意識の強い人たちが主に所属しています。


事を興すにはモチベーションの高さが全ての鍵を握ります。
だからここにいる人たちの大半は飛び込みでいらした方です。

そして事務所の名前はフランス語ですが、ファッションは世界規模で見た場合、
やはりNYC, Paris, Milano, London, Tokyoとなりますので、歴史ある美意識高いフランスにすがってフランス語にしました。(笑)


emo8889 Xeno: モデルさんも自らスカウトされていたのですよね。


Daije Yiyuan: MAD agencyに行ったり、歩いている人にも、良いと思う方々みなさんにIMを送りました。



http://universal-mode.com/


他にもSLMAMEにてOKARINA YOSHIKAWAさんKAIRI CATTENEOのブログ開設 http://typ.slmame.com/
BLOG SPOT にて ARIANA RUSHさん(英語)のブログ開始 http://dejavu-intl.blogspot.com/
BLOG SPOT にて ANTONELLA MUNROさん(スペイン語)のブログ開始 http://dejavu-intl-spanish.blogspot.com/   


emo8889 Xeno: 沢山のモデルが一覧で見られますね。


Daije Yiyuan: Webを立ちあげることは所属するモデルたちのモチベーションを高めていくのに必要ですし、
何よりモデル達の努力をきちんと伝えていくことも大事です。
そしてコツコツと一人ずつ撮影してホームページに写真を足していきました。
所属しているモデルを手軽に全員閲覧できるのはうちの事務所だけだと思います。


仕事が無い訳ですから、撮影をしてモデルたちのモチベーションや関心を保つ努力をしました。
同時期、ショーを行う会場を開設したり、事務所を設置したり、そして撮影スタジオを作りました。

そして8月に、大きな2つの出会いがありました。Koumia Bellah(カナダ)とMinnu Palen(クロアチア)です。
二人ともスカウトしたモデルです。


Minnu Palenは今、徐々にその知名度を上げて来ている「Minnu Model Skins」のクリエーターで、
彼女が作るスキンのクオリティーはご覧の通りで、私はSLイチだと思います。

いつかはMinnuのデザインするスキンが、どこかのRL大手メーカーの広告になって、
そして自分達の作る雑誌を始め、世に出るのではないかと可能性を感じています。


emo8889 Xeno: 素晴らしいクオリティーですよね。


Daije Yiyuan: 雑誌の構想が徐々に膨らみ始め、この頃、RLでの出版!と目標を大きく掲げ、
その大きな目標こそがMinnuを初め、モデルたちのモチベーションに繋がるようになりました。


Koumia Bellahは写真撮影やウェブの構築を手伝ってくれたり、
そして何よりRL創刊を信じて色々とサポートしてくれる大事な人となりました。
個性を大事にするKoumiaはMinnuのスキン装着に長いこと抵抗し着用しませんでしたが、
ようやくその素晴らしさを認めて着るようになりました。。。



「RL出版を目標にするSOULを忘れないように Déjà vu international」

emo8889 Xeno: 世界各国のモデルの方が集まると楽しいエピソードがありそうですね。


Daije Yiyuan: 国々での民族性がでて、たとえばイタリアの方は

女性でもわりと性の話をオープンにしますlol
ただワールドワイドでもここにいる方の目的意識はさほど違いはありません。
そういった意味で話は早いところでありますし、
またワールドワイドさがまたみんなの意識を高めている大きな要素でもあると思います。


ただし、コミュニケーションをとるうえで時差がやはり大きく影響し、
一つのプロジェクトを完結するのに、余分な時間をとられてしまいます。


emo8889 Xeno: なるほど、ではそれからはどういった活動をされていたのでしょうか?


Daije Yiyuan: 9月には、デザイン業をするSC Tracy(NYC)が加わり、

ようやく雑誌の制作を始めるようになりました。
まずは読者を増やして、知名度を高めるというショートスパンの目標を設定し、
無料で見れる、広告掲載料無料、読者投稿、ウェブサイトの立ち上げ、イエローページの組み込み、
それはそれは面白い程やることがありました。


emo8889 Xeno: とても忙しそうですね。


Daije Yiyuan: モデル事務所のモデル達を集めてオーディションをしたり、
過去インドに行った時の写真を引っ張り出して"travel"を構成したり、そのプロセスはRL並みの仕事量でした。
RLでの仕事も気違いじみた量で、このままでは長続きしないと思い、

思考した結果、モデルたちに宿題をやっていただくというシステムにしました。


それは経費を渡し、コンセプトを基に好きにアイテムを買って、着て、撮影をして、

アイテムリストを送っていただくというやり方です。
みんな自由性を奨励してくれてどんどん写真とリストを上げて来てくれました。


emo8889 Xeno: 例えばどんなものを?


