SLをプレイしている日本人の大多数は日本人運営SIMで店を作り
そこから世界に羽ばたいていてきます。
MagSLやメタバーズ等のお陰で、それだけ日本語で楽しめる環境が整ってきたという事でしょう。


しかしSLにマニュアルがありません。
始めてからずっと海外で活躍され、現在も海外市場で大活躍されてらっしゃる方がいます。


今回はSLでも世界的に有名なモール等を中心に活躍されているクリエイター、
edo Toneさんにお話をお伺いしました。
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emo8889 Xeno: まず最初にSL始めたきっかけをお願いします。


edo Tone: 昨年の11月から12月にリアルの仕事がかなりキツイ中、
偶然、R25 でSLを知って始めました。
といっても南国の島でリフレッシュしたかったんですがw

そのせいか、SLに来て3ヶ月は不動産の売買だけで儲けて遊んでました。


最初は512sqmの土地を買って、土地を転がして、
あっという間に大きな土地を手に入れて、プライベートビーチでゴロゴロの毎日でしたよw



http://slurl.com/secondlife/Chuginadak/149/198/21
その結果がこの島です。


emo8889 Xeno: 最初SLにはどんな印象を持ちましたか?


edo Tone: 私は日本の島が沢山出来る前にSLに来ましたので、
外人の中での毎日で、刺激一杯の日々でした。
でも英語がさびついていたので、アメリカ人のスラングとの戦いでした。


実際RLでアメリカ人のコテコテのスラングを経験したことなかったですし、
それに何もわからないSLですから、必死で英語を話して教えてもらいましたよ。
そのうち、ヨーロッパ人と話した方が英語の勉強になることがわかりましたので、
当時からヨーロッパ人と話す機会も多かったですね。


emo8889 Xeno: それは何故でしょうか?


edo Tone: ヨーロッパ人のほとんどが英語が母国語じゃないから、
教科書どおりの英語を話そうとしてくれるので、こちらもわかりやすいんですよね
その経験が、今SLビジネスで役立っています。
ヨーロッパ人の母国語が英語じゃないという認識はかなり大事ですね。


emo8889 Xeno: SLでは英語力も重要ですからね。


edo Tone: edo Tone: 僕は英語はまあまあで、その他はちょっぴりしか話せないんですが、
それでも、トライして話すことに抵抗ないんです。
以前、うっかりポーランド人にドイツ語で挨拶をして、ものすごく怒られたことがあるんですよ。

その時は「申し訳ない!」と言う気持ちになりました。

でもそれでかえって仲良くなりました。トライ アンド エラーですよね。



「ひと月の売り上げは1000L$弱で、悲惨でしたw」

emo8889 Xeno: お店を始める経緯を教えてください。


edo Tone: 最初の3ヶ月は遊びほうけていました。
土地の売買でお金と土地は得るんですが、なんだけ空しくなって、
元々、物を作るのが好きなので、婦人服を作ることにしたんです。


emo8889 Xeno: それが「Styles of edo」の始まりですね。



http://slurl.com/secondlife/Chuginadak/149/198/21

edo Tone: 最初は小さな店の一角に1つのベンダーを置いて商売を始めまして、
そこで、LATEX作りのアメリカ人に、SLでのビジネスを学びました。
彼女が教えてくれたのは、SLでのビジネスのノウハウで、
店での接客とか、どのくらいの収入があれば1人前だとかね。
彼女はその時点で月10万L$ありましたから、それが数ヶ月間の目標でした。


それで、とにかく服を作る、物を売るためにはどうしたら良いかを考え、
店をモールに出すことにしたんです。


emo8889 Xeno: 最初は売り上げが気になる所ですね。


edo Tone: その時点では儲けてなかったんですが、服を売るチャンスを作らなきゃいけないので、
あっという間に3つのモールに店を出したんですが、売れないものは売れないですよねーw
それでモールに店を出して引っ込めてを繰り返し、
1ヶ月が過ぎたんですが、ひと月の売り上げは1000L$弱で、悲惨でしたw

emo8889 Xeno: 辛いですねw


edo Tone: でも、そういう悔しい思いなんて英語で誰に話すこともできず、
とにかくコツコツとやっていて、お客さんと話すうちに、店の看板にモットーを書けとか、
ターゲットをしぼって服を作れと言われまして、ドレスを作るようになったんです。
日本で言うワンピースですけどね。


emo8889 Xeno: あの白いワンピースですね。




edo Tone: それが当たりました!
あれはDiorの今春のイメージで作ったんですが、
ひと月1000も稼げなかった人間が、毎日1枚売れると嬉しいんですよぉーw


そうしている内に、収支が取れるようになりまして、
そこから婦人服はSLではハードだから、メンズを作ってはどうかというアドバイスを受けて、
ブラックスーツを作り、それがメンズ、レディースともに当たって、Motomachi SIMに凱旋したわけです。


emo8889 Xeno: このスーツのコンセプトは何でしょうか?




edo Tone: SLのスーツには以前から違和感があったんですよ。
私はリアルで毎日をスーツを着ていますし、ポールスミスとかアクアスキュータムを着てて、
こだわりがあるんですよね。
でもSLで売っているスーツのほとんどが、毎日、スーツを着てない人が作っています!
これは言いきれます。


emo8889 Xeno: それは何故?


edo Tone: SLで良いスーツはいくつかありますが、女性が作っているものが多いですね。
男性がスーツを着て気にする部分と女性が気にする部分って違うんです。


emo8889 Xeno: 確かにそうかもしれませんよね。


edo Tone: あと、スーツは「襟」と着心地が全てなんですが、SLのスーツは、ほとんどが直線で作られてますよね?
たしかに、その方が合わせは楽ですし、すっきりしますし線もいい線が出ますが、
柔らかさはないですし、「そんなスーツはないだろー!」って感じのものが多いですw


そして、ほとんどのスーツ丈がツンツルテンですよね。
ジャケットで丈をカバーしきれない仕様上の弱点が災いしてるんですが、
それを私はスカートを作って、カバーするようにしました。
それでも違和感はあるんですが。


emo8889 Xeno: ラインも凄く自然ですよね。


edo Tone: あとはラインは全てフリーハンドで書くようにしています。
うちのスーツは左右対称じゃないですし、合わせもギリギリなんです。
「このくらいなら許せるかなー」って感じでしょうかw
それでも、直線でギスギスしたスーツは作りたくないわけです。
おかげさまで、かなりスーツはフランス人対象に売れていますが、
まだ自信のない部分はスーツに書いてないんです。


emo8889 Xeno: 例えばどんな部分ですか?


edo Tone: たとえば、アームホールを書いてません。
これは、アームホールを書いて、きれいなスーツとして、SLの人に受け入れてもらえるのか疑問だからです。
でももうちょっと自信が出来たら、書くと思いますw


emo8889 Xeno: でもお店は順調そうですよね。


edo Tone: 実は、emoさんと話し始めた5月初旬頃は伸び悩んでたんですよ。
服は売れて収支はそれなりにとれてるんですが、全然、ビジネスが向上しない時期だったんです。
そこでスーツの数を増やしているうちに、1日のうちに売れている時間が、
夕方から朝までということに気がつきまして、顧客の全データをチェックしたんです。


emo8889 Xeno: どういった結果が出たんでしょうか?


edo Tone: その結果、私の服を買ってくれている人たちのほとんどがヨーロピアンだったんです!
日本人やアメリカ人が、ほとんど買ってませんでしたw
元来、ヨーロピアンテーストの服が、リアルの趣味でしたので、
それで少し気が楽になったんですよねー。


それならと、モールに支店を18出してたんですが、
ヨーロピアンのオーナーの島の支店を残して、あとは出来る限りやめました。
そして、品揃えや色合いもヨーロピアンに合わせたら、無理なく売れるんですよぉー
今は朝起きて、売り上げをチェックするのが楽しい!w


emo8889 Xeno: モールに関しては、SL内でもかなり有名な場所に出店されてるとか?


edo Tone: ナンバーワンモールの「Sexy beach」

http://slurl.com/secondlife/Sexy%20Beach/201/107/22


フランス系では1番の「Paris style」

http://slurl.com/secondlife/France%20Quebec/50/138/24


ウルトラPGで、日本で言うドレスコードの「Breeze caribbean JAZZ CLUB」

http://slurl.com/secondlife/Breezes/76/134/32


フランス人の本拠地的島の「Paris1900」

http://slurl.com/secondlife/Seine/91/213/24


カジノ専門のオーナーが持っている「REEF」

http://slurl.com/secondlife/Reef%20Islands/58/117/23


主立ったところは、こんな所です。


「海外の有名モールの場所を取るのは、みんな必死なんです」

emo8889 Xeno: そんな場所にお店出すのは大変だったんじゃないですか?