Daije Yiyuan: Kora Zenovka( サンフランシスコ)は映画好き。前回はタランティーノのKILL BILLを。

季節に合わせたボールルームでのダンスコスチュームや、宝石をフィチャーしたものなど。

ほかにもKylie Ohはフランスでの職業を活かして料理レシピを、


あるときJCNY COLLECTION のJD Hansenと知り合いSecond Styleの存在を知り、
それを見て活字での言葉のボーダーを無くそうと写真中心の雑誌にしようと思いました。
そして、RL出版を目標にするSOULを忘れないように「Déjà vu」
インターナショナルとし、10月7日に創刊。


emo8889 Xeno: 創刊後、外からの反響やご自身が改めて感じた事等はありますでしょうか?


Daije Yiyuan: 時間を重ねて行くごとに写真の質を高めながら、
大衆性を保つ意識が強くなっていきます。
みなさんご自身が関わることでdejaの存在価値も発生すると考えているので、メジャー、初心者とわず、
皆さんが参加できるように入り口を多く持たせています。


ただし、雑誌のブランド性を意識するほど、コンテンツや雑誌自身の在り方、公平性や信頼、
それらのクオリティーを保たないと逆にクライアントさんや読者さんの信頼を得られないとも思っています。
そういった意味で、その重みは本業の仕事に負けない責任ですlol


emo8889 Xeno: 「みなさんが参加できる入り口」これは具体的にはどういった?


Daije Yiyuan: 聞いた話では、ETD, SECDONDSTYLE, LAST CALLなど

メジャーとよばれるお店があるようですが、
彼らとコラボレートするにはメジャーに認められないとできないとか、、、。


この世界ならではのルールがあるようですが、そこに沿ってやってしまうと大衆性が損なわれてしまいます。
お店の規模に関係無く、また経験の長さ関係なく、どんな方でもDéjà vuに広告などを出していただけるように、
またファッション好きの方自身のセルフポートレートを投稿していただいたり。詩、写真なんでも思いつくことで利用していただければと思っています。


emo8889 Xeno: 近日ではモデルコンテストも開催されてらっしゃいますよね。


Daije Yiyuan: 11月にモデルコンテスト開催しました。
STYLES OF EDO, JCNY Collection, MINNU MODEL SKINS, MIMIKRI HOT COUTURE,

MUISMをスポンサーに迎えて、Déjà vuホームページ上での投票型コンテストを開催しました。


emo8889 Xeno: コンテストを開催しようと思った理由は何でしょうか?


Daije Yiyuan: モデル発掘をしたいという目的と、Déjà vuのプロモーションをする上で、
皆さんが参加出来てより楽しめるのはこれが一番と思いました。
またDéjà vuのホームページの利用性を高めていくことも考えて、投票をweb上でおこないました。
またそうすることでsecond Lifeをやったことが無い人でも見ていただけると思ったからです。


しかしこのコンテストでは「投票数で勝者を決める」という運営システムに疑問の声があがり、やがては
「人気性(友達の多さ)と美的性(友人の多さに関係無く純粋な美しさ)間でなにをもって評価をくだすのか?」
と論争にまで発展しました。大衆をまとめる難しさに胃を痛めました。


emo8889 Xeno: 論争が発生したのですか?


Daije Yiyuan: 完成度の低いアバター、たとえば大げさをいうとセカンドライフを始めたばかりの最初の姿でも、
友達が多ければその分得る投票数だけで優勝出来てしまう可能性があるわけです。
また別ではクリエーションやSIMのデベロップに忙しく友達も少ないのに、

アバターの完成度が実に高い人もいる訳です。
その中で投票数だけで勝者を決めるのが、「モデルコンテスト」では公平でないということだったのです。


emo8889 Xeno: ではどういうルールに?