edo Tone: Paris1900以外はランディングポイントの近くなんですが、
「Sexy beach」ではオープン前に場所を押さえました。
通常、オープン前に貸してくれる可能性は低いのですが、
オーナーに直接話して、「こういう理由で、私はどうしてもランディングポイントのそばに場所が欲しい!」
「RENT FEEがいくらでもいい!」「私はあなたのモールが好きだ!」って訴えたんです。


emo8889 Xeno: 凄い訴えかけ・・・。


edo Tone: どうしても、東洋人は相手にされにくい対象ですが、喧嘩寸前になるまで必死に話しました。
そしたら、あまりにもうるさかったんでしょうね。貸してくれましたw
海外では、モールの場所を取るのは、みんなかなり必死なんです。
でも、それがきっかけでオーナーと仲良くなり、次の改装の時に良い場所を貸してくれるようになりました。


emo8889 Xeno: そこには熾烈な競争が発生しているんですね。


edo Tone: 有名モールは公募される時点では、もう残り物です。
いくら良いモールでも場所が悪かったら、トップブランドでない限り商売になりません。
そしてそのモールにいっても、良いモールほどREZZINGしますので、
店自体も見えるのに時間がかかるのではないでしょうかw


emo8889 Xeno: なるほど。


edo Tone: あと、今ではどこに店を出しても中傷されませんけれど、
当初は日本男性は嫌われてたから、店を最初置いている最中に中傷されたりしました。。
「おまえの店はフリービーだけを売るのかー」とか、「おまえは帰る国がSLにはないねー」とか。
店を出しにくい島は実際にあるんです。


emo8889 Xeno: ショッキングな話だ。


edo Tone: それで、BreezeやParis1900はどうしても店を出したかったんです。

ファッションの中心に挑戦したいと言う気持ちは、当然ありましたが、
過去にParis1900に店を出店したのは1人だけで、Breezeに東洋人は店を出してもらえないと聞いたからです。


emo8889 Xeno: それをどうやって出店したんですか?


edo Tone: あの2つの島は、店を出す公募をしないので、コネがないとダメなんです。

Paris1900では、街を歩いている女性にフランス語で話かけたら、

こちらが日本人なので興味を持ってくれたんです。

その人がParis1900のアドバイザーを紹介してくれまして、その人が島のオーナーを紹介してくれました。

(Paris1900ではオーナーのことを市長と言うんですが)


Breezeは、アメリカ人の仲良しさんに紹介してもらいました。

あとBreezeなんて1ヶ月6600L$を一括払いで、それをオーナが「払えますか?」って聞くんです。
そこでジタバタしてたら、貸してくれない。


emo8889 Xeno: edoさんは国内のSIMでの活動は考えておられるんでしょうか?


edo Tone: ビジネスがうまくいったので、日本に凱旋するつもりでmotomachiに店を出したんです。
モールのノウハウで、オープン前に良い場所を!という感じでですね。
それが大失敗だったんですw


emo8889 Xeno: といいますと?


edo Tone: 2ヶ月motomachiに本店を出したんですが、びっくりするほど売れませんでしたw
最後の3週間は売り上げゼロでしたよ、他の17の支店は黒字なのにねーw
それで日本から撤退したわけです。


それについては、色んな意見がありますが、
早過ぎたという意見については、「じゃあ、いつならいいの?」と思いますし、
どうして日本人向けの服をどうして作らなかったの?という意見には
「私はこのテーストでした作れません」と言うしかありません。


でも今度、日本国内にはまたトライします!
海外と日本でのビジネス自体や雰囲気も違いますけど、
良いオファーがあれば、チャレンジしたいと思っています。


emo8889 Xeno: 海外と日本はそれほど違います?


edo Tone: 簡単な所では、日本って店同士が「儲かってますか?」って、
リアルの関西人同士のような会話をしませんよね?
「稼ぐ」とか「儲かる」という意識も淡白なように感じます。
海外の店同士、その辺はお互いにヅケヅケ聞きますねーw


emo8889 Xeno: ビジネスに対して真剣ですね。


edo Tone: 善し悪しは別にして、「とりあえず店を出したかったので」という店が結構日本にはありますしね。
日本の場合、「マジで商売している人が好きではありません」って、
はっきり言われてしまうことがありますw


emo8889 Xeno: 海外の風潮はどうなんですか?


edo Tone: あわよくば小遣い稼ぎしたい!と思っている人が多いですし、
SLを仕事にして、店を開いてる人がかなり海外には多いですよ
私の友人には、偶然かもしれませんが多いです。

1日25000L$稼ぐ人とか、店を80軒持ってるとかね。とにかく稼ぐ意識が高いですねー。
そういう連中にSLではどうやって稼ぐか教えてやる!とか言われる毎日ですw


emo8889 Xeno: 技術的にはどうなんでしょう?


edo Tone: 人が作りたいもの、人が着たくなるもの、売りたいものを作る方が大事で、

「バーン!」と作って、「これでどうだー!!」と良いと思いますよ。
アメリカのね、LATEXの女王は50代の主婦で月に10万稼いでます。
SLを覚えるついでにPhotshopを覚えて、服を売ったお金で子供を大学に行かせています。
彼女なんて、細かい技術知らないですよ。


emo8889 Xeno: それは凄いですね。


edo Tone: 僕は油絵とかにはある程度書けると思うんです。素人の割にね。
でも、CGの細かいところは下手ですよw
それでも、こんなオーソドックスな路線の服でも大勢が買ってくれてるんです。


emo8889 Xeno: ちなみに今後どういった活動を予定しているんですか?


edo Tone: 支店を更にしぼって、この島でのビジネスを大切にしていくつもりです。
服だけではなく、スタッフや周囲の人が良いものを作っているので、
そういうものもバックアップしていこうと思っています。


あまり「稼ぐ!稼ぐ!」というのに飽きて来たので、
フランスを始め、ヨーロッパ人が多くいる島に、店を出してチャレンジもしていこうと思っています。
もちろん服はもっと良いものを、少しずつ作っていくつもりです。


emo8889 Xeno: スタッフもいらっしゃるんですか?


edo Tone: 日本人の男性が2人、日本人女性が1人、オーストラリア人の男性が1人です。
私のリアルも忙しいので、1人で店の仕事をするのが限界になっているんです。
私でなくても出来る仕事や、私が気づかないことを彼らにやってくれるようにしたいと思っています。


現状ではもう1人、女性が欲しいので今、女性のスタッフを募集しています。ある程度SLに馴染んだ方で、

一緒に私のブランドのスタッフとして助けてくださる方がいらっしゃいましたら、IMをください!


「リアルでは出来ない事が出来るSLは絶対魅力がある!」

emo8889 Xeno: そんなedoさんにとってSLってどんな存在ですか?


edo Tone: SLではどんな失敗をしてもノーリクスだと思うんです。
今までリアルで挑戦出来なかった事に、思い切って挑戦出来る世界だと思うんです。
お金というより、1つずつの挑戦や、人とのつながりがすごく楽しいですね^^
大変で疲れることも多いんですがw


リアルで目一杯仕事をしてきて「さて!これからSLでも仕事だー!」って思うだけで疲れますw
SLでも、リアルと同じで、良いことばかりじゃないですよね。
人との摩擦とか中傷もされますし、上手く行かない事ばかりですが、
それでも、頑張って続けるべきことは続けなきゃいけない!って思う事が大変ですよね。


でもそれを考えてもリアルでは出来ない事が出来るSLは絶対魅力がある!


emo8889 Xeno: 最後に読者の方に何かメッセージをお願いします。


edo Tone: 私の島には、店とビーチしか置いておらず、
買い物をしたり、のんびりとビーチでリフレッシュ出来ます。
多くのみなさんがこの島に来て頂ける事をお待ちしております。
どうぞよろしくお願いいたします。


あとSLで店を出しても、すぐに売れるということはありません。
そういうSLでも、頑張ればビジネスを続けられます。
SLには店を出せる多くの場所がありますので、日本に拘らず海外にドンドン進出してください!
期待していますし、私もがんばります!


emo8889 Xeno: ありがとうございました!
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SLには国境はありません。
だからこそ出来る楽しみ方というのもSLにはあり、またそれがSLの魅力の1つではないでしょうか。
ただedoさんがおっしゃるように、世界市場の有名スポットは競争率が非常に高く、
熾烈な争いがそこにあるようです。


日本でまとまったSL収入となると、諦めてる方は多いかもしれませんが、
それに挑戦するのもSLのプレイスタイルで、世界のクリエイターがどんどん挑戦しています。

そんな世界に挑戦しようと考えているみなさんも、
edo Toneさんのショップ「Styles of edo」をご覧ください、そこには沢山の素晴らしいヒントが隠されている事でしょう!