Daije Yiyuan: コンテスト参加者含め、投票者にもどういった方法を取ることがフェアーなのかを聞かせて頂き、
その中で主催者が勝者を選択するのが一番公正だという声が圧倒的でした。
ただ、一度はコンテストをストップしてしまい、皆さんの盛り上がりを下げてしまったので賞を増やし、
更に盛り上げるようにも気を使わせていただきました。


emo8889 Xeno: 賞を増やしたのですね。


Daije Yiyuan: 賞は最高投票獲得賞(各男女1名ずつ)
MUISM賞、Styles of edo賞。ご存知edoさんが選ぶモデル(各男女1名ずつ)
mimikri賞 mimikri kit が選ぶモデル。


最高賞はMinnu palen (minnu models skins) Bambi63 Luhera (the closet)
そしてわたしがまず最終選考に残る3人を選びます。
そしてL'HOMME et LA FEMMEのmen’s divisionのdirectorである

SC TRACYがその中から最優秀者を男女1名ずつ選びます。
勝者への贈呈品もふやしました。


emo8889 Xeno: どれくらいの投票があったのですか?


Daije Yiyuan: 最後は18,591人の投票を得て、無事に終わりました。
現実の世界でおこなわれる投票数(アメリカンアイドルなど)で公表される数字に比べると、
実質ビジネスとして考えた場合厳しいと思いましたが、
この時期にて得た投票数として、それだけの活気を感じられたのは大きな感動でした。
それだけ皆さんの興味があって、更に何かを皆さんとやっていけるという手応えを感じさせていただけました。



「未来への鍵はセカンドライフの中の魅力ある人達が確実に握っている」

emo8889 Xeno: 今後はどのような活動を予定されていますでしょうか?


Daije Yiyuan: 12月に予定しているJCNY COLLECTION主催コンテストでは
これまでのスポンサーSECOND STYLEに代わりDéjà vuがスポンサーになり、
来年、SC TRACYをディレクターとして迎え入れて「DVIM(Déjà Vu International for Men)」を創刊します。
こちらは月刊でなく年間4冊を出す予定です。


また、必ずやりたい事があります。創刊号をRLでプリントすることで、
(なかなかそちらに手が回らないのが残念ですが)
出来ればこの12月のクリスマスにまで間に合わせたいと思っています。




そして、雑誌の企画の中で数冊を読者にプレゼントしたいと思っています。
夢が広がるし、是非やりたいです!
今リクルート求人誌に雑誌制作スタッフの募集をかけています。


emo8889 Xeno: 今思う、SLへの感想、そして感じている魅力を教えてください。


Daije Yiyuan: 素晴らしいタレント性のある人たちに巡り合えた場所です。
利益還元の現実性についてはまだまだ壁が厚いです。
けれども、その将来への鍵はセカンドライフの世界の中にいる、

魅力ある人達が確実に握っていると思いました。


emo8889 Xeno: 最後に読者の方にメッセージをお願いします。


Daije Yiyuan: セカンドライフをセカンドライフだけにとどめない夢を私は持ちたいです。
このセカンドライフの真の活用性を高めていく為には、

セカンドライフの利用者を増やしていかないといけませんし、
やりたいと思わせるコンテンツを作っていかないといけないと思います。


セカンドライフに費やした時間が現実に還元されるような、現実的でそして夢があって、便利で。

今実際にRLでお店をお持ちになって、商品プロモートをSLで行い、
RLでの販売を伸ばそうと思っている方がいれば、是非コラボレートさせて頂きたいと思いますし、
なんでも試せるので、なんでも一緒に挑戦していきたいです。


emo8889 Xeno: ありがとうございました!
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SLの情報誌をRLで出版するという目標の元、日本の方が中心になって世界中のユーザーと繋がり
活動しているという事にとても感心しましたし、将来が非常に楽しみでもあります。
また「L'HOMME et LA FEMME models 」のモデルをチェックしていると、本当に綺麗な人が
いるんだと改めて思い知りました。


公式サイトからはdeja vuのPDFがダウンロードできるので
私も入手して印刷をしてみましたが、本当にRLの雑誌に負けないくらいのクオリティで
見ていて非常に楽しかったです。
是非みなさんもこのDéjà vuを見てください、きっとSLの美を改めて感じる事でしょう!